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良き消費者が日本を救う。新しい資本主義のブレイクスルーは企業ではなく顧客側にある

という仮説です。

グッドカスタマーばかりであればコストは下げられる

弊社はキャンプ場の指定管理をさせて頂いておりますが、どこのキャンプ場でも悩み事はキャンパーのマナーです。

「流し場を汚くされた」「皆のための無料の薪を全部燃やされた」「ゴミがサイトに散乱している」・・・

キャンプ場運営者の共通理解としては「安いキャンプ場ほどマナーが悪くなる」という点。実際に無料のキャンプ場を有料化したことで、マナーが向上したという事例もあります。

キャンプ場のみならず。たとえばホテルでも、値段が下がればマナーも悪くなる、ということはよく聞きます(以下の例はちょっと下世話ですが)。

そんな話を耳にし、逆に考えました。「もし顧客のマナーが良ければ、もっと色んなものやサービスが安く提供できるではないか?」と。

マナーの良さで安く済んでいる社員食堂

すでに顧客のマナーが良いからこそ安くサービスを提供できている例もたくさんあります。

たとえば社員食堂。儲けを第一においておらず福利厚生のため、という目的もあるのでしょうが、得てして安いですよね。
社員食堂を見ていると、社員さんは行儀よく列に並び、自ら食べたいものを取り、飲み物を自分で淹れ、食べ終わったら自分で食器を返します。

「セルフサービスだから当たり前」という見方もありますが、もしマナーの悪い人、たとえば食器を自分で返さないような人がいたら、食器をもとに戻す係が必要となります。その分人件費が膨らみ、人件費分をランチの値段に含めなければなりません。

このように、大なり小なり、消費者のマナーが良いがゆえにサービスを安く提供できている、ということはよく見られるのではないでしょうか。むしろ世の中のリーズナブルな値段のサービスのほとんどが顧客のマナーの良さに支えられているようにも見えてきます。

怒鳴り散らす人がいない電話相談窓口なら病む人は減るのではないか

学生の頃、テレフォンオペレーターのアルバイトをしていたことがあります。比較的ホワイトな職場でしたが、それでも中にはクレームに出くわします。お客さんから電話で何時間も罵詈雑言を浴びると、誰だって嫌な思いをします。そんな電話が続くと、病んでしまうようなことも容易に発生します。

クレームを言うなとはいいませんが、怒鳴り散らすような怒りをぶつける人が減ればどうでしょうか。業務の生産性は上がる気がするのは僕だけでしょうか。少なくとも「クレームを受けるのが嫌」というような気持ちは減る気がします。

クレームはお客さまからの不満の声ですので、改善の余地がたくさんある、企業にとっての宝である。そんなことは通説として言われています。本来はクレームはありがたい話なのですが、怒鳴り散らす人がいるからこそ受けづらくなっているようにも思います。怒鳴り散らす人がいなくなれば、クレームを前向きに受け止め、業務改善に努めるエネルギーに回せるのではないか。そんなことも思うのです。

グッドマナーにもトレーニングが必要

単純に品行方正に振る舞うよう気をつければよい、というわけでもなく、何が真にグッドマナーかを消費者が理解することも重要だと思います。

最近読んだ以下の記事ですが、「食べ終わった後に皿を重ねて帰る」「おしぼりでテーブルを拭く」といった良かれと思ってやっている行為が実は迷惑、という話でした。

思い返してみると、自分も
店の人「ああ、そこまでやっていただかなくて結構ですよ・・・」
我々「いえいえ、いいですっていいですって・・・(テーブルをおしぼりでフキフキ、皿を積み重ねてカチャカチャ)」
みたいなシーン、結構あったなと。店の人は恐縮していたのではなく、シンプルに迷惑だったんですね。反省です・・・・・・。

グッドマナーな消費者がトクする仕組みをつくりたい

話を戻すと、真にグッドマナーな人は、サービス提供者側にコストをかけなくて済むはずです。であるならば、グッドマナーな行動を評価したり認定したりすることで、グッドマナーな消費者がトクをする仕組みがあってよいのではないかと。

今はまだそんなサービスをすぐ作れたりはしませんが、そのうち「グッドマナーカスタマー協会」みたいなものをつくって、グッドマナーな消費者を増やすような活動をしたいな、と思った次第です。

グッドマナーな消費者が世界を変える

SDGsの重要性が声高に論じられていますが、我が身も振り返りつつ実際のところまだまだ消費者はただ消費をするだけで、気持ちのよいSDGs的サービスを提供できるよう企業が努力している、という構図のままのように思えます(僕だけでしょうか)。

結果として本当は環境や社会への負荷が高いのに環境・社会に良いことをしているように見せかける「SDGsウォッシュ」と呼ばれる現象も散見されますし、

むしろ消費者側も「SDGsウォッシュ」だと薄々気づいてはいながらも、自分の心地よい消費生活を崩したくないがために見て見ぬふりをしている、なんてことも起きているように思えます。

真に持続可能な社会をつくるには、消費者側の変容こそ重要。その一歩として、グッドマナーになればなるほどトクをする、そんな取り組みが有用なのではないか。そう思うのです。


※全くどうでも良い余談ですが、冒頭の画像は「Be the change you wish to see in the world」ガンジーの名言とされています。でもガンジーは言っていないそうです。 ガンジーがやり残した大きなことの一つはこの名言残さなかったことだなと思ってます。

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