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スタートアップが初めてインターンと業務をするとき(準備編)

LinkedInで募集をかけてみたら、思いがけず優秀な人財と巡り合ってインターン採用に漕ぎ着けた。さて、何をしてもらおうか・・・
(記事と僕の猫は関係ありません)


1. まずは大枠のイメージアップを行う

1-2daysのような、事業経験というより企業紹介に近い超短期のインターンや、事前にプログラムが決まっていてその中で模擬的な職場体験をしてもらう短期インターンでは事前にインターンに行ってもらうことはほぼ決まっていると思います。

一方で、僕らが実施しているような事業企画そのものにジョインしてもらうインターンでは、期間中にきっちり何をしてもらうか全てが明確になっていることはほぼ無いと思います。議論においてもスクラップ&ビルドを繰り返すのが茶飯事なので、事前に決まりきっていることがそもそも無いためです。

もちろん、全くのノーアイデアでインターンを募集することもなく、ぼんやりと「こういうことやってほしいなぁ」と思うことがあるはずで、まず最初に行うべきはインターンにやってほしいことの明文化です。

弊社で実際に作っていたインターンに行ってほしい業務リスト

2. オリエンテーションの準備

スタートアップがインターンを採用したとなると、おそらく採用通知からオリエンテーションまでの時間はそこまで長くないと思います。
ただオリエンテーションは、インターンシップの最初の2週間の価値を左右するとても大切なセレモニーです。インターン に従事してほしい業務をある程度イメージアップしたら、オリエンテーションの準備をします。

  1. 自己紹介(事業者側、インターン側とも)

  2. 会社メールアドレスの設定(インターン に会社アドレスを配布する場合)

  3. インターン側が今回のインターン に期待することの書き出し(知りたいこと、経験したいこと、身に付けたいこと、など)

  4. 事業の目的、事業者側がインターンに期待していること、コミュニケーションルール

  5. 向こう2週間のスケジュール確認、確保

  6. 向こう1週間の各インターン のタスクアサイン

  7. 総務経理対応(機密保持の誓約書、給与口座の申告、給与所得者の扶養控除等の(異動)申告、ダブルワークの確認)

上記1-6は僕らのインターンシップ で実際に行ったオリエンテーションのアジェンダです(7は後から気がついた、やっておけばよかったと反省した項目)。割と余裕を持って2時間と設定したつもりが、2つ目の会社メールアドレスの設定で予想以上に時間がかかり(20分くらい)焦った記憶があります。営業などで他の会社さんと接点を持つ可能性がある場合や、ファイルのやりとりを前提としたインターンの場合、さすがに会社の事業情報を個人のアドレスに送るのは憚られるので会社用のメールアドレスを配布すると思います。
この場合、会社用のメールアドレスと個人で使っているメーラーを同期させる設定が必要となりますが、windows/macユーザーで微妙に異なったり、outlook/gmailユーザーでも設定方法が異なります。事前にマニュアルを準備しておく、もしくはオリエンテーション前に設定をお願いするなどしておけばよかったと反省しています。

  1. 自己紹介は、いまどき自己紹介・・・と思うかもしれませんが、アイスブレークとしては極めて有効です。先に事業者側で作って送っておき、同じフォーマットでインターンにも作ってもらうと当日スムーズに進行できます。フォーマットがあると、話す項目が揃って来るので時間もコントロールしやすく、お互いに安心感があるのでおすすめです。オンラインのインターンの場合、打ち合わせ中に飲み物を飲んでもOKといったことや、お互いの呼び方(弊社はみんなニックネームかファーストネーム)なども決めておきましょう。あとあととても効きます。

  2. 上記の通りなので割愛します。

  3. インターン生が知りたいこと、経験したいこと、身に付けたいことは、事業者側がインターン生のことをもっと知るために有効ですし、学生に目標・目的を言語化してもらうためにも役立ちます。今後のタスクのアサインや振り返りを行う際に、元々何を期待してたんだっけ?と振り返れるポイントにもなります。

  4. 今回なぜインターンを採用したのか、自分たちが何を目指しているのか。たぶん採用のインタビューでもお話ししていると思いますが、改めてお話ししましょう。事業者側が考えていることを伝えることはとても大切です。

  5. 向こう2週間のスケジュール確認、確保は実はとても大切で、できればオリエンテーションまでに事前に学生に依頼をしておくほうが良いです。弊社では当日聞いてしまったのですが、思いのほか学生の予定が詰まっており、最初の10日くらいはなかなかコワークの時間が取れないなど想定外の状況に陥りました。社会人になってから学生時代を振り返ると大体楽しく遊んだことが印象に残っていて、まぁ学生だから時間はあるだろうと思い込んでいましたが、今の学生は普通に忙しいです。

  6. 向こう1週間のタスクアサインは、事前に考えていた明文化の作業の中で出てきていると思います。

  7. 弊社ができていなかった、これもとても大切なことですが、総務経理対応(機密保持の誓約書、給与口座の申告、給与所得者の扶養控除等の(異動)申告、ダブルワークの確認など)は必ず事前に何を聞くべき、何の書類を提出してもらうか準備しておきましょう。特に給与関係は思わぬ付随業務が発生して社労士さんに合わせてて相談、ということになりかねないので必ず聞くようにします。とても大変でした笑。

弊社のインターンは完全オンラインインターンなので、事前にmiroでオリエンテーション用のボードを準備しておき、それに沿って1-6を行いました。繰り返しますが、7の総務経理対応は本当に準備しておくべきだったと反省しています。

インターンに書き出してもらった、知りたいこと、経験したいこと、身に付けたいこと

3. 最初の週のタスクを考えておく

インターンに従事してもらう業務などイメージアップはしていますが、オリエンテーションまでに具体的なタスクをいくつか考えておきます。

弊社の最初インターンでは、期間中に従事してもらう業務の前提となるディスカッションサマリーなどを共有して、読み込んだ上で質問をするようお願いをしました。
インターンの初期段階では事業者側-インターン側とも力量も距離感も掴めていませんので、まずはインプットとなる材料を渡すのが良いと考えたためです。一方で、僕自身が「ただ読むだけ」と言われるとあまり頭に入ってこないので、質問を促すことでやや主体的な取り組みとなるよう工夫をしたつもりです。

議論を重ねてきている事業者側と新しくジョインするインターンとでは当然前知識に差があります。インターンの最初の頃は、特にオーバーヘッドコスト(期間的な意味)は注意が必定です。


4. コワークはなるべく早く入れてインターンのコミュニケーションを円滑に

前述した最初のタスクと関係しますが、複数のインターンを同時に採用する場合には出来るだけ早い段階でコワーク(共同作業)の時間を調整します。
どうしたって最初は事業者とインターンとの間は壁があります。まだ人的なリレーションが構築しきれていないということに加えて、事業の内容もよくわからない状態です。せめてどちらかがあれば、失敗を恐れずに会話に入りやすいと思いますが最初はどちらも十分ではないと思います。
インターン同士のコワークを早めに入れることで、新しい組織の中で発言をすることと事業の理解が深まることの2つが進みます。

インターンが3人以上の場合、3人の空きコマが合うことはなかなかありませんが、AさんとBさん、BさんとCさんという形でBさんにハブになってもらうことで弊社ではこの問題をクリアしました。
もちろん、ハブになるのは特定の人ではなく、その週に都合がつく人という形でしたが、結果的にインターン全員がハブになる経験をしたことでより円滑なコミュニケーションが生まれたとかんがえています。

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