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▶︎福祉用具で出来ること、出来ないこと。《本質を知ろう》

【福祉用具は万能ではない】


そこをどう見極めていくのか。

初めに、“何に対して万能ではない”のか。

それって、やはり利用者さんを取り巻く環境に対してでしょうか。

取り巻く環境は、「=住環境」といえます。

福祉用具は、今やネットを探せば様々な商品があると思いますが、まずは、福祉用具は基本的には既製品なので、利用者の身体状況によって、合う合わないがどうしても出てきます。

また、福祉用具は、利用者の動き全てをカバー出来ない。

『生活』というモノは、様々な身体の動きを駆使し、一連の動作を、一連の流れで行っています。

その一連の動作のほんの一部分を切り取った動作のみに福祉用具を作用させます。

多くても、2〜3つ程度の動作に対してでしょう。

例えば、

◉歩行器、杖なら、歩くという動作。

◉電動ベッドの背上げ機能は、上半身を起こすという動作。

◉介助バーは、立ち座りという動作。

◉トイレフレームなら、座位保持と立ち座り動作。

など、でしょうか。


だからこそ、私たち福祉用具専門相談員は、一連の動作の中の“どの動作”が出来ないのか、出来にくいのか、を見極めないといけない。

【尿意を感じる→椅子から立つ→歩く→トイレの電気を点ける→ドアノブを回す→ドアを開ける→閉める→便器まで行く→衣服を脱ぐ→便器に座る→排泄をする→排泄処理をする→流す→衣服を着る→手を洗う→ドアを開ける〜】

のような、『トイレに行く』と言うことだけでも、実際には、人は様々な動きをしています。

その一つ一つの動作の、『何が』出来ないないのか、出来にくいのかを見ないといけません。

歩行器を入れたら、全てが解決するのか? 

しませんよね?!

そうなんです、出来ないのです。

こう書くと、『当たり前やん』と思われるかもしれませんが、案外この点って、忘れがちですし、中々この一連の動作を見れている福祉用具専門相談員は少ないと感じています。

全ての生活は、寝ている以外の時間は、このような、『一連の動作』(厳密に言えば、寝ている時も一連の動作(寝返りなど)をしているでしょう)が切れ目なく行われ初めてそこに『生活』という営みが生まれます。

極論で言えば、先程の、トイレに行く一連の動作の一つの動作に対して一つの福祉用具を使います。 

だからこそ、その動作と福祉用具をマッチングさせるために、我々福祉用具専門相談員がいます。

そこの見極めを如何に“上手く”するかですね。

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