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書く。心を追いつかせるために。

※後半は「生きづらい人」について。こんな思考回路なんじゃないかって。

ぐるぐる考える自分は「生きづらい人」かもしれない。良い生き延び方を探している。

悶々やモヤモヤは、心を追いつかせず早く進み過ぎてしまったサインだと思うようになった。


心が頭に追いつかない。

ふつうに暮らしていたらそんなことばかりだ。
あと何分でこれをしよう、次はあれだ。あの人にああ言おう、こう言われた。

買い物に行けば、大量の似た商品から一つを選ぶ。選ぶためにわずかな違いを大きくする。
売る側は良い部分を拡大する。買う側は騙されないように薄く警戒を張り続け、安心して頼れる情報源がほしくてSNSをながめ続ける。

そうやって頭ばかり。でも心はきっと、もっとゆっくりなんだと思う。
(森でほっと緩むのは、そういうこと。)

本当は、思うよりもずっと、ひとつひとつの出来事に心はちゃんと追いつきたい。


書いて吐き出す。確かなものを確かめる。

夜のノートタイムを始めた。
お風呂の前に数分間、頭の中をすべて書き出す。

あれが嬉しかった、これが引っかかっている、こうとも言えるんじゃないか、やっぱり自分はこうだ、こう言えたら良かった、この気持ちは何だろう…

頭に浮かぶなら書く。繋がるなら線で繋ぐ。掘り下がるなら堀り下げる。
すべて書いたと思えるまで、書く。

毎日の日記とも違って、考えを整理する作業とも違う。
どちらとも違う「書く」ことの意味を、このノートタイムで感じている。

自分の中のものを吐き出す。それで心が(やっと)追いつく。
ただ自分のために書く。確かなものを確かめる。

そういう「書く」を、この時間でしている。

不確かで、どうとでも言える世界の中で、確かだって言えることを見つける。それを基に生き方を選ぶ。

例えば「したいことがないなら何もしない」こと。
これはきっと正しい。僕が見つけた確かなことの一つ。

確かさがほしいと、ずっと思っている。世界を信じたいと、ずっと思っている。

でもきっと、信じたいその気持ちが僕を生きづらくもする。


生きづらいのは言葉や世界をそのままに信じたいから。

前々から薄々と、最近よく思うのは、言葉の意味は一つじゃないこと。

「優しさが大事」も「自分を大切に」も、どれも本当で、どれも程度問題。ちょうど良いところを見つけるしかない。
発達障害で「言葉を字義通り受けとる特性がある」という言い方がある。なら一般社会では、言葉をそのまま受けとっちゃ困るよってことだ。

そのまま受けとっちゃいけないなら、信じるってどういうことだろう。

「優しさが大事」も「自分を大切に」も、
どの言葉も「時と場合」で「やり過ぎ注意」の条件つき。

その時々のちょうどよさをサッと見つける人もいるけれど
「生きづらい人たち」は、真面目に言葉を受けとって信じて、あの時はこうだったけれど今回も当てはめて良いのかなって考えて、無限につづく場合分けにいつも自信を揺さぶられる。
なんとか今この場の対応を見つけて生きている。

たくさんの場合分けを考えて今の言動を選んだ。でも場合分けでしかないから選ばなかった他の可能性もあり得る。
他の人は自分以上に考えてそうしているのか、はたまた自分が考え過ぎなのか、じゃあ何を止めればちょうどいいのか。
それらが分からなくて、また場合分けがふえて、言えない気持ちがたまっていく。

ネットや本で「良い方法」を取り入れても、結局すべて程度問題。頭の中に場合分けをふやすだけ。
少し効果が出て、これは応用が効きそうだと頼るけど、当てはまらない出来事に出くわして混乱する。「今の状況にこの方法は合うのか合わないのか」の場合分けをふやすことになる。

こんなに考えて、ああ面倒だ。

生きづらい人はきっとこういう人。
純粋で、真面目すぎて不器用で、頭がぐるぐるして回転がゆっくりで、納得を後回しにできなくて、言葉や世界をそのまま信じられないことに傷ついている人。
言葉や世界をそのままに信じたい人。


こうやって頭の中(のこれでも一部)を書くと、自分って面倒くさい人間だなあ、そりゃ生きづらいよなと思う。
そんな生きづらさも面倒くささも、心が追いつくと受けとめられる。


心が追いつかないと「したい」が「すべき」に変わってしまう。

言葉はすべて程度問題。何か違うなら心が追いついていないサイン。思えば当たり前な気がするけれど。

「~をしたい」は特にそう。シンプルで複雑。

今やっておくと後で助かる、投稿したら反響があるかも、こっちの方が効果が高い…
それらも僕らは「したい」と呼んで、実は「すべき」が混ざっている。

「すべき」だからプレッシャーがある。それを「したい」と勘違いして進めば、いずれ耐えられない時がくる。
心が追いついていないなら、自分に嘘をついているのと同じ。心が追いつけば自分の中の本当のところにいられる。


心が追いつく時間をとること。生きづらい中で生きる術の一つになれば良いなと思う。

だから今夜もノートを開こう。

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