『かるかや』閉店によせて
『かるかや』と出会ってから、15年以上。私の心は、深い悲しみと喪失感に包まれている。
6月30日、西武池袋本店9階、食と緑の空中庭園にて、『讃岐うどん かるかや』は惜しまれつつも営業を終了した。当日にはたくさんの客がかるかやを訪れ、最後の一杯を楽しんだという。
私はその「最後」に立ち会えなかった。
名店の終わりとはこうもあっけないものなのか。買収のことがあったのに、かるかやの終わりを毛ほども疑わなかった私が悪い。慢心していたから、閉店前にSNSを駆け巡っていた「かるかや閉店の噂」にも気づくことができず、こうして閉店した後、全てを知ることになったのだ。
出会いは15年以上前、まだ私が小さく、母の丼から分けてもらったうどんをフォークで食べていたくらいだと思う。それから中学生になり、辛くなったとき、テスト期間、終業式等々、節目節目にかるかやを訪れては、「冷たいわかめうどんの大根おろしトッピング」をその後に至るまで食べ続けてきた。
私のインスタを見た方はわかると思うが、浪人生活に終止符を打つための、受験の前の勝負飯としても、このメニューを食べてきたのである。
もしかしてあれやそれのせいなのか、という、やり場のない憤りと、これからの学生生活をどう乗り切ったらいいのか、という悲しみで打ちひしがれている。忘れるなんてできない。
どこかで、また出会えたらとか。願うことだけは許してください。
長い間、ありがとうございました。
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