そろそろ「パン屋の二代目」は出てくるので。大塚明夫と、『アリスと蔵六』について
ひとまず「銀英伝参り」もフェザーン方面に参りました
ので、そろそろ「パン屋の二代目」チュン・ウー・チェン
は出てくるところでございます(なんとか一章までは突破
したのでオリジナルの理論展開までは来ました)。
チュン・ウー・チェンといえば◆大塚明夫[江崎→マウス]
以外には考えられない世代ですので、ぼちぼち大塚明夫氏と
少し前に話題となった「声優魂」(星界社新書)に関しての
本質と、私はあんまり大塚明夫氏が参戦してきた作品の本流
(周夫氏の持ち役を継いだ『忍たま』とかスネークとか)
に触れていないので(『ナディア』のネモ船長くらいかなあ)
個人的に推しておきたい過去の作品へとシームレスに語れる
のであればいいかなあと。
もともとよくネットで引用されていたのは選民思想の思惑
たっぷりなTK(とダイヤモンド社は大概腐臭に似たオードゥル
を放ちすぎ)なので、あくまでも元本を通読しての感想のみ
コミコミで、と。
簡潔に大塚明夫氏の主張をまとめれば、昔の事務所(江崎
プロ時代)は声質が似てるから、といふ理由で納谷六朗を守る
ために(侍ジャイアンツで一緒にやってた)富山敬の事務所入り
を断ったこともある事務所だった。
けれども実父・大塚周夫氏の紹介で(しっかりとしたコネで)
ちゃんと音響監督廻りの紹介を納谷六朗の家族(六朗氏を含め
2014年に亡くなるまで親身にしてくれた光枝(納谷光枝ないしは
小野光枝)氏に、根っからのマネージャー体質で、光枝氏
亡き後一度はマウスプロモーションを継いだが、現場に戻りたくて
後継を立てて音響スタジオの主(音響監督)に戻った納谷僚介氏)
に受けた恩義を大塚明夫氏はしっかり感じ取っているから、
今の事務所(マウスプロモーション)を動くつもりは一切ない
(それはマネージャー絡みでピアレスガーベラに移籍した石田彰や
事務所が厳しい時にイチ抜けたしてフリーになった小野大輔や
六朗氏がなくなる手前でフリーとなり、ある程度は旧事務所の
メソッドで戦えたけど、3年したらブッ倒れて休業した細谷佳正
みたいにならないって決意表明でもあるけど)。
でもこれってコネのない声優未満の若者に薦められる道じゃ
ないしな、といふ視点で語られている話なんじゃないのかと。
確かにその視点なら肚の据わっていない、社会経験も乏しい若者は
「声優として生き残れない」と主張するのもわかるかなと。
ただ、納谷僚介氏とのやりとりがあったけど、直に事務所に
来て云々、って寝言もまたコネがちゃんとある人のやりくちだから。
それやった人の代表格はいきなり池澤夏樹の娘でギリシャ人のハーフ、
といふことで『ウエディングピーチ』のガヤから始まり、
事務所を替えて数年後には「エキセントリック少年ボーイ」
も手がけた作曲家が「1曲じゃおさまらない」とそのキャラに
3曲も付けたことで知られる現在の日本SF協会会長ですから。
といふことで、そんな大塚明夫おじいちゃんが蔵六として
紗名ちゃんにメロメロな作品がまあ個人的に推しておきたい
アニメ『アリスと蔵六』です。
さてさて、基本的にはゆにこの日常回にハズレなし。
を象徴する第6話『樫村家』こそ至高ではあるのですが、
そこに至るまでの経緯をCMでしっかり紹介した
ダイジェストCMは見つかるかな、と。
BD版のバージョン2CMが端的ですごくいい。
ダイジェスト版で行くなら、これがわかりやすい。
音楽制作■ランティス
音楽プロデューサー■佐藤純之介、臼倉竜太郎
音響監督■岩浪良和
キャスト
紗名◆大和田仁美[青二(ジュニア)](当時)
樫村蔵六◆大塚明夫[マウス]
樫村早苗◆豊崎愛生(ミュージックレイン)
一条雫◆小清水亜美[ac1](当時)
内藤竜◆大塚芳忠[クレイジーボックス]
山田のり子◆広瀬ゆうき(A応P)(サンミュージック)(当時)
“ミニーC”・タチバナ◆能登麻美子[大沢]
雛霧あさひ◆藤原夏海[アーツ]
雛霧よなが◆鬼頭明里(プロ・フィット準所属)(当時)
鬼頭浩一◆松風雅也[青二]
クレオ/敷島羽鳥◆内田秀(リンクプラン-プロ・フィット系)
美浦 歩(みほ あゆむ)◆高橋未奈美(当時)[俳協]
現状との比較で言えば、まだ鬼頭明里は準所属で、
(また谷村が匙を投げたので、岡本信彦が社長になった
ラクーン・ドッグの所属)。
大和田仁美も青二のジュニア所属、まだ主立った出役が
『SHIROBAKO』のディーゼルさんくらいしかなかった頃かと。
いつでもどこでも小うるさいキャラに付きがちな山田を
やってた広瀬ゆうきはまだA応Pやってた頃(脱退して
からは青二のジュニア扱いなんだっけ)。
高橋未奈美はまだエルコンドルパサーやる以前だから
まだ高橋ミナミ表記ではない、といふところが(当時)
表記の注釈になります。
(ま、小清水はね。「残念の伝道師」ですし。最近
個人事務所立ち上げたんだっけ、くらいの補足で)
W大塚揃い踏みで、第1部には番長もいる、ってところが
なんだか強そうなキャスティングなんですが。
(番長とは「おはスタ」で角田信朗と一緒に「大ちゃん
数え歌」ベースの小西康陽(ピチカート・ファイブ)
アレンジで「おはかぞえうた」歌ってた◆松風雅也[青二])
1部が原作の1・2巻準拠で、2部が3-5巻準拠。
でもアニメ版はすごく整理されてて、2部の冒頭とかも
オリジナル。あの動機付けは確かに引き込まれるし、
とっかかりとしては素晴らしい。
やっぱり大塚明夫の声で説教されると問答無用の説得力が
ある。
名言の宝庫はやはり4話か。
【アリスと蔵六】第4話 感想 蔵六に説教されたいみなさん : あにこ便
第4話『人でないモノ』
脚本:ヤスカワショウゴ
絵コンテ:山川吉樹 演出:関田修
作画監督にかつて「日ペンの美子ちゃん」書いてた方の
佐藤元(最近は声優にも同姓同名の佐藤元がいるので)
が参加しているんだっけ。
やっぱり大塚明夫の声で説教は身に沁みてくる。
矢張り肚の据わり方と年季が違う。
つまらない政治力でコロコロ替わってしかも
そのカットの仕方に愛がない「金ロー」垂れ流してる
ならサッサと【アリスと蔵六】の1部再構成して
流した方が人気出るんじゃね?とは思いますが、
そこまでの気が少しでも廻るなら、日テレが
本質的に小バカにされる数々の悪業を引き起こしては
いないでしょう、とも思えるのですが。
まあこうした荒事の1部と迷い事(もしゃもしゃ)
の2部の間にゆにこ脚本が挟まってる構成も整ってて
好きなのがアニメ『アリスと蔵六』なのでした。
(紗名のストレートな「ちゃんとしたものになりたい」
は効き過ぎるのでゆっくりと耳を塞ぎつつ)