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橋中佐和と「ダメをみがく」~「この本取って出し」その2

では出来るだけ軽く書けるネタで、といふことで
扱うならば「この本取って出し」。2回目はメモ書き
(ノート写経)もある程度纏まっていたのでこちらに
しましょう。

9784087455359
集英社文庫
ダメをみがく
対談構成:橋中佐和
イラストレーション:久世番子
津村記久子 深澤真紀

初出は日経ウーマンオンライン
「働き女子に贈る〝ダメ力〟のみがき方」
2012年10月~2013年3月

単行本は2013年4月刊で紀伊國屋書店から。

2017年1月に集英社文庫に入りました。といふ流れ。

「ダメ人間である私たちの対談集を作ろう。
構成はもちろん橋中佐和だよね」とスタートしたのがこの対談集である。 佐和はいつものようにこの対談の構成を見事にそして面白く仕上げてくれたのだが、本書の完成を見る前に、四十六歳の若さで急逝してしまった。

単行本あとがき/深澤真紀p298

勿論個人的に尊敬するゲーマーといえばなんと
いっても淡路恵子なんですが、「(恋愛は)もう
疲れた。ドラクエは裏切らない」の名言を遺された
ように「恋愛沙汰」に疲れた人達には「代償行為
仮説」に基づいていくつかの宗派に分かれる。

だから私は当然「水曜どうでしょうは裏切らない」
になるので、誇大妄想を膨らし続けて憚らない
「テニプリ」が不倶戴天の敵になるわけですが、
そんな多分に「チームダメ人間」が読むならば
手に取っておきたい一冊がこの「ダメをみがく」
なのかなと。

津村 コミュ力はむずかしい。天賦の才能やから。
   でも「ないとダメ」って言われた日には
   どうしたらいいんでしょうね。

深澤 それは「美人」とか「足が速い人」と同じ
   才能ですから。
   ないものはしようがないです。

「ダメをみがく」p231

(ノート写経)にはこうコメントしてある。
いわゆるKANの「きまりだもの」。


深澤 だから「一生一緒にやっていこう!」
   という感じではなく、「とりあえず
   なんかやるか」って感じでしたね。

津村 そのほうが幻滅しないですからね。

深澤 そうなんですよ。
   (中略)
   無理に尊敬しない相手のほうが、
   つきあいは長続きしますよね。

「ダメをみがく」p90

この対談で扱っている話題は時に重くも
ありますが、そこは芥川賞作家とコラムニストの
腕と心地良い会話の応酬、そして対話構成の
見事さ。「チームダメ人間」としては非常に
読んでて心地良くなるサプリメントのような
一冊、といふことで「ダメをみがく」、でした。

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