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全道レベルに普及した1990年代以降のザンギの変遷。ザンギ名人、布袋のザンギ、ハーヴェスト八雲、ザンギバーガーなど。それらの主な経緯その2。

ってことで「ジョイパックチキン」のカレーチキン、
は別にレストアすることとしまして。

基本的には北海道各地に散らばる鶏料理の中で
ザンギが全道レベルに普及するまでの経緯はひとまず
書きました。

いわゆる「釧路フェザーン」な動きのかなり早めな
ヤツが素材の宝庫十勝の「鳥せい」といち早く結託
出来たので、ザンギは全道レベルに普及した。その
主な経緯その1。|torov|note

それが大体1980年代あたりまでとして、所謂平成
時代に入ってから(1990年代以降)の全道レベルに
普及した1990年代以降のザンギの変遷(周縁含む)を
つらつら取り纏めてみようかといった次第。


「ザンギマニアックス」。

まあそれでも同人誌的なローカル地域研究でこんな
冊子も以前手にしてはいたのですが(MKでね)。

「ザンギマニアックス」。

ただ他のシリーズに比べると札幌周辺の中国料理系と
弁当系くらいまでの言及に留まってて、あまり要領は
得ない感じに終わっていた。
(どんぐりの「ザンギ串」をメインで取り上げている
姿勢はいいのですが)

創成川に柳の面影はあるか。~2022年秋の街中点描
その2。|torov|note

【あきた暮らし】ペンギンベーカリーその3
惣菜パンと惣菜|とんぷぅ|note

 使える認識的部分としてはこのあたりの序文ですかね。

北海道でよく食べられる一般的なザンギは、鶏(鳥もも
肉か胸肉かは各家庭や店鋪によって異なるか)をベースに

醤油
料理酒
しょうが
ニンニク

 これらを漬け込みダレのベースとし、片栗粉や小麦粉の
衣で揚げたもの、このレシピが多数派と言えるでしょう。

ひらがなわーくす「北海道ローカルグルメ解剖シリーズ3
ザンギマニアックス」(2017.08,c92)p1

ベル食品の「ザンギ名人」

ベル食品の下味を付けるタレ「ザンギ名人」が発売
されたのは1995年か。

北海道は基本ソース文化ではなくタレ文化であり、
かつジンギスカンの一大勢力として漬け込みダレの
文化が浸透している以上、ザンギの下味を付ける
漬け込みダレの普及はやはり欠かせなかったと見るべきで
ラーメンスープの「華味」などで知られたベル食品が
ここに目をつけたのは慧眼であり、また必然でもあった
のかなと。


「中国料理 布袋」のザンギ


大衆の中華料理店に分類されやすいけれど、中華人民
共和国と国交回復してきた後に開店している1998年
開店の店だから「布袋」は「中国料理」を名乗っている
のか。

中国料理のベーシックなメニューはちゃんとあるし、
小樽系の影響も若干あるのか半身鶏も出してるけれど、
北海道の中華料理屋にある主流の「小樽・帯広系」に
あるような「あんかけ焼きそば」や「中華ちらし」は
ない。人気のマーボー麺に入っているのが札幌ラーメン
ベースの縮れ麺であるのも特色だし、ネギソースの
タレもあるので釧路からのザンタレ文化も上手く
取り入れている。

一号店は電車通りの店でしたが「赤レンガテラス」でも
食べられるようになり、より食べやすく身近になった
印象はあります。ボリュームもあって食べ応えもすごい。

札幌で食べるのであればまずオススメ出来るのが
この「中国料理 布袋」のザンギになるかと。


棲み分けって話をしないとザンギ周辺の鶏料理、って話にならない

でこの間に函館ラッキーピエロのチャイニーズチキン
バーガーと八雲ケンタッキーの棲み分けって話を
しないとザンギ周辺の鶏料理、って話にならないか。

 かようにしてラッキーピエロが最強を誇っていたため
(店のメニューに入るカレーや、やきそばに入るのも
またチャイニーズチキン)、ケンタッキーはなかなか
函館に踏み込めず、KFCの社長にもなってた大河原毅が
国産鶏の実験農場として開いたのもまた函館と長万部の
中間にある八雲で、これがハーベスター八雲になる。

なので2008年頃までは長万部からの国道一本道を
なんとか抜けて(なかなか高速道が函館まで延びるのは
時間がかかった)八雲でひと休憩するときにハーベスター
八雲でケンタッキーを食べるは一つの習慣にもなって
いたけれど、このころハーベスター八雲がケンタッキー
より独立したんで、味付けなどは違ってきてるそうな。

なので函館は鶏料理イコールチャイニーズチキンが優勢
でもある背景もあって、急拵えの弁当からスタートした
ハセガワストアの「やきとり弁当」は豚の精肉が
メインになってるのも頷けるあたりなんだけど。


モスの「ザンギバーガー」「ザンタレバーガー」

モスの「ザンギバーガー」は2010年か。
当初は酢脂ありきで、の提供だったので、やっぱり酢脂と
絡めるのは御免だな、と。
ザンタレ方面ならチャイチキにも近くてイケそうだけど。

一応そっちは2015年に「中津からあげバーガー」と
共に「ザンタレバーガー」で一応やったのか。
 甘酢あんで攻めたようだけどやはり酢脂はいらない。

まあでもこのあたりの知名度と普及、また北海道発の
パン屋などが本州に進出するなどして「ザンギ」の
知名度はこのあたりに至ってようやく全国レベルに
膾炙して行ったのかなと。

全道レベルに普及した1990年代以降のザンギの変遷、
といふことでその2を纏めてみました。

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