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観方は既にわかっていたので映画【マネーボール】。~今年のうちにプロやきうに関することは片しておくか。

ま、どうにせよ札幌ドームを去ったチームに対して興味は
再び失せるのが当たり前だろうし、プロやきうに関しても
本質的には興味がない方が気も楽だ。
(それはこのところの爆笑問題の「田中くんはけだるげ」を
観ていても、とうにわかりきったこと)

ってことで、ブログ時代はいろいろ「たのもー」的にコメント
を仕掛けたこともあるので、この映画くらいは語れるかと。

映画【マネーボール】。

私にしては珍しく原作翻訳の文庫版も仕入れて読了してます。

で、ちゃんと「この映画が出来るまで」も抑えているので。
(映画自体はその後テレビの再放送でも観ましたが、この頃は
まだ試写会があったし、行けてたので観に行きました)

なので当然この頃晒された典型的なお門違いの「ミスリード」は
しなかったわけで。といふことで典型例を晒します。

ボールパークのシーンやプレーのシーンは楽しめるのですが、
テンポも悪く全体的には不満の多い映画

この映画を他の「野球映画」と比較して語ってはいけない。
(だからその人達の声だけではこれは「「映画」にはならなかった」
から)強いて比較するなら邦画で、海外にも進出しリメイクされた
周防正行監督の【Shall We Dance?】になる。

https://www.amazon.co.jp/%E3%80%8EShall-we-%E3%83%80%E3%83%B3%E3%82%B9-%E3%80%8F%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%82%92%E8%A1%8C%E3%81%8F-%E6%96%87%E6%98%A5%E6%96%87%E5%BA%AB/dp/416765606X

なので、「大リーグ」好きな「焼き豚」傾向の「思い入れ」から
入る人ほどイタい目に遭う作品の典型、と観るのが「あたりまえ」。
この作品の主人公は「プロ野球」でも「大リーグ」でもなく
「大リーグチームのオーナー」だからこそ、「「映画」になれる」
最後の可能性に賭けて勝って作られた作品なので、当然のことながら
主眼は「ミッドライフクライシス克服映画」のていを作れたから。

よって比較される映画は役所広司がソシタルダンスに目覚める映画
【Shall We Dance?】であり、このスタイルが優先される映画として
完成したと。

ま、だから「大リーグチームにおけるGM」の役割として「移籍期限
交渉」、といふシークエンスをちゃんと見せられた映画は寡聞にして
この映画でだけ(欧州蹴球の1月末とか、でそのあたりのヒリヒリを
楽しむ文化は知ってますけど)、かなと。今年も「オオタニサン」が
何処かのチームに売り飛ばされる可能性でやきもきさせてはいました
けど、そのあたりの生々しい交渉劇をシークエンスの一つとして展開
させたのはなかなかに興味のある展開の一つではありました。

(でなければ場面的に「ブラピカッコイイ」が活かされる「ブラピの
ロッキー」な展開にはならないし(だから肝腎な試合もオーナーは
観ていられずに脱走するわけで。その孤独感がちゃんと描けているのは
私も既に能田達規の「オレンジ」で履修しているので)、ラストが
「パパ、良く頑張ったね」的な娘の演奏と歌で終わる構成にはならない
でしょ、そうでもなければ)。
 「明けるまでの空は暗い」とも言える「宵闇」の状況をいかに
「孤独」に耐え抜きながら次につなげるのか、なども含めいろいろと
考えさせるところのある映画でした。

いずれにしてもこの映画の主軸は選手や監督、スカウト陣にはなく、
GMとブラピ(ビリー・ビーン)の「一人称」にある、と観るのが
妥当なところ。本筋はイケイケでプレゼンまでは通ったけれど、
長い間頓挫していたのが【マネーボール】のシナリオ。それを打開
するために狩り出されたのが、映画【ソーシャル・ネットワーク】の
アーロン・ソーキンで、アーロン・ソーキンによるリライト脚本が
かなり苦みのきいた渋さを演出していてちょうどいい按配を作れたと。
 なもので事態打開にブラッド・ピットの意地でも完成させたい、
と一肌脱いでほぼPDとして映画を制作(再構築)すると同時に
「セラピーを受けつつリハビリ」していくハリウッド映画をスタローンの
【ロッキー】であるが如く完成させたあたりには快哉を素直に挙げたい、
そんな映画なのかなと。

だから「サブマリン(右下手投げ)のなりそこない」とか「ポンコツ
捕手の(日ハムとかでもありがちな)一塁コンバート」を出塁率優先で
獲ってみる、とか言ったここの選手に主眼はないのが特に新鮮。まあ
そこ(サイバーメトリクス)もある程度陳腐化かつ敷衍化した上で、
なおかつまたスタジアムに行って観に行きたい、といふ要素を総て
金栗捨てていたのが、栗山末期の

「雰囲気悪いし、勝てないし。態度も悪い。」

な日本ハムだったので、それを払拭させるこの1年のロング・ショット
(一か八かぶり)には喝采を贈るより他にないのですが(何よりあの黒々
した成金趣味の黒金ユニと悪夢の象徴になりかけてたチームロゴを葬って
くれたことは大絶賛するしかない。梨田時代に遺された負のレガシーは
あと何も空気が読めずに役立たずの解説を垂れ流して観る気が失せる
ガンちゃんのテレビ解説(アレがイヤでラジオに流れる元のファンは
非常に多い)。アレを放逐しない限り最悪の営業をしまくった不毛の大地で
「熱しにくく醒めやすい」気質のファンを殊更にバカにしかしてない姿勢は
何度も不幸を招くだけ、かと)。

まだ札幌ドームから持ち帰ったことのある市販のサインボールは
ひちょり、SHINJO、稲葉が外野を守ってたヒルマン時代のSHINJOの
サインボールだけな地元民のちょっとした繰り言で締めます。

観方は既にわかっていたので映画【マネーボール】。でした。

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