toron*
ラブソングしか詠わない短歌集団としてtwitterで活動しています。会費、ノルマなどありません。#恋愛短歌同好会 のタグをつけてタイムラインに投稿して頂いた中から毎月ベストアクトを決めております。
うたの日で好きだった短歌に拙いながら評を書いています。主にいいねいいねと云っています。 一日一首、毎日更新。
2020年11月1日、恋愛短歌同好会第33回のツイキャス歌会を行いました。 全体で243首のご応募がありました。たくさんの方からのご投稿、ありがとうございました。今回の選者…
2020年9月27日、恋愛短歌同好会第32回のツイキャス歌会を行いました。 全体で223首のご応募がありました。たくさんの方からのご投稿、ありがとうございました。今回の選者…
休み時間おわっちゃうねといいながら金魚を埋める君を見ていた/あおきぼたん (2017/12/18「休」) 場面の切り取り方がいいなと思う。前後の説明がなくとも何があったのか…
あの人に出会わなければこの先もプテラノドンは恐竜だった/コロモドキ (2019/8/7「好きな恐竜」) 自分もこの歌を読むまでプテラノドンは恐竜だと思っていたので、まじ…
長靴に入った水を許すとき思い出すのは虹のかけかた/杏藤ミレイ (2020/9/2「長」) 長靴に水が入るシチュエーション…水たまりに子どもが踏み込んだのかな、などを想像す…
ルビールビーあなたのように燦々と母の怒りのうつくしいこと/アナコンダにひき (2020/7/21「ルビー」) ルビーのような怒りなのだから、冷静でありながら激しい怒り方で…
あしたへの自動扉を手であけて第二志望の制服が行く/山口正剛 (2019/4/8「開」) もともとかっこいいフレーズ、また無機物を詠み込んだ歌が好きなのでこの上の句の、「あ…
こころから素直になれば水だけで水を描いたように苦しい/水没 (2018/6/13「水」) 解らないようだけれど、なぜか解るような感じがする…「こころから素直になれば」楽に…
ぬばたまのロッキンホースバレリーナ星がうるさい農道をゆく/久藤さえ (2019/6/10「ROCK」)「ぬばたまの」は夜に掛かる枕詞だけれど、その古語を「ロッキンホースバレリ…
2020年8月30日、恋愛短歌同好会第31回のツイキャス歌会を行いました。 全体で272首のご応募があり、今回もたくさんの方からのご投稿、嬉しい限りです。今回の選者は、前回…
あらかじめ探しておこう良い曲を膝から崩れ落ちてゆくため/あるこじ (2020/3/27「膝」) 良い曲に突然めぐりあったあの感じを「膝から崩れ落ちてゆく」とするのはめちゃ…
うろたえているなコーヒーメーカーも 今日ふたりぶんなんですかって/はね (2020/7/17「2300杯目に起こった奇跡」) 一読して、かわいい歌だと思う。リズムも面白い。上…
「大」の字を勢い余って「犬」と書いたあなたのことが犬好きでした/朝田おきる (2020/3/28「大」) 勢い余って「犬」と書いてしまっている残念加減がじわじわきてしまう…
月曜の憂鬱のごと段落は小さきへこみから始まりぬ/キール (2020/6/22「月曜日」) 上手いなあ、と思う。「月曜日=憂鬱」という共通認識と段落を一段下げる行為が上手く…
昨晩の星に降られたTシャツはすこし縮んでひかりのにおい/鈴木ジェロニモ (2020/7/27「降」) 洗濯物を夜に干して、もしくは取り込み忘れてしまったことの景だとわかる…
このところ無口になった食卓のキムチは少し酸味を増して/春原シオン (2020/7/18「キムチ」) 小説のワンシーンのようなさりげない切り取り方が良いと思う。説明的ではな…
2020年12月18日 10:41
2020年11月1日、恋愛短歌同好会第33回のツイキャス歌会を行いました。全体で243首のご応募がありました。たくさんの方からのご投稿、ありがとうございました。今回の選者は、前回首席の佐々木菜々子さんにお願いしておりました。…選ばれたすてきな六首は以下の通りです。佐々木さんは、これら六首以外のいいなと思った歌にも評を書いてくれていて、twitterにあげられております。たくさん素敵な歌が発掘
2020年11月9日 15:04
2020年9月27日、恋愛短歌同好会第32回のツイキャス歌会を行いました。全体で223首のご応募がありました。たくさんの方からのご投稿、ありがとうございました。今回の選者は、前回首席の藍笹キミコさんにお願いしておりました。…選ばれたすてきな六首は以下の通りです。今回、特に歌のチョイスが面白くて、キャスの途中で「文学の雰囲気を感じる」といったコメントも出ていました。確かに、なんとなくそうかも…
2020年10月16日 17:15
休み時間おわっちゃうねといいながら金魚を埋める君を見ていた/あおきぼたん(2017/12/18「休」)場面の切り取り方がいいなと思う。前後の説明がなくとも何があったのか想像させる部分というか、またそれでいて、かつて多くがこのシーンを体験したこともあるようなワンシーンを選択している気がする。…教室で飼っている生きものって、生きている間はみんなそれなりに世話をしたり、餌をやりたがったりするのだけれ
2020年10月15日 17:01
あの人に出会わなければこの先もプテラノドンは恐竜だった/コロモドキ(2019/8/7「好きな恐竜」)自分もこの歌を読むまでプテラノドンは恐竜だと思っていたので、まじか…という感じでした。『のびたの恐竜』のピー助は恐竜じゃなかったのか…。調べてみると「恐竜」ではなく「翼竜」とのことらしくて、どうもプテラノドンは「恐竜」の定義を満たしていないらしい。「あの人に出会わなければこの先も」はリズムが
2020年10月14日 17:24
長靴に入った水を許すとき思い出すのは虹のかけかた/杏藤ミレイ(2020/9/2「長」)長靴に水が入るシチュエーション…水たまりに子どもが踏み込んだのかな、などを想像する。主体がそれを許せるのは、自身もそうやって水たまりに踏み込みたくて踏み込んだ経験があったからかもしれない。そのようにすっと思い浮かぶストーリーでも読めるけれど、この歌自体には「許すとき」、誰を許すのかが明示されていない。なので、
2020年10月13日 17:05
ルビールビーあなたのように燦々と母の怒りのうつくしいこと/アナコンダにひき(2020/7/21「ルビー」)ルビーのような怒りなのだから、冷静でありながら激しい怒り方で、かつ宝石のできる年月くらい凝縮された怒りなのかな、といろいろイメージできる。また「怒り」を「うつくしい」と感じるのはなんとなく解るし、実際に怒る姿が「うつくしい」ひともいる(と思う)。ただ、それは怒りが自分に向いていないときであ
2020年10月12日 16:19
あしたへの自動扉を手であけて第二志望の制服が行く/山口正剛(2019/4/8「開」)もともとかっこいいフレーズ、また無機物を詠み込んだ歌が好きなのでこの上の句の、「あしたへの自動扉を手であけて」にめちゃめちゃぐっときてしまった…自分が詠んだことにしたいくらい好きです。自動扉が正常に作動していない状態って、店舗などが閉店している状態、もしくは事故などでの不具合でだろ思うのだけど、これは下の句より
2020年10月12日 15:32
こころから素直になれば水だけで水を描いたように苦しい/水没(2018/6/13「水」)解らないようだけれど、なぜか解るような感じがする…「こころから素直になれば」楽になれるのではなくて「苦しい」…読み方はいくつもできるようにも思うのだけど、自分としては、本能にまかせて素直になってもそれを受け入れて貰えなければ、結局生きづらい、ということなのかと読んだ。「水だけで水」を描くことは確かに簡単だし
2020年10月9日 15:57
ぬばたまのロッキンホースバレリーナ星がうるさい農道をゆく/久藤さえ(2019/6/10「ROCK」)「ぬばたまの」は夜に掛かる枕詞だけれど、その古語を「ロッキンホースバレリーナ」と結び付いて化学反応が反応が歌のなかで生まれていると思う。ちなみにロッキンホースバレリーナはVivienne Westwoodがデザインしている靴で、踵が高い、というよりか底が厚い木靴……なので、これで農道を歩ける主体は
2020年10月9日 14:36
2020年8月30日、恋愛短歌同好会第31回のツイキャス歌会を行いました。全体で272首のご応募があり、今回もたくさんの方からのご投稿、嬉しい限りです。今回の選者は、前回首席のはとサブレさんにお願いしておりました。…選ばれたすてきな六首は以下の通りです。個人的に、今回のはとサブレさんの評はめちゃくちゃ好きで、まだ読んでいない方にはぜひ読んで頂きたい気持ちが強いです…!自分が選ばなかった、読み
2020年10月8日 16:26
あらかじめ探しておこう良い曲を膝から崩れ落ちてゆくため/あるこじ(2020/3/27「膝」)良い曲に突然めぐりあったあの感じを「膝から崩れ落ちてゆく」とするのはめちゃめちゃ解る。それに加えて面白いのが「膝から崩れ落ちてゆくため」に「あらかじめ探しておこう」と目的の順序が逆になっていて、もっとたくさん良い曲を知りたいのではなくて、膝から崩れ落ちたいから曲を探す、ように読めてしまう。でも、「膝から
2020年10月7日 17:07
うろたえているなコーヒーメーカーも 今日ふたりぶんなんですかって/はね(2020/7/17「2300杯目に起こった奇跡」)一読して、かわいい歌だと思う。リズムも面白い。上の句は「うろたえて/いるなコーヒー/メーカーも」と句跨りと句割れが起こっている。また上の句と下の句の間に一字開けがあって、動揺の大きさが如実に解る感じ。この視点は、喫茶店の店員のものなのかと読んだのだけれど、「コーヒーメーカ
2020年10月5日 17:15
「大」の字を勢い余って「犬」と書いたあなたのことが犬好きでした/朝田おきる(2020/3/28「大」)勢い余って「犬」と書いてしまっている残念加減がじわじわきてしまう…三句目の「「犬」と書いた」は六音で、かなり勢い余ってしまった感が出ている。でも、下の句を読むと残念な「あなた」がかなりの幸せ者であること、かつ、「あなた」に想いを寄せている主体もかなり勢いを余っていることが判明する。主体の、好
2020年10月2日 17:21
月曜の憂鬱のごと段落は小さきへこみから始まりぬ/キール(2020/6/22「月曜日」)上手いなあ、と思う。「月曜日=憂鬱」という共通認識と段落を一段下げる行為が上手くはまっている。月曜日が憂鬱と感じはじめたのはいつからだったか思い出せない。いつからか反射的に憂鬱になっていた気がする。その「いつからか解らない」、この段落の仕組みも、どうして一段下げなければならないのかを理解する前から行なっていた
2020年10月1日 17:02
昨晩の星に降られたTシャツはすこし縮んでひかりのにおい/鈴木ジェロニモ(2020/7/27「降」)洗濯物を夜に干して、もしくは取り込み忘れてしまったことの景だとわかる。ただ、わたしたちは実際「Tシャツはすこし縮んで」いることしか、ふだん物理的にしか解らない。けれどこの歌はわたしたちが知覚していないだけで、本当はTシャツは「昨晩の星に降られ」ていたこと、洗剤の匂いだけでなくて「ひかりのにおい」も
2020年9月25日 16:34
このところ無口になった食卓のキムチは少し酸味を増して/春原シオン(2020/7/18「キムチ」)小説のワンシーンのようなさりげない切り取り方が良いと思う。説明的ではないのに前後の生活を想像させる感じというか。…「このところ無口になった」のは誰なのか、ということで読みが変わってくる気はする。「食卓」で対面している誰かがいて、その「誰か」であるかもしれないし、主体であるかもしれない。…一応、自分と