私の理想の人生=イタリア人のように生きる

今日は、こちらのイベントに参加してきました。
https://fabcafe.com/kyoto/events/10841-KYOTO

その中で、"ピッチ"を初めて経験しました。

ピッチとは、短いプレゼンテーションで、スタートアップが投資家に向かってやることも多いそう。

気づいたこと

どれだけ本気で信じているか、決意しているかの熱意が伝わる。

私には迷いがありました。

自分は本当に甘納豆で何がしたいんだろうか?
それが伝わったと思います。

迷いながら話すと、声にも力が入りにくかった。

甘納豆で社会貢献をしたい。社会を豊かにしたい。

これは本心。

甘納豆を作るほど、豊かな人が増えるようにしたい。

例えば食育。
甘納豆は自然の形を残すので、素材の原型を伝えることができる。だから、加工食品が増えて素材(生き物)の原型がわからなくなってしまう、そういう子供達の食育に役立つ。

それから、農業。
ダイレクトに素材のことを伝えられるので、農家さんのものづくりを伝えられる。それによって、農家さんのやりがいを作り、また直接仕入れることで、農家さんから質に見合った価格で購入することもできる(一般には、市場や流通にのせると、相場で価格が決まるため、評価の対象は質より量になる)

また文化の面。
甘納豆は食品保存技術の一つである砂糖漬けの一種で、豆を使う点で日本にユニークな食の文化財です。これを伝え続けていくことは、食の多様性を守るという点で大切です。食の多様性=豊かさだと思います。同じものばかりの食卓は寂しいですよね。

さらに家に帰って、backstageという番組を見ました。

女性の靴磨き職人さん。

受付からの転職で、そのきっかけは1冊の本。
"イタリア人の働き方"
https://www.amazon.co.jp/%E3%82%A4%E3%82%BF%E3%83%AA%E3%82%A2%E4%BA%BA%E3%81%AE%E5%83%8D%E3%81%8D%E6%96%B9-%E5%85%89%E6%96%87%E7%A4%BE%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E5%86%85%E7%94%B0-%E6%B4%8B%E5%AD%90/dp/433403232X

この中のロザリーナさんという女性靴職人の話が心にいたそう。
シングルマザーで仕事をする強さ、情熱、愛情、そういうものに惹かれたそう。

それで思い出した。実は私も家業に入るきっかけはイタリアでした。

大学院生時代、家業を継ぐ決断をし、勉強の為、別の菓子店へ入社。

1年半がたった、2015年9月、連休が取れ、たまたま親友がいた国がイタリア・ローマ。イタリアへ行きたかった訳ではなく、ただ親友に会いたかった。

でもそこでの出会いが、私の人生を変えるターニングポイントでした。

当時の私はお菓子の販売員をアルバイト1年含め3年していました。そして、型にハマる接客に窮屈さを感じていました。自分らしくいれないことがストレスでした。

イタリア人の働き方は、驚きでした。親友が友達を紹介すると行って、床屋へ連れってくれました。友達はそこの職人さんだったのですが、私をすごく歓迎してくれて(友達の友達は友達の文化がすごい)、コーヒーでもどうだ?と言って、ハサミをおいて、コーヒーを出してくれました。

そしてイタリア、ローマが初めての私に、ここへ行ったら良いとか、ローマのここがすごいんだなど、たくさんの話をしてくれました。当時イタリア語はさっぱりだったのですが、そういうことを言っていることは本当に伝わりました。その間、ハサミは置きっぱななし。切られている人は途中です。

そして話が盛り上がってくると、今度はその切られて途中で放置されていたおっちゃんが、思いっきりその話に乗っかってきたのです。

日本だったら、間違いなくクレームです。今は仕事中だから、まず仕事(髪切り)をしろ。話すのはそれが終わってからだと。

この床屋さんは、完全に自分の時間を生きていました。切りたいから切る。話たいから私と話す。そして、切られているお客さんもそれを当然のことと受け止めている。

これは文化だと思います。型よりもその人らしさ。
そして、自分たちの土地、文化に誇りを持っていること。

そのあとホームステイ先の家族へお邪魔しても同じでした。
自分たちの文化に誇りを持っている、そして家族を愛していることがとても伝わりました。

家の一角には、家族の写真が何枚も置いてあるスペースがありました。

私(ゲスト)が来たので、親戚を10人くらい(ママの兄と妻、別の親戚夫婦)呼んでくれて、食事をしました。

日本だと、親戚って少し家族とは違う少し疎遠な感じがありますが、イタリアでは一切感じませんでした。聞くと、毎週週末によく親戚で集まって食事をするそうです。

その食卓を囲むみんなが家族であるとい感覚、団らんが本当に身に沁みました。

当時私は勤務する店が自宅から遠くなった関係で、初めて滋賀県で一人暮らしをしていました。そのため、初めてそれまで当たり前だった家族で生活することの価値を実感していました。そして95才になる祖母のことも気になっていました。ただ、家業に入る時期を決めていなかったので、このまま修行を続けるか、やめて戻るか迷っていました。

でも、イタリア人に出会って、この人達みたいに生きて生きたいと強く思いました。

家族を愛し、地元の文化も愛し、大切に・誇りにし、自分らしくいる生き方。

これこそ、家業の甘納豆屋での生き方だと思ったのです。

家業なら家族(高齢の祖母)とも一緒にいれて、甘納豆という日本の食文化を大切に、誇りに思う生き方です。

この時の気持ちを今日思い出しました。

私はあの時のイタリア人のように生きたい。

これを少し忘れかけていました。

イタリア人だったら、もっと情熱的に、ロマンチックに甘納豆のこと、家業・先祖が紡いで来た歴史を語ると思います。

la famiglia e' il centro della vita.

思い出せてよかった。

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