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〈鳥善スタッフインタビューVol.16〉パティシエール 新村りこさん

こんにちは。いつも鳥善noteをご覧いただきありがとうございます。
静岡県浜松市でレストランやウェディング事業を手がける株式会社鳥善と申します。
今回インタビューしたスタッフは、「ジ・オリエンタルテラス」のパティシエを務める新村りこさん。長年の夢を鳥善で叶えた新村さんは、今年2年目にもかかわらず、レストランからウェディング、社外での活動まで、さまざまなシーンで活躍するオリテラのルーキー。持ち前の情熱ポジティブマインドで、キッチン全体を導く太陽のような存在です。
ここからは、子ども時代からひたむきに夢を追いかけ、実現させた新村さんが、その先で体験したドラマをご紹介します。


【Prologue】ケーキのチカラに魅せられて

中学生の頃、いとこの結婚式でウェディングケーキが運ばれてきた瞬間から、パティシエが私の夢になりました。会場の空気を一瞬で変えられるケーキのチカラに、子どもながらに感動し、「こんなケーキを作ってみたい」と強く思ったんです。

地元・浜松の高校を卒業後は、名古屋の製菓学校に進学。その学校は、マジパンという洋菓子を使ったコンテストの強豪校として知られていました。マジパンとは、お砂糖とアーモンドの練り物のこと。粘土のように色を付けたり成形したりすることで、ケーキのデコレーションに用いられます。子どもの頃から工作したり絵を描いたり、「作る」こと大好きだった私は、マジパン細工に興味を持ってこの学校に進学しました。そして在学中、目標だったそのコンテストで受賞することができたんです。校内での選考を勝ち抜き、中部地方の製菓学生と競うコンテストで結果を残せたことは、大きな自信につながりました。
夢を叶えた今も、私の手元には、高校生の頃からコツコツ集めてきたいろんな製菓学校のパンフレットや、クリスマスケーキのチラシ、学んだことをメモしたノートなどがたくさんあります。そうやって、パティシエの夢を大切に温めてきたんです。

新村さんの学生時代の作品。人形などの装飾はマジパンで作られている

鳥善に入社することになったきっかけは、専門学校の先生からの紹介でした。「先輩もここで働いてるよ」と教えてもらい、「ジ・オリエンタルテラス」に初めてランチに行ったとき、ロケーションに一目惚れ。「こんなに素敵なところで働けるなんていいなぁ」と思って、就職活動は鳥善の1本勝負で挑みました。
入社してまず思ったのは、とにかく「人」がいいということ。実は、入社前は人間関係がいちばんの不安要素だったのですが、実際はみんなすごく優しくて、研修に来ていたときからいろんな人に声をかけていただきました。今では先輩も後輩も関係なくプライベートでご飯に行ったりするほど仲が良くて、本当にいい職場です。

【Ⅰ】鳥善で追いかける背中

私には、入社以来ずっと背中を追いかけている先輩がいます。専門学校時代の先輩でもある「ゆずなさん」という方です。
世の中には、後輩が何かトラブルを起こしてしまったとき、猪一番に叱ったり責めたりする人がいます。しかし、ゆずなさんは、そういうとき決して否定的な姿勢から入るのではなく、どうしてそうなったのか、まず私たちの話に耳を傾けてくれます。常に人に寄り添った考え方をしてくれるので、私はゆずなさんのことが大好きなんです。
また、ゆずなさんは、「職場をもっとよくしたい」という想いが非常に強い方で、働き方改革やチームワーク向上のために、声かけをしてメンバーを引っ張ってくれる存在でもあります。先輩が声かけをする姿を見て「私もやらなきゃ! 」と思うようになり、最近はようやく私も周りへの声かけができるようになってきました。まだまだゆずなさんのカリスマ性には追いつきませんが、来年から異動してしまう先輩の意志を、私がしっかり引き継いでいきたいと思っています。

ちなみに、私は学生時代の13年間、水泳をやっていました。それも結構な強豪校だったので、上下関係がすごく厳しかったんです。そのときメンタルを徹底的に鍛えられたことが、声かけなどに積極的になれる理由かもしれません。根っからのアスリート気質が、今の職場にも活かされています(笑)。

【Ⅱ】「やってみたいです! 」は魔法の言葉

私がパティシエとして働く上で最も大切にしていること、それは、「常に前向きな姿勢でいること」。私が働く「ジ・オリエンタルテラス」には、レストランから宴会、ウェディングまで、パティシエとして活躍するチャンスが幅広く用意されています。さらに、若手が多い職場でもあるので、1年目や2年目では普通は経験できないような仕事にもどんどん挑戦させてくれる環境です。当然、初めて与えられた仕事の中には「今の私にはちょっと無理かも…」と思ってしまうようなものもあります。でも、たとえ苦手な仕事でも、私は声をかけてもらったら必ず「やってみたいです! 」と答えるようにしているんです。そのほうが、上司の方も「また教えてあげよう」という気持ちになってくれると思うし、何よりポジティブな言葉を口にすることが私にとっては原動力になっています。

1年目の頃、ウェディングケーキの制作で、新郎新婦様から好きなキャラクターのマジパン細工を作ってほしいという依頼があったんです。先輩が「りこ、やってみる? 」と言ってくださったので、そのときももちろん私は「やってみたいです! 」と答えました。しかし、引き受けたのはいいものの、製作が全然うまくいかなくて…。1週間の製作期間中は、家に帰ってからも夜な夜な試行錯誤する日々でした。そして、何度も何度も作り直してようやく完成したウェディングケーキ。新郎新婦様にお披露目したとき、新婦様が「すごくよかったです! 持ち帰りたいくらいです! 」と言ってくださり、心が震えました。それだけではありません。料理長が、披露宴でお食事中の新郎新婦様にマジパン細工を持っていくとき、私を同行させて「マジパンを作った新人です」と紹介してくださいました。そこでお二人にお礼を言われたら、私、思わず泣けてきちゃって(笑)。そうしたら、なんと新婦様も一緒に泣いてくださったんです。それがすごく嬉しくて、その瞬間「あぁ、私この会社でパティシエになって本当によかった! 」と思いました。

私にとって、「やってみたいです! 」は魔法の言葉。この言葉のおかげで、私は入社してからの2年間、数々のドラマを経験しながら、たくさん成長することができました。

【Epilogue】夢は、叶えるものから与えるものへ

今、私は地域の中学生たちに、パティシエがどんな仕事かを紹介する職業講和を行っています。それも、料理長が「一緒に行く? 」と言ってくださり、「行ってみたいです! 」と答えたのがきっかけ。この職業講和が学生にとって少しでも印象に残る時間にしたかったので、私は家に溜めてある学生時代のチラシのコレクションやノートを持っていって「夢を叶えるためにこんなことやっていたんだよ」と紹介したり、実際にチョコペンで文字を書く体験を企画したりして工夫してきました。すると、学生の中に「パティシエの仕事をやってみたい! 」と言ってくれる子が現れるようになりました。みんなと同じ中学生の頃からパティシエの夢をひたすら追いかけてきた私が、今、夢を与える立場になっています。それはすごく幸せなことです。

職業講和の講師として中学校を訪問する新村さん

しかし、正直なところ私自身は夢を叶えたという実感があまりありません。それはきっと、まだやるべきことがあるから。中学生の頃のあの感動を超えるウェディングケーキを、1から自分の手で作ることができたら、きっとまた別の景色が見えるはず。だから、私はまだ夢を追いかけている途中なんだと思います。

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