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Xデザイン学校大阪分校マスターコース #10 成果発表

早いもので第10回。2019年度最後のXデザイン学校に参加してきました。最終回ということで、今までの考えてきたビジョンとサービスをスライド・コンセプト動画にまとめ発表しました。今回は一年間の振り返りについて書きます。

1.発表したサービスについて

私達はお題をいただいた某食品企業様の強みは「レトルトパウチを作る技術や工場」、弱みは「顧客接点のほとんどがスーパー」であることと分析しました。一方、ユーザー課題として「共働き✕子育て」を設定しました。そこから強みを活かしつつ弱みを解決するために、新たな顧客接点を創出するサービスができないかと考え、共働き夫婦の行動動線上にある「駅」に着目したサービスを考え提案を行いました。

実は発表直前まで自信がなかったサービスだったのですが、発表直前に仕事帰りの夜10時にZoom会議しているときに「最近はレトルト食品ばかり食べている」というのを聞いてこれはいけるかもと思えたサービスでした。

2.発表の振り返り

講師の佐藤さんから発表して一番良かったこととして「駅という顧客接点に気づいて、駅と組むことを考えたこと」という講評をいただきました。このアイデアを出せ理由はただ一つ”基本の型を大事にしたこと”だとおもいます。共働き夫婦の方にインタビューをしたときに、1日の時間の使い方を書いてもらいそれに基づいて話を聞かせてもらっていました。食のシーンだけでなく、その前後の行動もインタビューできていたので「駅」という場所で共働き夫婦の行動動線が重なるポイントを見つけることができました。カスタマージャーニーは必ず広い範囲で考える、その基本を守れていたからこそ気づいたアイデアでした。

一方、私達のビジョンを伝えきることができなかったのは反省点でした。私達は「家族の豊かな時間を産み出す」というビジョンを掲げたのですが「時短」との違いをしっかり示すことができず、”豊かな時間”を伝えきることができていませんでした。その点は今後の課題として、活かしていきたいとおもいます。

3.チームで気をつけたこと

私達のチームは昨年から引き続き同じメンバーだったので他のチームに比べて意思疎通はしっかりできていたとおもいますが、去年の反省を活かして大きく次の3点気をつけてチーム運営をしていました。

空中戦をしない
最初はインタビューや観察の結果に基づいた議論をしているのですが、議論が煮詰まってくると「きっとこうなんじゃないか」「多分こうだとおもう」のような仮説の言い合いになってきます。良い仮説を立てようと思って延々と会議したくなるのですが、良し悪しは検証しないとわからないので、そうなった段階で、えいやーで仮説を決め検証を進めるようにしました。検証するとわかるのですが、最初の仮説はどれを選んでもだいたいダメなので大差はないです。検証を進めれば、新たな必ず気づきが得られるので、その気づきを基に次の仮説を立てたほうが深いインサイトを得ることができます。

メンバーの非難はしないが、批判はする
メンバー間で議論していると意見がどうしても割れるときはあります。そのときメンバーの非難をしないのは当たり前なのですが、いま何がモヤッとしているのかは必ずお互いに言うようにしていました。非難のように聞こえるかなとおもって言うのが怖くなるのですが、自分が納得できていないということは伝えておく。時間に限りがあるので、一旦どこかで落としどころをつけて前に進めていく必要がありますが、そうしないと意見が出にくくなるので必ず言うようにしていました。

良いアイデアが出たときほど一歩引いて考える
良いアイデアが出た時ほど「それ本当か?」「なにか見落としていることはないか?」を考えるようにしていました。良いアイデア=完璧なアイデアではないので、必ずどこかに落とし穴があります。良いアイデアを思いついた本人は興奮していて、それに気づくことができないので、そういうときは周りのメンバーが一歩引いた目で見てそれを指摘するように心がけていました。またメンバーと議論できないときは、一日置いてもう一度冷静に考えることを必ずするようにしていました。

4.自分自身の考え方で気をつけたこと

自分自身のマインドセットとしては次の3点を意識して考えていました。

問いの質を高める

調査は1回だけだと浅いインサイトしか見つからないことが多いです。”調査した結果が調査しなくてもわかること”になっているとダメなので、深いインサイトが得られるまで仮説検証を繰り返し、問いの質を高める。そのサイクルを回すことが全ての基本だと自分自身に言い聞かせていました。

発想より視点に気をつける

自分はどうしても元がエンジニアなのでアイデアを出す時エンジニア・メーカー視点で考えてアイデアを出してしまいます。なので散らすときはどんなアイデアを出しているかよりも、今は自分はどんな視点で考えているかを意識するようにしていました。メーカー視点ばかりでアイデアを考えていないか。「ビフォーデジタル」ではなく「アフターデジタル」で考えられているのか。そこを定期的にチェックしながら考えるようにしていました。

ビジョンからサービスをデザインする
インタビューや行動観察をしていくと、どうしてもAs-Isに縛られてしまって現状の改善でしか考えれらなくなってしまってしまいます。なのでサービスを考えるときは現状は一旦脇に置いてあるビジョンからあるべき姿を考え、そこからバックキャストで考えてサービスをデザインするように気をつけました。

5.一年を通して感じた自分の変化

この一年振り返り2つの変化を感じました。一つは意識しなくても自然と今ままで教わったことをやるようになりました。先日とあるワークショップに参加した時、調査の結果をポストイットを書き出して自然とグルーピングをして価値を考えるていました。他の人から「KJ法ですか?」と言われ、そういえばこれKJ法だったなと気づくそんなことがありました。意識しなくても教わったことをやっていた自分に驚きを覚えました。浅野先生に「漢方薬みたいにじわじわ効いてくるから続けなさい」と言われたことがようやく身についてきたのかとおもいます。

もう一つ感じことはふとした瞬間に、今まで学んだことと新しく学んだことが結びついて自分なりの気づきが得られるようになりました。本を読んでいてもこの本に書いてあることはデザインのこのプロセスで使えるかもと自然と結びつけて考えられるようになり、自分なりの工夫をしたり、チェックポイントを作れるようになりました。

6.これから

学び続けたことで、4年前UX KANSAIのセミナーに初めて参加したときには想像もできないくらいの学びを得ることができました。エンジニアだった自分がUXデザインと出会って、サービスデザイナーを志すようになったのは本当に大きな変化だとおもいます。

不器用なため4年間もかかってしまいましたが、基本の型がようやく身についてきました。まだ完全ではないですが、これからは基本の型を使って実務の中で実践の経験を積んでいきながら、アウトプットもしっかり出していきたいとおもいます!

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