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009 プロジェクトのリスク管理

プロジェクトは結果を求める機能集団。プロジェクトリーダーはいざとういう時、どう判断し行動するべきか。後々大ごとにならない為にも「問いの重要性」を意識したリスク管理を考えてみましょう。

1.プロジェクトには必ずリスクがある

社会、そして社内、顧客、市場の環境は常に変化しています。よって変化しない事を前提にしたガチガチの仕様設定や活動計画自体が、そもそもリスクがあると理解しておくべきです、特に長期のプロジェクトは。

実は、売れる(市場の同意を得られる)製品(サービス)と、そうでないものとを比較した場合、投入するコスト・リソースはほとんど変わりません。つまり売れないものを「やると決めたから」といった根性ベースで突き進んではリスクを極大化してしまいます。どうしても人間誰しもが自己のコミットメントに基づき、ギリギリまで頑張ってしまう性がありますので、小刻みにスケジュールや仕様を修正しましょう。修正するにあたり、時としてメンバーの努力、苦労、立場などのエモーショナルな部分を断ち切った判断をしなくてはならない場面もありますので、プロジェクトリーダーは冷静に判断する素養が求められます。

2.管理監視よりも「問い」を重視

プロジェクトマネジメントというと、管理・監視のメソッドを思い浮かべる方が多いかと思います。もちろんそれは基本ですが、実行段階においては「問い」が重要な視点となってきます。

物事が順調に進んでいると「問い」の感覚が次第に薄れてきます。平和ボケみたいなものです。こんな平和なプロジェクトがあれば何も文句はありませんが安心してください。事件や問題が発生しないプロジェクトはありません。また、全てのアクションアイテムがQCDを守り終了したというプロジェクトも聞いたことがありません。

必ず発生する何らかの問題や事件に対面した時、どう対応するか?問題や原因が単純なものは少なく、殆どのものは複合的なケースです。そこで大事なのは最近よく言われております「問いの重要性」です。一つは、予防管理における「問い」、そして次は「事後対応」における「問い」。つまり、リスクの管理には問いの意識がとても役に立つのです。

3.リスク管理で大事なこと

究極的に言えば何が起こっても想定内にしておく事ですが、流石にこれは難しいかもしれませんよね。問題が発生すると、メンバーは必ず保身になる傾向があります。その時にリーダーはどこまで自分事として捉えられるか?これはとても難しく、精神的にもストレスがかかります。しかし、ここがリーダーとして信頼貯金を得る最大の場面でもあります。こういった想定される問題や事件についてある程度定期的に予測しておく事がリスク管理です。リスク管理で私が意識しているポイントは、
<リスク管理>
1.現状のポジショニング:今自分達はどういう状況にあるのか?
2.影響度の把握:そのリスクは次に何を引き起こす可能性があるのか?
3.初動対応:その問題が起こったらどうすべきか?

<原因調査>
原因究明:何が原因なのか?寄与率は?

ここでもう一つ注意すべきは「リスク管理」と「原因調査」とをごちゃ混ぜにしないこと。起こってしまった事に対する原因の究明は当然ながら必要ですが、リスク管理は、定期的なリスク予測によって問題の発生を軽減する手法と理解してください。

4.C.P(チェックポイント)は定期健康診断

プロジェクトを運営していく上で「前もってリスクを予測しておく」など、そう簡単ではない事は誰しもが頷けます。その通りです。そこでC.Pを有効に使いましょう。スケジュールにおいてチェックポイントは単にプロジェクトの進捗を確認する為のものではありません。ここまでの成果やレベルに対して自分達を取り巻く環境とのGapを計測する健康診断という隠れた大きな目的もあるのです。定期的にC.Pを置くことは、常に自分達のポジショニングを意識しておく為の定期健康診断といえます。実は、定期的に行うからこそトラブルや事件を未然に防げることが結構あります。

定期健康診断はプロジェクトの安全運航を確保する全員の保険、お守りでもあります。変化もトラブルも常に起こり得るものなので、過度に恐れることはありません。少なくとも最後になって「ボカン!」とならないためにも予防管理を行い、異変が見つかれば修復する。そして不幸にもトラブルが発生した場合は冷静にリスク管理の手順を思い出し、対応していきましょう。

是非とも貴方のプロジェクトの成功を期待しております。





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