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011 リーダーはゴールを目指した判断が大事

プロジェクトリーダーに限らずリーダーとなった場合に最も必要とされるアクションは「判断」とも言えます。リーダーシップというと統率力や牽引力を第一に思い浮かべるのは当然ですが、順序としては「的確な判断が出来る>信頼される>リーダーとして認められる」と考えてみてください。

色々な事が不確実になってきた昨今、この原点となる「判断すること」が特に難しくなってきました。

1.それ、本当に正しい?

これまで変化が少なかった日本社会ですが、雇用システムの見直し、ハンコの廃止に見られる様なルールやプロセスの見直しが一気に押し寄せています。ルールを重んじる日本社会において、これまでのルールというものについて「それが本当に正しいか?」と言った、新たな問いが発生していることは事実。社会生活にも仕事にも、そして人との関係についても日本ほど制度、慣習やルールが多い国はありません。これは、ルールや信号を沢山設けることによって、判断を楽にすることから生まれたのですが、過去に事例が無いことが頻繁に起こる現在、ルールに縛られることは本質的な判断が出来なくなる懸念があります。

判断とはその時、その事象において何が最適か「議論」することで生み出されるのが本来の姿なのですが、変化の激しい時代には、過去のある時点で有効であったルールはもはや機能しなくなってしまいます。何のためのルールなのか、改めて本質を問う時代になってきました。

一方、真逆な考え方もあります。日本こそ、100年の歴史を誇る長寿企業が多い国と言われ、我々日本人が誇りにするところでもあります。そこには幾度とない社会環境の変化があってもブレない経営方針や判断があったからでしょう。「変えない事は変えることより難しい」という話も良く聞きます。目先の変化に左右されることなく、一徹の判断基準を持つ、長期的にみるとこれも正しい判断の在り方かもしれません。

一つ言えることは、ITの力が人々の生活やビジネスに侵入し、かなりのスピードで依存度が高まっていること。そしてその変化のサイクルが早くなってきたという事。ここに判断の重要性が高まっていることには違いがありません。

2.間違いではない、しかし正解でも無い

基本に忠実というという言葉は誰しもが聞いたことがある言葉でしょう。考え方の基本というのは確かにありますが、現在の立ち位置がかなり変化している場合、過去の理屈やロジックは当てはまらないケースも多々あります。

これまで、判断において他社や過去の事例を参考にする比重はとても高かったといえます。その結果として間違いだったとしても大きな批判は浴びないという利点がありました。しかしそれが正しい判断になるのかというと、必ずしもそうでないことは皆さん自身が感じていることかと思います。

例えばアドバイスにおいて、「間違いではない、しかし正解でも無い」という事が良くあります。もう少し解説しますと、リスクを回避するという理由で「これはダメ」「これもダメ」という否定案のオンパレード。なら、どうすれば良い?となった時の答えも無い。この様な経験はありませんか?これも過去の知見をベースにしたアドバイスではゴールから離れてはいませんが、近づいてもいない。リスクを排除しきって、チャンスが無いのと同じです。

さて、プロジェクトリーダーはどの様に対処すべきなのでしょうか?

3.安心や非難よりもゴールを意識した判断へ

範囲を絞り、個別の事業や業務のレベルで考えてみましょう。商品・サービス・業務そういった活動をプロジェクト=結果を目指す機能集団と捉えると、安心で非難を受けない判断が正しいかどうか疑問を感じますよね? 人と人が絡み合う組織であれば、面倒を避ける判断は重宝されます。しかし、結果を求める集団にとって、同調圧力を重視する判断はあまり意味がありません。目標・ゴールに対する妥当性で判断すべきなのです。むしろ、批判を引き受ける覚悟で迅速に行動し、結果のコミットに向けたメッセージを発する。そして誤りは早く修正する。これが目的や結果を重視した望ましいリーダーの行動ではないでしょうか。

この様な判断をすると、組織から批判されることも増えます。しかしその時に負の感情や人事(人の事)に巻き込まれず、ぶれずに前向きな方向へプロジェクトやチームを導く。そんなストーリーを提示し全員を束ねる、負けないリーダーこそ、今の時代に大切だと感じます。

4.Mission / Spilit / Vision の重要性

その為にMission(使命)を共有し、Spilit(大切にするもの)をシェアし、Vision(未来)を目指すということが今はとても大事になります。こういった思考の枠組みを上手く築き上げられたら、一人がリーダーである必要はありません。メンバー全体がその発信者となり、自分達の判断を基にプロジェクトという船を漕いでいくチームビルディングが出来上がるのです。プロジェクトの遠心力は増大しとてつもなく強靭な体質になるでしょう。


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