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短編小説まとめ

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自分の作った小説の中で4千字~1万字程度の話をまとめたものです。明るい話、暗い話はバラバラですが手軽に読める程度の短い話ばかり集めました
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#SF小説

【短編小説】冷たい身体に小さな夢を

果たして機械に心はあるのか。それとも人間の錯覚か。 以前書いた「花売り少女は夢を見る」の…

鳥野 小川
10か月前
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【短編小説】花売り少女は夢をまく

私はあなたたちが与えてくれた役目を果たせていますか?  二人の「アンナ」の話。 上記から…

鳥野 小川
1年前
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【短編小説】郵便屋は錆びた夢を届ける

私はメッセンジャー。必ずあなたの声を届けます。 ある老人と少年の思い出話。 上記の話から…

鳥野 小川
1年前
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【短編小説】眠れぬ機械に良い夢を

使命にすがりつくしかない機械が眠りにつくのはいつだろうか。 上記の話から緩く繋がっている…

鳥野 小川
1年前
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【短編小説】遺物は永い夢を待つ

最後の夢はあの人がいい。 上記の話と緩くつながった話です。 古びた機械は今日もあの人の夢…

鳥野 小川
2年前
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【短編小説】からくり少年は夢を見ない

「この終わった世界で夢を見るほうが馬鹿を見る」 以前書いた花売り少女は夢を見るを見ると緩…

鳥野 小川
2年前
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【短編小説】花売り少女は夢を見る

「花はみんなをシアワセにしてくれるもの」 荒廃した世界で花を売る少女の話。  曇天が裂け、久しぶりにぬけるような青空が広がる日のことだった。  しかし歌い出したくなるような空の下は無音であった。ときおり風が看板を揺らす乾いた音だけが虚しく鳴る。人々は生気のない顔で地面を見つめていた。彼らの瞳は何も映していない。街は死にかけの獣のように無気力に横たわっているだけであった。 「花はいりませんか」  そんなモノクロの世界を甲高い声が破った。くすんだブロンドをはためかせ、白いワ