【小説】花より団子、月より兎 ちらし寿司
そういえば春編を書いていなかったので、久しぶりにこのシリーズです。全部で3編になります。
今回は新しい兎を入れた三人の雛祭り。
畳んだタオルの山にうららかな日があたる。洗濯物を畳み終わった佳奈子は大きな欠伸をした。暖かな陽光は油断すればすぐさま夢の世界に引きずりこんできそうだ。
朝晩はまだまだ冬の気配が色濃く残るが、昼間はすっかり春の陽気が大手を振って闊歩している。そろそろ近くの公園にも桜の蕾がほころぶころだろうか。そうだ、あの公園と言えば――
「っていけないいけない