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梅仕事、実山椒仕事/240604

朝6:30 早起きの休日。
never young beachを流しながら梅仕事に取り掛かる。

二年前の瓶に少しだけ余った梅酒を飲みながら、容器を消毒し窓際で乾かす。

忙しく手を動かし梅の実のヘタを取りながら、ここのところきちんと休めてなかったなあと最近の出来事をぼんやり振り返る。

ゴールデンウィークが終わった後、2週間くらいぎっちりと詰まった予定の合間に手に取った「天然生活」の別冊付録にあった真藤舞衣子さんの梅仕事と梅料理の特集。とても素敵な写真が並んでて出遅れてしまったけれど挑戦してみようと思っていたが今日までなかなかタイミングが掴めなかった。

「梅はその日の難逃れ」

出掛ける前に梅干を食べるとその日は災難をまぬがれるという意味のことわざである。梅干しに宿る神様が酸っぱい顔で邪気を払う姿を想像したらなんだか可愛くて思わずにやにやしてしまった。効能が科学的に証明されていない時代にも、梅干しは多くの人たちから頼られていたのだな。

昨年の夏は暑さにやられて秋が来るまで毎日不調が続いていた。今年こそは絶対に夏バテしたくないし、守りになるような食べ物があったらいいな…!と思いながら今年は梅仕事をして乗り切ろうと思っていた。

梅の身をさっと洗い水気を拭き取る。大きさや色を見て仕分けをし、梅干し用の少し黄色い梅はもう少し追熟させるために蒸籠の上へ。

梅酒用の青い梅は氷砂糖と一緒に瓶へ入れて、ブランデーを流し込み蓋をする。きっとこの梅酒が飲み頃になるのは秋のはじめくらいだろう。

残りの小さな梅は梅コーラのシロップを作るためにスパイスとお砂糖と一緒に瓶へ入れる。しょうが、赤唐辛子、シナモン、カルダモン、クローブ、黒胡椒、八角、ローリエ。すべてのスパイスを揃えると大変かもなと悩みながら、大船の市場を探したらスパイスカレー用に少量ずつ入れたものをセットにしてくれていたものがあったのでそれを使う。

一緒に手に入れた実山椒もちまちまと枝から外してゆがいて、水に浸けて何度もアク抜きをする。お手伝いをしている立ち飲み屋のオーナーが実山椒を使った料理をよく作るので、下処理の仕方を教わったら「なかなか大変だぞ…??」と言われ、覚悟はしていたがやはり手間がかかる。

あんなにちまちまと頑張ったのに、終わってみると両手で掬い上げるくらいしかない。夏が終わる頃にはきっと使い切ってしまうだろう。この時期を逃すまいと一年分ストックするためにせっせと実山椒仕事をしているオーナーはやっぱりすごいし、いつも美味しい料理をたくさんご馳走してくれて頭が上がらない。

梅も実山椒も一仕事終えたけれど、つまみ食いができないのがもどかしい。美味しくなるよう願いながら台所の端っこへ瓶をそれぞれ並べる。

きちんと手間をかけた分、待ち遠しさすら愛おしくなる。梅雨入り前の梅仕事、実山椒仕事。

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