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乃木坂46は2021年が第二創業期みたいなものだ (リスク覚悟の“選抜メンバー大刷新”をデータ分析)


(この記事は2020年12月31日に書かれた内容です)
すでに超有名アイドルグループになり終えた『乃木坂46』だが、この年末年始に各局で歌いはじめている『最新曲』では、実は大胆な“選抜メンバーの大刷新”が行われていることを、知っているだろうか。

サスティナブルにグループを成長させ続けるには、上手にメンバーの入れ替えをして、新鮮さを加えたり、若手に現場経験を増やし育成しなければならない。
今回、どのようなメンバー構成変更が行われているのか、データ分析によってひもといてみたいと思う。

分析の方法

この最新曲、26枚目シングル『僕は僕を好きになる』は、初の3期生による単独センター曲となる。

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(この子が、3期生初の単独センターやる山下美月)

絶対的エースの1期生白石麻衣が2020年10月に卒業し、これもきっかけとなり、白石卒業後に一発目となるシングルの選抜メンバーには、新世代の3期生・4期生がドカンと大量に入る構成となった。

分析のための比較対象として、2018年4月リリースの20枚目シングル『シンクロニシティ』時の選抜メンバーと見比べて分析してみることにする。つまり、“たった2年半ほどの時間差で、乃木坂はどんな変化を遂げようとしているのか”を、データから見てみよう。

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(隊列ダンスが印象的なシンクロニシティは、2018年のレコード大賞を受賞)

“何期生が”中心の構成か?

まず、それぞれの曲には何期生がどれくらい選抜されているかを見てみよう。

◆2018年『シンクロニシティ』
(2018年4月25日発売)
先抜メンバー計21名
1期生14名、2期生3名、3期生4名
◆2020年年末『僕は僕を好きになる』
(2020年11月25日 日テレ音楽の祭典「ベストアーティスト2020」テレビ初披露)
先抜メンバー計19名
1期生6名、2期生2名、3期生6名、4期生5名

◆期別の割合比較チャート

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たった2年半前である2018年時点では、まだ1期生が67%をも占め、大部分が1期生中心のグループであることがよくわかる。

それが、2020年年末のほうでは、1期生の割合は3割にまで落ち、次世代組である3期生と4期生を合わせると、なんと実に58%にもなる。
明らかに1期生時代から、“3期生4期生へとシフトする意志”が、顕著に見ることができる。

メンバーの“年齢構成”はどう変わったか?

では年齢構成はどうか?

◆2018年『シンクロニシティ』
先抜メンバー計21名
〜19才以下:4名、20-24才:12名、25才以上:5名
◆2020年年末『僕は僕を好きになる』
先抜メンバー計19名
〜19才以下:6名、20-24才:9名、25才以上:4名

◆年齢層比較チャート

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3期生以降のメンバーを新たに抜擢することで、年齢層構成が劇的に若返っている。
2020年年末のほうでは、なんと10代が3割を超えているのである。これは4期生の抜擢によるところが大きい。

もしも仮に、シンクロニシティのメンバーのままで2020年年末を迎えていたとしたら、「19才以下」は5%まで落ち(実質1名だけになり)、「25才以上」が48%、つまり選抜の半分が25才以上になっていたことがわかる。

決して若いほど価値があるというものではないが、新しい世代のファンを開拓しておくためには、同世代の10代のメンバーが選抜で活躍しているほうが共感は生みやすいだろうし、ベテランのファンにとっても、マンネリ化するよりも新しい刺激、新鮮な顔触れが入ることによるグループ感の変化も楽しみのひとつだ。

ただし、ベテラン層を抜いて若手を抜擢しているので、経験値からみると“クオリティ低下のリスク”は高まっている。
そのリスクを抱えてでも、大きな世代交代を狙っているのが、2021年の乃木坂46の現状なのだ。

まとめ: 今からでもファンになれるタイミング

今後は、テレビ番組へ露出するメンバーの顔触れも、この新たな次世代選抜メンバーからが増えてくるだろう。

これまで「乃木坂って誰がいるのかも知らないし、顔の区別もつかないな」と、少し興味はあるのに理解するのをあきらめていた人たちがいるとしたら、この2021年からなら、中心メンバーの顔触れもがらりと変わったので、メンバーたちの個性を理解していくのはだれにとっても今からで、スタートは同じになるタイミング。

ぜひこの“乃木坂46の第二創業期”のような変革期をウォッチして欲しいと思う。
乃木坂の活躍が、これからもまだ長く続くのか、それともパタリと人気が落ちるのか、その分岐点が2021年にあることは確かだ。

◆ローデータ詳細

分析に使った選抜メンバーのローデータを以下に記録しておきます。

『シンクロニシティ』
2018年リリース (20枚目シングル)
センター:白石麻衣
先抜メンバー計21名
1期生14名、2期生3名、3期生4名

【1列目】7名、平均年齢 21.6才
山下美月(③,1999年19才)、堀未央奈(②,1996年22才)、生田絵梨花(①,1997年21才)、センター白石麻衣(①,1992年26才)、西野七瀬(①,1994年24才)、齋藤飛鳥(①,1998年20才)、与田祐希(③,2000年18才)

【2列目】7名、平均年齢 22.7才
桜井玲香(①,1994年24才)、松村沙友理(①,1992年26才)、久保史緒里(③,2001年17才)、生駒里奈(①,1995年23才)、大園桃子(③,1999年19才)、衛藤美彩(①,1993年25才)、秋元真夏(①,1993年25才)

【3列目】7名、平均年齢 22.6才
井上小百合(①,1994年24才)、新内眞衣(②,1992年26才)、高山一実(①,1994年24才)、星野みなみ(①,1998年20才)、若月佑美(①,1994年24才)、樋口日奈(①,1998年20才)、寺田蘭世(②,1998年20才)


『僕は僕を好きになる』
最新シングル発売予定 (26枚目シングル)
センター:山下美月
先抜メンバー計19名
1期生6名、2期生2名、3期生6名、4期生5名

【1列目】5名、平均年齢 21.2才
生田絵梨花(①,1997年23才)、梅澤美波(③,1999年21才)、山下美月(③,1999年21才)、久保史緒里(③,2001年19才)、齋藤飛鳥(①,1998年22才)

【2列目】7名、平均年齢 22.6才
松村沙友理(①,1992年28才)、遠藤さくら(④,2001年19才)、大園桃子(③,1999年21才)、堀未央奈(②,1996年24才)、与田祐希(③,2000年20才)、賀喜遥香(④,2001年19才)、秋元真夏(①,1993年27才)

【3列目】7名、平均年齢 20.9才
新内眞衣(②,1992年28才)、清宮レイ(④,2003年17才)、田村真佑(④,1999年21才)、星野みなみ(①,1998年22才)、筒井あやめ(④,2004年16才)、岩本蓮加(③,2004年16才)、高山一実(①,1994年26才)

※年齢の算出方法は、誕生月までは配慮せず、「その年にいくつになるか」で示した。
※『僕は僕を好きになる』のリリースは2021年1月だが、「原稿執筆時の2020年12月」を基準にし、「2020年にいくつになるか」で年齢算出した。

(おわり)

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