見出し画像

ゲームのUIデザイナーの仕事(と自己紹介)

自己紹介

京都でスマートフォン向けゲームのデザイナーをしています。
元々プロダクトデザインを学んでいましたが、気づいたらゲーム業界でデザイナーをして9年目になります。

主にUIデザイン(設計〜グラフィック)を中心に、ロゴとか演出もやります。
UIだけではなく、ゲーム自体の企画もしたりパーツアニメーションもやっていて、最近あまり仕事ではしていないですが、webとかflashとか動画作るのも好きです。

職業柄、普段アンテナを張っているのもゲーム関連やUIUX関連の記事が多いわけですが、「ゲームのUIデザイン」についての記事ってあまり見かけないですよね。

ゲーム業界以外の方からは、ゲームのデザイナーをやってますって言うと「キャラのイラスト描いてるんですか」って返ってくることも多いです。
また、普段アプリ系のUIデザインを中心に仕事をされてる方からも「ゲーム系って少し畑が違いますよね」と言われること、多いです。
そこで自己紹介も兼ねて、ゲームUIデザイナーがどんなことをしているか簡単に説明したいなと思って記事を書いてみることにしました。

あと、最近noteが流行っているので、140文字以上の文章を書くのが苦手な自分もこれを気に何か発信することができたら良いなーと……。
練習のつもりで書いていますので。温かい目で見ていただければと思います。

※便宜的にこの記事では以下のように呼んでいます。
・ゲーム =スマホ向けのゲームアプリ
・アプリ =ゲーム以外のネイティブアプリ


ゲームのUIデザインの仕事とは

ボタン1つのデザインから画面全体、ひいてはゲーム全体の導線や情報の出し方や、演出までひっくるめてデザイン(設計〜見た目のグラフィック制作など)を行う仕事です。
会社によっては、web制作やバナー制作なども担当することが有ります。
(キャラや背景のイラストを描くのは弊社だとイラストレーターの仕事になります。別の企業様だと"グラフィッカー"でひとまとめになってたり、2Dと3Dで分かれてたり)
このあたりまでは、おそらく通常のアプリ開発におけるUIデザイナーと、そこまで業務内容は変わらないと思います。

では何が違うのか?
個人の経験から感じた違いは次のようなところです。


1.UIもコンテンツになりうる

まず大きく違うなと思うのが、ゲームの場合はUIもゲームの世界を構築する1部分である(UIでありコンテンツである)ということです。
instagramやtwitter等の場合、画像やツイートといったコンテンツ/またはそれを軸にした体験が主としてあり、それらとユーザーを繋げるためにUIがあります。
しかし、ゲームの場合はボタン1つ、マイクロインタラクション1つからも「そのゲームの世界観にあっているか」を意識する必要があり、
むしろ企画によってはUIデザインで全ての世界観を伝えないとダメな場合も多々あります。

もちろんアプリでもトンマナを意識したデザインやインタラクションは行いますが、ゲームの場合はそこに、世界観という文脈がもう1つ乗ってくるイメージです。

例えば、ペルソナシリーズはUIを主に置いた画面構成がなされていますが、こういったデザインもゲームならではだと思います。

通常の「アプリ」だと、ユーザーはスマートフォンの画面をインターフェースとして扱います。しかしゲームの場合、「アプリUIとしてのメタな部分」と「仮想世界を構築する要素としてのUI」それぞれのユーザーとの距離感のバランスが大事です(個人的にこれを「没入感のZ軸」と呼んでたりします……)


2.体験が多重構造になっているケースが多い

おそらく多くのサービス・アプリで行う体験は、画面の前のユーザーさんを対象とした体験です。

しかし、ゲームアプリの場合はプレイヤーであるユーザーや、ゲームの主人公(例:提督やプロデューサーとしての自分)、またはゲーム内の第三者キャラクターなど、シチュエーションに応じてメタ/非メタを切り替えて考える必要性が出てきたりします。これを自分は「アプリ中の体験が多重構造化する」と考えています。(ユーザーとしての大きな体験の中に小さな体験が入れ子になっているイメージ)

経験としてディレクターやプランナーとちゃんと共有できていないと、このあたりのゲーム内での体験がチグハグになってしまいます。

例えば、「単なるメニューなのにやたら演出やグラフィックに凝っていて、どこに何があるかわからない」「メタな画面なのに、オシャレ過ぎてボタンが押せない……」や、逆に「一番テンションが上がるはずのキャラを見る場所なのに、業務アプリのような静けさ」など……そんなゲーム、たまに見かけませんか?
メタ視点で操作したい画面と、キャラクター視点で操作したい画面。
どちらも同じようにインターフェースとしての要件を満たしていたとしても、誰の視点に軸足を置くかでゲームへの没入感をコントロールする必要があります。


3.企画〜実装まで手を動かすことが多い

これは会社ごとに役割が違う部分かもしれませんが、自分の場合は企画〜実装まで広く携わる場合が多いです。というよりも、最初から最後まで携わったほうがUIデザイナーとしてのパフォーマンスが出せると考えています。もちろんどんな現場でも、ある程度情報共有はするでしょうが、ゲームの場合は企画段階からデザイナーがガンガン口をだしていって、最後まで手を動かしてる事が多いと思います。

例えばパズルゲームを作ったとして、
プランナーは「タップでブロックを移動」と思っていても、UI的には「スワイプで動かす方がいい」となった場合。ゲームのコアの体験を損なわずに、操作を変更するにはどうすればいいか……?などを一緒に考えたりします。

また、複雑な操作や多重にまたがる演出表現を入れることも多く、エンジニアと相談しながらデザイナー側でUIや演出を実装していくことも多いです。

ゲームの場合は普通のサービスアプリの用に綺麗な数字でデザインガイド(デザインスペック?)を出しづらい場合が多く、結果的に自分でUnityなどを直接触って配置しているデザイナーが多い…気がします。このあたりは本当に会社ごとにどういうフローで回しているかが大きいかもしれませんが。


4.番外編として「情報が少ない」

そんなわけなので、自分から発信していくことで同じようにゲームのUIデザインについての情報を沢山の人が発信してくれるとイイな!と思って今回こうして書いてみました。

140文字以上の文章を書くことが苦手なんですが、できるだけ頑張ります。よろしくお願いします。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?