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ゲームのUIデザイナーになるまで(自己紹介その2)

ありがたいことに、最初の記事を読んでいただけた複数の方から、「どういう経緯でゲームのUIデザイナーになったんですか?」という感じの質問をいくつかいただきました。
せっかくなのでもう少し自己紹介にお付き合いいただきつつ、どういう経緯で今ゲームのUIデザイナーをしているのかを書きたいと思います。

目次

1.学生時代のこと
前半は学生時代に学んでたことなので、読み飛ばしても大丈夫です。笑

2.就職後のこと
後半は就職後の話なんですが、ここ10年ぐらいのオンラインゲーム業界中小企業あるあるとして読んでいただければ幸いかなと思います…。笑

3.ゲームのUIデザイナーとして
こんな人が向いてるよとか、こういうことを心がけてます、こういうこと勉強してます。みたいなことを最後にちょっと書いてます。


学生時代

多分最初に「デザイン」という物をしたのが、元々趣味でWebサイトを作っていた約18年ぐらい前…多分小学4,5年生くらいでしょうか。どれだけ昔のことから語るんだよって感じですが、古のオタクなら誰しも通るhtmlタグベタ打ちサイトが最初です。当時発売したばかりのポケットモンスター金銀の攻略日記サイトでした(THEインラインフレーム祭!) その後も色んなゲームの攻略サイトを作ったりして、ユーザーからの反応が数字としてリアルタイムに返ってくる体験を10代のうちに体験できたのはとても良かったです。

中学時代には部活の先生や友人と一緒に映画を作ってて、思えばこの時にPhotoshopやAfterEffectsを毎日数時間触れてたのは大きいなーと思います。当時まだスケルトンのMacで、夏休みなんかは朝9時から18時まで部室でずっとPhotoshopを……なんだか今と全く変わらないですが。笑
そんなことをしていたら、いくつかの作品が雑誌やらで賞をいただきまして。その時にクリエイティブの世界に年齢は関係ないということを実感できたり、年単位でプロジェクトを動かしての成功体験をできたのもこの後の人生に役立ってるなーと今更ながら思います。

その後、高校時代・専門学校とプロダクトデザイン(工業デザイン)を専攻してました。家電とか車のデザイン中心に勉強していて、インターンとか頑張ってました。この時に、見た目だけじゃなくてユーザービリティとか物理的な使い勝手、製造やらについて学べたのがメチャメチャ大きいです。工業製品っていわば全部がUIなので、プロダクトやってる人はUIデザイナーに向いてると思ってます。

▼なんかないかなーと思ってPC漁ってたら学生時代のスケッチが…車ばっかりですね…。(1枚Illustratorのがありますが、手描き大好きマンでした)

二年制の学校だったんですが、ちょうど就職の時期がリーマンショックの年で、自分含め就職が決まらない決まらない。苦笑
特にプロダクト系は内定取り消しなんてザラで……そんな中で最初に就職したのがオンラインゲームの運営会社のWebデザイナーとしてでした。

元々オンラインゲーマーだったのと「プロダクトができないなら、ゲーム作りたい」と思ったこと、あと「webなら材料とか金型とか流通とか考えずに好きなもの作れるやん」とか思ってました。


就職後 Webデザイナー期

2008年頃、まだiPhoneなんて持っている方が珍しい頃です。
オンラインゲームの運営会社にWebデザイナーとして就職。
最初に任されたのはGンダムのゲームのティザーサイトでした。懐かしい。

会社の規模は大きかったんですがデザインチームは4人だったので、20歳だった自分にもガンガン仕事が回ってきました。WebだけじゃなくFlashでブログパーツ作ったり、ゲーム内のアイテム素材作ったり。

この頃は他社のサイトの模写も沢山してました。今だとUIトレースと言われるものに近いと思います。
目的としてはグラフィック的な表現の幅を広げることと、業界の標準(クオリティもですが、構造のデファクトスタンダード的なところ)をなるべく早く身につけたかったからです。

クリエイティブに年齢は関係ないと思っていたので、当時「20歳だろうと業界標準レベルの仕事ができないとクビだ!」という謎の強迫観念を持っていたので必死でした。笑

最近もまたUIトレースが流行ってますが、経験が少ないうちは個々のアプリの施策分析よりも、業界標準を肌感で理解するためにやるのが良いんじゃないかなと思ってます。20個ぐらいやったら傾向見えてきますし、引き出しも増えると思います。


ブラウザゲーム黎明期 ゲームUIに片足つっこむ。

2010年頃、ガラケーでもPCでもブラウザゲームが流行ります。ドラコレとかブラウザ三国志とかmixiゲームとか。
この頃から社内でもブラウザゲームの部署を立ち上げることになり、そっちの仕事のメインデザイナーを任されます。メインというかデザイナーは1人で……、主な仕事は中国韓国のブラゲをパブリッシングする際の、クリエイティブローカライズとサイト作成でした。
UIのローカライズ/カルチャライズや、キャライラストのディレクション、日本向けのロゴ制作など中心にしてました。

このくらいの時期からそれまでのhtml/cssに加えてjs/php/actionscript学び出しました。というか、自分で画面の実装までしないと追いつかないようなスケジュールでしたので。笑
ゲームのUIデザインをしだしたのはこの頃からです。Webの延長線上で本当に探り探りでした。
※完全に余談ですが、中国韓国のゲーム用語が無駄に理解できるようになって、今だにアジア圏の資料を検索する時に地味に役立ってます。笑

あとこの頃「Webは爆速が正義」理論が自分の中であって、とにかく0.1秒でも表示を早くできないかを考えてました(後にスマホブラゲを作る時に役立ちます)
GoogleAnalyticsでの解析とSEOにもハマって、個人で運営していたサイトでABテストを繰り返してました。
当時のサイトで残っているのはGLaimというロゴのまとめサイトだけですが…(最初は自分の資料集にしてたんですが、知り合いから要望が多くてサイト化。ありがたいことにPVの割に業界知名度があるらしく、初対面の方に「見てます!」と言われることが多々…更新してなくてゴメンナサイ。笑)


到来するグリモバ/パズドラ ゲームUI繁忙期

2011年〜2013年ぐらいはPC/モバイルともにブラウザゲームが毎日のように量産される時代でした。
この少し後くらいから市場が本格的に携帯のソシャゲに移行し、ガラケー/スマホ向けのデザインもする機会が増え、受託開発も含めてめちゃめちゃ仕事しました。パズドラ以降はネイティブアプリの受託も少しずつ増えてきて、企画から実装から運用まで、PCモバイル合わせて1年で10タイトルぐらいUIやロゴ作ってました。

今だとありえないかもしれませんが、グリモバ全盛期〜ネイティブシフト〜艦コレブームによるブラゲ乱開発時代にはあるあるでしたよね……笑

この頃にS社C社D社さんの担当さんの要望に答えようと頑張ってたのがいい修行だった気がします…。笑

当時、ガラケー向けブラゲは参考に出来るものが沢山あったのですが、スマホ向けのブラウザゲーム(というよりもスマホ向けWebサイト自体)は業界全体で手探りで、ガラケーをそのまま変換できるプラグインだったり、怪しいフレームワークだったり、「Flashをそのまま変換して動かしてるだけだから低工数でいけますよね^^」だったり。

ただ当時は「スマホブラウザってメチャメチャ表現の幅広い!むしろIEを気にしなくて良いとか何でも出来るやん!」と、毎日の試行錯誤が一番楽しい時期でした。(実際は初期Androidの端末ごとの独自解釈をどう解決するかでIE以上に苦しむんですが)

当時はデザインの参考にできるゲームもなかったので、大手企業のサイトやNintendoDSのUIなどを参考に、何がユーザーにとって使いやすいか、新しい体験を届けられるかを考えてデザインしていましたねー。

明確に頼れるものといえばApple先生しかいなかったので、iPhoneのデザインをひたすら分析していました。
今でもiOSのHIGGoogle先生のMaterialDesignは一番読む資料です。定期的に読み返してます。ってかスマホのUIデザイナー目指すならとりあえずこれ読んでからぐらいには思ってます。

あと、明確に何年ごろというのが難しいのですが、数十万人規模の会員ポータルサイトとか、ファミリー向けのサービスサイトとか企画から色々携われたのも結構いい経験になってます。デザインパーツをオブジェクトやモジュール単位で考えるとか、ポータルデザインだと必須なんですが、特にゲームのUIは気を抜くと画面ごとにユニークな物を作りたくなってしまう(結果的に統一感がなくなる)ことも少なくないので…。


そして現在 完全にスマホネイティブのUIデザイナー

そんなこんなありつつ、3年前に今の会社に転職。
基本的にはずっと自社タイトルのスマホ向けゲームアプリのグラフィックデザイナーとして働いています。

最初に頂いた質問の「どういう経緯でゲームのUIデザイナーになったか」ですが、ゲームに近いところでデザイナーをしていたらいつのまにかなってたですね…答えになってないでしょうか(汗)

でもスマホ向けゲームアプリのUIデザイナーって、そういう経歴の方多いと思います。元々Webサービスのデザイナーで会社がブラゲブームの時に事業拡大で…ってパターン。笑


最後に ゲームのUIデザイナーに向いてる人

画面を作る人ではなく、製品を作りたい人が向いています。

ゲーム開発の場合は、体験が多重構造化していたり、イラストやアニメーション、演出、コミュニティなど構成要素が多岐にわたります。

それらを全部つなぐのがUIデザイナーの仕事だと思ってます。

例えば、プランナーの企画・仕様を、エンジニアが実装しやすいように翻訳したり、ディレクターとイラストレーターが感覚だけで共有している部分を、言語化・見える化したり。
そうしてゲームが正しく完成に向かうために、色んな分野に片手片足ずつ突っ込んで、全体を繋げていく役割が得意な人が向いているのかなと思います。

言い方を変えると、製品・サービスとしてのクオリティをあげたい人が向いているとも言えるかもしれません。

クオリティアップと言っても、絵や演出のレベルと言うよりは商品としての完成度ですね。
仕様の抜けや状態変化時の漏れ 、例外系の画面仕様などを先回りして提案できるとか、負荷や処理速度をエンジニアと相談しながら実装を考えていけるとか、アートディレクターが考えた世界観との親和性を損ねないように、演出や操作をプランナーに逆提案出来るとか。

個々の要素ではなく、全体としてのクオリティを上げていけるために動ける人が向いてると思います。

そういう意味で、絵を描きたいだけの人は、多分向いてないです。

デザイナーと言う職種ですが、「ずっとイラストを描いていたい!」みたな、絵を描くことを仕事にしたい人には多分向いていません。向いてないというか、多分「なんでそこまで自分が!」となって辛くなると思います。
(自分も流石に3ヶ月ずっとキャラのモーションを作り続けたときは「なんか違う!」となりましたが……笑)

逆にゲーム系だからといって「アニメのイラストとか描くの大好き!」みたいなのはあんまり重要じゃないと思ってます。もちろん好きでもぜんぜん大丈夫ですが。


あとな、なによりゲームが大好きであることが大事だと思います。

市場調査は必須ですし、ゲームって言ってしまえば嗜好品なので、自分が一番のユーザーとして「趣味の時間をゲームに使う」感覚を持ってるの大事だと思います。まあゲームのデザイナー目指そうって人はほぼ確実にゲームが好きだとは思うのですが…。笑

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ありがとうございます!
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京都でゲームのUIなどを中心にしたデザイナーをやっています。
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