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あなたの改革は社長の信認を得ているのか?

社長の信認を獲得してから事業再生に着手するのが大事です。入口で信頼関係を築けない案件は上手くいきません。時間をかけて信頼関係を構築しようと思った事もありましたが、事業再生は特にスピードが勝負です。後々となって入り口で信頼関係が構築できなかった案件が良くなる事はありませんでした。短期に信頼関係を築く挑戦を私はやめません。

認定事業再生士の仕事は、社長よりの信認が無ければ、そもそも成立しません。事業再生は時間との勝負ですので、アドバイスのタイミングを外すと意味を成しません。また、事業再生では社長の連帯保証問題も同時に検討する必要があります。会社の情報だけで無く、個人情報も踏まえて全体のコンサルティングプランを検討する必要があります。信認がなければ、今後の社長の人生設計も含めた深い助言はできないのです。

信認がなければ、結果としてアドバイスが実践されません。助言が実行されないコンサルタントほど無様で馬鹿らしい存在はありません。道化師と何ら変わるところはありません。顧問契約を結び、顧問料も支払っているのだから信認されているのでは無いか?と思う方もいるかもしれません。人の心は、そんな単純なものではないのです。

社長も経営の見通しが不透明で変化が必要なことだけ確信されています。だからこそ認定事業再生士で事業再生の専門家である鳥倉と契約してみた、案件スタートの入り口では、契約前の面談でどんなに丁寧にご説明しても、その程度の関係性でスタートするものなのです。

社長自身の許容度に合わせて改革を推進する

案件がスタートすると社長の信認次第で、どの程度の社内改革が許されるかが決まります。事業再生を推進できる環境の構築を、社長はどの程度許容して頂けるかを確認します。社内のリソースを十分に使えると、再生は上手くスタートします。

例えば社内の人材にたくさん会わせてくれ、事業再生の為の会議を設定させてくれる場合などは改善改革が進みやすいです。一方で社長から「社内に動揺を広げたくありませんので鳥倉さんの存在は内密にします」といった案件は、財務的なアプローチに改善活動が限られてしまい、事業再生の効果は限定的となりやすいです。ご提案は様々に致しますが、社長から管理職、担当者へと伝言ゲームとなり、真意が伝わるかわかりません。そもそもこのようなケースでは、提案が社長で止まってしまうことも多いです。

社長や社内とコンセンサスを作り上げるのに時間を掛けられるかは、資金繰り状況次第です。資金繰りが良好なら信頼関係の構築に時間をかけますが、事業再生においては手元資金の流出が止まらないケースも多く、即座に会社が破綻しかねません。そのような場合は否応なしに即断即決していただく必要があります。

17年も事業再生に従事していますと、今の私は常に経営者の信認がどの程度かを確認しながら再生を推進するようにしています。「本当ならこうしたらもっと良いのに」と思うこともありますが、社長が一度判断したことに対して積極的に翻意を求める事はありません。社長の信認がないところで、意に添わない成果をあげても社長は喜ばない生き物です。成果という果実は社長に帰属するじゃないかと、思われるかもしれませんがそういう生き物ではないのです。また、結果論として社長が認めていない成果が新たな信認を産むこともありません

信頼し任せて下さる経営者の為に働く。ここがポイントなのです。施策の1つ1つを確認して、了解を頂いて、着手して、成果を上げる。これで初めて更なる信認を獲得して、より本質的でより効果的な施策を実行する許可をいただいていきます。

事業再生に抵抗勢力は付きもの。社長の信認が守ってくれる。

なぜそこまで社長の信認を大事にするかと言えば、事業再生という改善改革には必ず反対者が生まれるからです。それは社長自身の場合もありますし、従業員、役員、株主と様々なレベルから反対の声が上がります。

すべてを敵に回して成果を上げることはできません。社長の信認を得続ける事が改革への抵抗勢力を封じる一番の力になります。社長の信認がなくなれば、コンサルタントという弱い立場は委任契約ですので即日解約も含めて案件が終了します、事業再生が頓挫するのです。

事業再生という資金繰りに直結した危機的な現状が、改革を維持継続する力になる面もあります。金融機関からの追求も激しくなりますので、そのような外圧を用いて内外の諸勢力を適度にコントロールすることもあるにはあります。しかし、社長の信念として「鳥倉に任せる」との信認が無ければ、様々な抵抗勢力の中、それらの力のベクトルを一つの方向性に束ねる事は困難です。

信認を与えられないのであれば、社長自身が事業再生をすれば良いのか?

社長自身では事業再生は難しいという感覚があるので、鳥倉にご依頼下さっている面は必ずあります。事業再生を社長自らがやるのは、なぜ難しいのでしょうか?

それは社長自身の過去の判断という、自分の失敗を認め、自分の戦略を改め、自分を許して仕事を続けさせて欲しい、失敗を許してやってほしいと作業が事業再生には必須の工程だからです。

この自己開示と反省を利害関係者に行わなくては、逆境にある社長と会社を応援して支えようという、ステークホルダーの支援体制を構築できないのです。“反省し謝罪をする役割”と“理路整然と今後のビジョンと再建策を説明する役”の一人二役は難しいです。

債権者は経営実態の把握が追いつかず、情報が少ない事もあって“道徳論”的な批判をする事が多いです。「失敗したあなた自身が、どの口で言っているんだ」と非難されてる中では、今後の合理的な再建計画を説明し、理解納得を得ることは難しいのです。社長の頭の中に再生のための戦略があったとしても、実行が難しいのはこういう場面が多々あるからです。

では社長自身で実行が難しく、コンサルタントという立場でも信認を得ることが難しい、そんな事業再生をどのように推進していくのでしょうか?

財務的なアプローチで社長の信認を獲得する

私は、会社が存亡の危機に立つ時、金融機関との関係が劇的に変化することに着目しています。金融機関が企業の存続を信じられず、債権回収に走れば危機にある会社はあっという間に破綻します。

その危機を食い止めるためには、金融に精通した人間が必要です。ただ、社内にはそのような金融知識に精通して、財務戦略を立て直せる専門家はいないのです。社長自身が財務の専門家という事は、まずありません。

その為、事業再生では計画の立案、説明、実行が必要となりますが、その作業は社長の知らない言語を通訳し、道案内し、安全を確保する仕事に似ています。二人三脚で見知らぬ土地を旅行するようなものです。この過程を、案件の入り口で経験することで、社長の信頼を得られることは多いです。結果として改革も進めやすくなります。

本業は社長の方が詳しいのは当たり前です。何か社長が持っていない武器を持つことが大切です。「こいつは使える」、「この分野は任せた方が良い」という、社長の実体験が改革を主導する役割を任せていただく為には必要なのです。財務の観点から事業再生を推進するのは結果が早い、ということもさることならがら社長の信認を得る為の必須のプロセスと鳥倉は感じています。

社長自身の信念が信認する覚悟を生む

私は可能な限り社長の想いを叶える為に動きます。事業再生という逆境にありながら何を言っているんだ、そんなものは夢想に過ぎないと言われようと社長の意思を具現化するお手伝いをします。事業再生は不条理の中から一閃の合理性を紡ぎだす仕事です。私は社長の信認さえあれば、火の輪でも潜る事業再生士です。

社長に私は気づいて頂きます。全てを失った後でも、ご自身に残るものは一体何かということに。もしかすると、全てを失うまで気づけないかもしれませんが、キャベツや玉ねぎを剥くようにどこかできっとわかるはず。純粋な本当の自分自身を。必ずしも会社と己の命運が、軌を一にする必要はありません。事業再生は何かの死が、最も再生に近くなる瞬間です。

優しい社長ほど痛みを伴う改革ができません。自分が我慢すればよいと自分を追い込みます。追い込んだ先に解決策が有ればよいですが、多くの場合はそこに答えはありません。自分自身を追い詰め、傷つけてしまうだけです。

維持困難な組織の課題を放置し容認することは、最初から無理なのです。維持困難な事は何なのかを、社員と共有しながら次の解決策への道のりを模索します。

人を処断するなど決定的な物事の結論を出さざるを得ない時もあります。社長の優しさ故に相手に憐憫して、なまくら刀で斬ると結果は上手くいきません。中途半端な改革は、抵抗勢力という手負いの獣を生み出します。手負いの獣は容赦なく、社長に決死の覚悟で牙を剥きます。逆襲を被るのは自分に覚悟がないからです。結果責任を負う社長自身が、覚悟というよく切れる刀でバサッと改革の決断をすることが常に正解なのです。

事業再生には後悔と反省がつきものです。自分がしたことに後悔する社長は多いです。ご自身で後悔して間違いと思うのであれば、そうなのだと思います。ただ、反省ができるご自身の気持ちになれたのは、過去があればこそです。過去があればこそ今がある、常に今が最善です。これからはもっと上手くできます。

経営者はインスピレーションを信じることが大事です。考え抜いて苦しんだ先に閃きがある。絞り出したものは真実により近いです。事業再生においても、信じる力が大切です。事業再生フェイズに突入すると否応なしに与信不安が漂い始めます。不安を鎮め信じてもらえるか否かは、結局社長自信が自分を信じ抜けるかによります。

社長自身が事業再生に向かう信念が固められたとき、事業再生を鳥倉に任せてみようと信認が生まれるときです。そんな覚悟を背負って事業再生に向かうことを鳥倉は一番大事にしています。


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