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映画

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「映画は戦場のようなものだ。 『愛』『憎しみ』『行動』『暴力』、そして『死』。 つまり感動だ」 ー『気狂いピエロ』ジャン・リュック・ゴダール
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映画『Premiers crus (ブルゴーニュで会いましょう)』

映画『Premiers crus (ブルゴーニュで会いましょう)』鑑賞。 今は世界各地の美味しいワインがあるけれど、 ブルゴーニュほどプライドと誇りを持ってワイン造りをしている土地は他にはないかもしれません。 この映画を観ていて、何故か思い出したのは 映画『風と共に去りぬ』。 生まれ育った土地に対する愛と執着がとても強いからこそ、伝統は受け継がれていくものなのだと。 単なるワイン映画と思っていましたが、 家族愛や友情、恋愛も描かれていて深く味わいある 映画で

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High Society - True Love

「二人が互いに真実の愛を与え合う限り、真実の愛は永遠に続いていく」 究極の理想の旅❤︎このシーン素敵過ぎる。

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映画『グランド・フィナーレ』

もしかして死ぬときってこんな気持ちがするのかな。 『Simple song』 I feel complete I lose all control I lose all control I respond I feel chills I wake I know on those lonely nights I know on those lonely nights I know everything I lose all control I get chills I know on those lonely nights I die I hear all that is left to be heard I wish you would never stop I've got a feeling I live near I live for you now I leave no sense behind I feel complete I've got a feeling I wish you moving like rain I'll be there I'll be there I lose all control [violin instrumental] When you whisper my name When you whisper my name When you whisper my name, whisper my name When you whisper my name Ooooooooh (x3) Whisper ... When you ... Whisper ... When you ..

オペラ 『ソフィア・コッポラの椿姫』

映画監督ソフィア・コッポラが、ヴァレンティノの衣装でクラシックとモダンが溶け合う煌びやかな舞台を描くオペラ。 バレエの『椿姫』は何度か観たことはあるが、オペラで観るのは初めて。と、言っても映画館で観れるシネマ・ビューイング。 普段バレエの制作の仕事をしているため、とかく舞台や衣装に注目してしまうが、豪華絢爛でセンスも素晴らしい。主演のヴィオレッタを際立たせつつも、脇の人々の衣装や小物も気を抜かないのは流石。 オペラを観ていると、あまり登場人物の生の感情が伝わらない感じが

映画 『オーケストラ!』

かつては一流オーケストラの天才指揮者と言われたが、今は劇場の掃除夫のアンドレイ。彼がかつての演奏仲間とオーケストラ再結成の夢を抱き、実際に再演に至るまでの波乱万丈なストーリーをコメディタッチで描く。 「一番好きな曲は?」と聞かれたら迷わず答える曲がある。 チャイコフスキー『バイオリン協奏曲二長調』。クラシックファンでなくても誰もが一度は耳にしたことのある名曲だ。 そもそも私とチャイコフスキーの出会いはこの曲で、この映画だ。 元気がないとき、悲しいことがあった時、勇気を出し

映画 『気狂いピエロ』 ジャン・リュック・ゴダール

「見つかった!」「何が?」「永遠が」「それは太陽と一つになる海だ」 高校生の頃学校をサボって渋谷の今はなき映画館で、一人で観た初めてのゴダール作品。 あまりに鮮烈な映像美とカメラワーク、シニカルな哲学と世界観に衝撃を受け、その後ヌーベルバーグの世界へと誘われることになる映画。 ファム・ファタル的なアンナ・カリーナ演じるマリアンヌと、不良っぽいジャンポール・ベルモンド演じるフェルディナン。2人の南仏への逃避行。破滅へと向かっているのに、底抜けに明るい色彩。 頭で意味を理

映画 『ダンシング・ベートーヴェン』

モーリス・ベジャール振付、ベートーヴェンの「第九交響曲」。ベジャール亡き後、再演は不可とされていたこの作品が、ローザンヌの「モーリス・ベジャール・バレエ団」と「東京バレエ団」、そしてイスラエルフィル、指揮者ズービン・メーターとのコラボレーションで一大スペクタクルとして蘇る。公演本番までのドキュメンタリー。 天才振付家モーリス・ベジャールの作品を初めて知ったのは、学生の頃に観た映画『愛と哀しみのボレロ』で。 映画のラストシーン、エッフェル塔の下で繰りひろげられるジョルジュ・

映画『プラハのモーツァルト 魅惑のマスカレード』

天才音楽家モーツァルトを巡る愛憎劇を、全編「百塔の都」プラハロケの美しい映像美で描く。『アマデウス』以来の本格的モーツァルト映画。 モーツァルトの映画と言えばあまりに有名な『アマデウス』。私はこの映画を観てモーツァルトの音楽の素晴らしさを知り、クラシック音楽に傾倒していった。 ヨーロッパに一人旅したときも、トーマスクックとモーツアルトのCDを肌身離さず持ってロンドンからイタリアまで列車で縦断した。だから今でもヨーロッパの田舎の景色を見ると、モーツァルトの曲が頭の中を響き渡

映画 『勝手にふるえてろ』

10年心の中で想い続けた相手?それとも自分のことを一途に想ってくれる人?絶滅動物が大好きなこじらせ女子の脳内二股、揺れる女心を描く。 ※ネタバレ箇所ありますので、これからこの映画を観る方はスルーしてください(笑) この映画の主人公、ヨシカまでとは言わずとも、脳内妄想は誰にだって経験があると思う。片思いって多分、半分以上は自分の脳内で完結しているから。相手の言動を、時にはポジティブに思い込み、時にはこじらせて、勝手に有頂天になったり被害妄想をしたり。 中学生の時から10年

映画『男と女』とBar Bossa

フランスの恋愛映画と言えば...クロード•ルルーシュ×フランシス•レイが描く上質な大人の恋物語 この映画を初めて観たのは、高校生の時。名画という名画を見まくっていたあの頃。その中でもこの作品は衝撃的だった。もしこの映画を観ていなかったら後にフランスに暮らすこともなかったと思う。それほど私の人生に強い影響を与えた映画。 配偶者に先立たれたカー•レーサーの男と脚本家の女が子供の寄宿舎への送迎の行き帰りに出会い、互いに惹かれ合う3週間を映像美で描く。 この作品の何が衝撃的だっ

映画『沈黙-サイレンス-』

信仰とは、神とは…江戸初期、幕府による激しいキリスト教弾圧下の宣教師と隠れキリシタンの苦悩と葛藤を描く問題作。 "キリシタンの弾圧"という重いテーマに約3時間の大作でしたが、ストーリーにぐいぐい引き込まれ、最後まで飽きることなく見られました。 ハリウッド映画にありがちな日本の奇妙な描写など皆無で、この時代の日本のことをどんなに入念に調べ上げられ、綿密に研究されたかが伺われます。 日本人俳優達も素晴らしく、窪塚洋介の熱演はもちろん、イッセー尾形の怪演は表情・間の一つ一

映画『はじまりのうた』

原題は『Begin Again』。過去に飛ぶ鳥を落とす勢いだったが今は落ちぶれた音楽プロデューサーと、恋人に裏切られた女性が出会い、音楽を通じて新しい道を見つけていく物語。 音楽を通して人と人が繋がっていく風景が、キーラ・ナイトレイの透明感のある歌声と共に描かれている。 すれ違いも、誤解も、失敗も、後悔も、人生の様々な汚点が音楽によって浄化される。 やはり、音楽って素晴らしい。 恋愛映画としてみるとかなり切ないけど、誰かを好きだという感情はかならずしも男女の関係

映画『湯を沸かすほどの熱い愛』

余命3ヶ月の母の厳しくも温かい大きな愛に包まれた家族再生の物語 ベタなお涙頂戴的な作品かと思いきや、割と自然な感じで最後まで泣かせず次のシーンへ持って行く演出を好感もって鑑賞。 宮沢りえ演じる双葉の愛の表現は、谷から突き落とすライオン母のよう。でも起き上がるまでしっかりと谷の上から見ている。 いじめを受けている安澄に「逃げないで」といって無理にでも学校に行かせるシーンは賛否両論あるようだけど、私は彼女のやり方に賛成。 彼女は、子供の強さを信じている、それは自

映画『LION 25年目のただいま』

インドの片田舎である日迷子になった5歳の少年が、オーストラリアの夫婦の養子として育ちながら、故郷に帰るまでの実話を基にしたお話し。 物語はドキュメンタリータッチで淡々と進んで、決してお涙頂戴的な話ではないのだけれど、もしかしたら映画でこんなに泣いたのは生まれて初めてかもしれない。 自分でも意外なシーン(迷子になったサルーが初めて育ての親と出会う場面)から涙が溢れて最後まで止まらなかった。 以前インドを訪れた時に実際に見た、地面に横たわる親がいない子供達、親に見世物に