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[読書感想]「最後の講義/人のために生きることは自分のために生きること」

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吉岡秀人氏は小児外科医で、1995年単身でミャンマーに渡り医療支援を始めた方、とのことです。

支援が必要な国で誰でも海外の医療支援に参加できるスキームを整え、現在も大勢のボランティアとともに活動を続けていらっしゃるそうです。


作者が繰り返し言っていること

(要約)
感性の声を信じる。それを信じられない人に未来を開くことはできない。やった方がいいな、と思うことに向かって進めばいい。行動をしないことこそが本当の失敗で、目的へ向かうプロセスで得ている物は、目的そのものを達成することよりもはるかに大きい。

最後の講義/吉岡秀人 より

本当にその通りだと思います。
どうしても今までの経験や自分のできる範囲を想像することで、「やってみる」ことを躊躇ったり、はじめからやらなかったり、というのが私のような人間には常なのです。
「やってみる」ことこそが大切だし、誰かのやりたい気持ちはいつもとても尊いものだな、と再認識しました。
しっかり待ち続けていたい気持ちだと思います。

人の気持ちがサステナブルに繋がる

(要約)
困っている人が助かった時、「自分も誰かを助けたい、つらい人たちの力になりたい」と思うもの。それがずっと繋がって、海外の医療支援は続けてこられた。「助けたい、力になりたい」という気持ちをつなぐことによってたくさんの人が集結した。

最後の講義/吉岡秀人 より

すごいなぁ、と心から思いました。
私などには到底真似できないけど、こうやって尊い気持ちを繋ぎ合わせて、社会を作ってくれている方がいらっしゃるのだ、とあらためて頭が下がります。

他にも、「砂漠で久しぶりに飲む水」のことを例えに、「他者がいてはじめて自分を意識する、マイナスの状況があってはじめてプラスを意識する。
だからマイナスをしっかり味わって自覚すること。
大きな落差を持った人が豊かな人生を生きた、ということになる」、と書かれていました。

私はすぐにくよくよしてしまうけど、くよくよすることも「過程」だと思えば、大切なんだと思えます。

自分は自分の延長戦でしか他人を認識できないのだから、自分のどんな状況も自分の経験なんだ、と思うこと。
自分は大変な経験をしたけれど、いつか何かの役に立つんだ、いつか振り返って、今の立ち位置は、あのつらい状況があったから、その時になんとかその時を凌いだからあるのだと思えること、そんなふうに結論を出せるように、私も、今日を、良くても悪くても生きていくんだな、と強く思います。


最初の方(前半)は手術の写真やお話の例がたくさんあり、医療を目指す方には為になるのだろうな、と思いました。
私は素人なので、後半の質疑応答あたりで何度も胸を打たれ、あらゆる箇所をメモに取りました。

こんな方々が最前線にいて下さるのなら、日本の医療はとても明るいな、と思いました。

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