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[読書記録] カムパネルラ版銀河鉄道の夜 (長野まゆみ 著)

これは小説というよりも宮沢賢治解説書、中原中也とカンパネルラ、それに長野まゆみさんの「銀河鉄道の夜」とのことなので時間をかけてじっくり楽しく読もうと思って読み進めました。
長野まゆみさんは高校生の頃読んだ小説「少年アリス」以来です(「銀河の通信所」も読みたい)。

でも、もっともっと宮沢賢治さんについて知らないと、この本については語れないのだろうな、と思います。もっと宮沢賢治さんのことを知りたい、と強く思いました。

ただ、章末「カムパネルラの恋」については、ちょっと余計な知識を入れてしまったという気持ちにまでなってしまいました。
恋についての詩も、深く気持ちを寄せるのはとても素敵だと思えたのですが、本当のことなんてやっぱりご本人がお話したことだけを私は知りたいのです。
でも「銀河鉄道の夜」まではとても楽しめたし、中原中也さんにかかるとそういうものか、とも思いました。
宮沢賢治さんの宇宙や暗闇はとても広くて、それはとても、苦しいほどに美しく、ジョバンニとカンパネルラのつながりはやっぱり胸が痛い、痛切なものだと確認しました。

まぁ多分、他人の視点を通した知りたくないこと、というのはほぼ私の場合、忘れてしまえるというところがあるので大丈夫だし、心に残るのは、もっと宮沢賢治さんの世界を旅したいということでした。

銀河鉄道の夜、宮沢賢治さんと長野まゆみさんの世界、昔の私には分からなかったことがあちこちにこぼれ落ちていて、たまに帰ってこないと引っ張られすぎるし、どんどん私の大きな部分が天の川に流されて行ってしまう…、と途中何度か思いました。



装画はjunaidaさんで、宮沢賢治さんの世界を思い描くのに十分すぎるほどで最高です。装丁やばい。きれいすぎる。好きすぎる。

今年はいろんなファンタジーの世界を旅する予定です。宮沢賢治さんや長野まゆみさんの世界にもどんどん染まりたい。そして宮沢賢治さんご自身のことについて、私なりに理解を深めることができたらいいな、と思います。

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