社会のバグ?とその理由 何故ITエンジニアは年収1000万が可能なのか

以前Xを眺めていると、こんな投稿が目に入った。

下手すると人の命にも関わる保育士・教師・看護師が年収4~500万ではたらいていて、ただキーボード叩いているだけのITエンジニアが在宅で年収1000万なの本当に社会のバグだと思う。

元の投稿はすでに削除されているが、今回はこの社会のバグ?についての記事を書こうと思う。

前提条件

ある程度前提条件を整備しておこう。
まずこのnoteの内容は、認可保育園の保育士または公立学校の教師または一般的な看護師についてのことで、フリーランスとかその他例外についてはまた別の話になる。

ありきたりな意見

さて、最初に誰もが一番最初に思いつくであろう意見を述べておこうと思う。
それは、
「年収1000万のITエンジニアは専門的なスキルを持っているから当たり前だ!」
というものだ。

これはまあ間違いではないと思う。
だが、人の命に直接関わる保育士・教師・看護師の年収が4~500万である理由にはなっていない。

このnoteでは、何故人の命に関わる職業の報酬が、その仕事と見合っていないのか考えていこうと思う。

労働者の報酬はどう決まるのか

まずは資本主義における労働者の報酬(賃金)について話そう。
現代の日本のような資本主義の経済は次のように成り立つ。

①資本家が労働者を雇う
②労働者が価値のある商品(あるいはサービス)を提供する
③資本家がその商品によって得た利益の一部を労働者に支払う

ここでいう労働者とは、Xの投稿におけるITエンジニア・保育士・教師・看護師達で、資本家は企業のことを指す。
ITエンジニアも、それ以外の職業も労働者という括りで変わらない。

さて、基本的に労働者の報酬は、労働者がどんな価値の労働力を提供できるかで変わる。
もっと分かりやすく言えば、労働者が生み出した商品によって企業がどれだけ利益を得られたかで労働者の得られる報酬(賃金)は決まる。

保育士・教師・看護師は本当に資本主義か

一般的に仕事に対して報酬が見合っていないとされているこれらの職業は、本当に資本主義といえるのだろうか。

Xの投稿で例に挙げられていたこれらの職業の共通点は、どれも子供や病人といった経済において弱い立場の人々に提供するサービスであることだ。
日本という国では、これらのサービスにかかる料金を青天井にならないように国が定めている。

そのため、個々の労働者がどれだけ良いサービスを提供しようと、それで報酬が上がることはない。
資本主義では雇い主(資本家)が儲けられれば労働者の報酬も多くなるが、これらの職業で雇い主の利益が特段大きくなることはない。
何故なら国によって利益の天井が間接的に定められているからだ。

ITエンジニアが年収1000万を達成できるのは、そうではないからだ。
ITエンジニアが所属する企業の商売相手は経済的に強い立場である企業だし、良いサービス(この場合は他の人にない技術)を提供できるなら報酬は上がる。
そしてサービスの値段は国に制限されていない。

同じ資本主義の経済で動く社会で働く人間なのに、職業によってこんな違いが存在する。
これが社会のバグの正体である。

まとめ

一応noteらしい文字数にするためにごちゃごちゃ書いたが、簡潔にまとめておく。

下手すると人の命にも関わる保育士・教師・看護師が年収4~500万ではたらいていて、ただキーボード叩いているだけのITエンジニアが在宅で年収1000万な理由……

①サービスを提供する相手が経済的に弱い
②福祉という仕事の性質上、国に利益を制限されている

以上

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?