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食にまつわるエトセトラ

お寿司
職場で寿司をもらった。これぞまさに「棚からぼた寿司」である。
前日の夜、布団の中で「腹いっぱい寿司が食べたい」と十回位まあまあでかい声で神に祈った甲斐があった。願い事がこんなAmazon primeみたいな速さで叶うとは。
寿司は職場のみんなをご機嫌にした。今日は苦手なあの人の顔色を伺うことなんかしなくてよいのだ、と思うと心が軽くなった。
帰宅して夫に寿司を見せびらかした。夫は「おお…!寿司だ!よかったねぇ」と期待通りのリアクションをしてくれた。夫は回転寿司屋でバイトしているので寿司は見飽きているはずなのにこのリアクションったら。日本寿司デミー賞・助演男優賞をやりたい。
オズワルドでいうところのザコ寿司を夫にあげた。おいしそうに食べていたのでもう一貫あげようかと思ったが、思っただけだった。そんな寿司プライムデー。 

ミルフィーユ
娘が推しのお祝いのためにケーキを買いたいと言うので近所のケーキ屋さんに行った。
ケーキとシャンメリーを並べ、お祝いしているのを写真に撮り、SNSにアップするのだという。娘がどのケーキにするか悩んでいる間にわたしはいちごのミルフィーユを購入した。
家に帰ってミルフィーユを我が家で1番洒落た皿に移す。小さいフォークでサクッと切ろうと思い力をいれるが、崩れてしまいそうな予感がしてフォークを置いた。この美しい層がぐしゃぐしゃになるなんてそれはミルフィーユの終わりだ。うーん、それなら仕方ない。行儀が悪いが、右手で持って、がぶり。サクサクの生地。甘過ぎないカスタードクリーム。なんだこれ!うまい。
夢中で食べていると、隣で推しのケーキを撮影してる娘のから「もう!お母さん写りこんでる!」とクレームが入った。写真を見てみると大口を開けて素手でミルフィーユを掴み食らう、まるで進撃の巨人のようなわたしが写り込んでいた。優しい誰かミルフィーユを捕食せず食べる方法を教えてください。

ハトシ
休日、天気がよくて思い付きで夫と少し遠くの道の駅にいくことに。
なんかうまいもんはないかなーーとウロチョロしていたら、目に入ったのがハトシだった。ハトシは食パンにエビなどのすり身を挟んで揚げた食べ物だ。夫はハトシを初めて見たらしい。わたしは数年前に一度だけ食べたことがあった。なんとなく美味しかった記憶はあるが味そのものをハッキリ覚えているわけではない。
置かれているハトシをトングでビニール袋にいれてレジへ。ハトシは揚げてだったようで温かい。「ラッキーだね〜」と夫がほくほく顔をする。
車に乗りすぐさまハトシにかじりつく。うまい。うまいが、思ってたハトシとちがう。すり身の部分がとろとろでじゅるっとしている。前に食べたハトシはもっと「すり身です!!」って感じだったのに…。味はクラムチャウダーみたいでうまい。すごくうまい。でもあまりの汁汁しさにこれはもしかして生焼けじゃないか?と言う不安に襲われる。夫に「これ火通ってるよね?」と聞くと「大丈夫だと思う。熱々だったしね」と言われる。「だよね」と言いまたハトシにかじりつく。またも、じゅわーとなんかの汁が溢れ出すと同時に「ねえこれ生焼けじゃないよね?」という不安も脳みそからじゅわーと溢れ出す。
食べ終わったあと「今日わたしがお腹を壊したらハトシのせいだから。」と夫に謎の遺言を残したが、その後も全くお腹は壊さなかった。ハトシに濡れ衣?濡れ汁?を着せてしまい申し訳ない。心配性あるあるかも知れないが、食事の時くらいは不安になりたくないもんだ。

カルボナーラとオムライス
夫に「いい意味でさびれた喫茶店に行きたい」とリクエストした。着いたところはまさにそのような喫茶店だった。軋む椅子に座りメニュー表を開くと想像よりもはるかに多い品数に驚く。わたしがパスタのページでどれにしようか悩んでいると、夫は「俺、高菜ピラフにしよう!」と言った。先に決められたら自分も早く決めなくっちゃという気持ちになる。自分ではなかなか決めきれないので夫に「カルボナーラか明太子のクリームパスタ、どっちがいいと思う?」と聞くと「これ!」とカルボナーラを指さしたのでそうすることにした。
夫がにこやかに店員さんを呼びにこやかに「カルボナーラとオムライスをお願いします」と言った。オムライス?!高菜ピラフはどこへ行った?!なんだこの急な裏切りは?!わたしが千鳥だったら「ちょっとまてぇーぃ」ボタン連打してるぞ!?
夫は何事もなかったかのようにしているが、こちらは夫の人間性を激しく疑った。わたしに直接害があるわけではないけど、なんつーの?!?!
明太子のクリームパスタにしてやればよかった!!


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