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本の読めない読書好き

私は読書が大好きである。


大事なことなので強調してみた。本好きにも、好きなシリーズがいくつかありそれだけ年に数冊読むライトな人から、年間400冊読みます!みたいな圧倒的読書家、何度も同じ本を読んで自分の中で深めるその本のプロフェッショナルまで色々いると思うが、私は装丁を見て面白そうだと思ったらとりあえず買って読んでみる浅く広くなそこそこの読書家である。
とりあえずの気持ちで本を買うスピードに読む速度が伴わないため積読家ともいう。ちなみに今家にある積読は100冊ほどである。多い。自業自得である。

さて、今回はそんな私が一切本を読めなくなった話をしたい。

__原因はたったひとつ、集中力の欠如だ。

度々noteに書いているが、私は約2年前にうつ病になり、現在も闘病している。その症状の中に集中力の欠如があり、それが本が読めなくなった理由である。

集中力の欠如、といってもきっと想像しにくいので、少し具体的に説明する。ただ、うつ病の方が全員私と同じような症状を持つ訳ではもちろん無いので、あくまで私の場合だということは忘れないで欲しい。

本を開く。1行読む。設定を伝える場でもあるので情報量が多い。2行読む。やや頭がパンクしてくる。3行目を読む。もう読めない。単語は分かっても、内容として頭に入ってこないのである。
この感覚はきっと分からないと思うので、そんな方は自分にはやや難易度の高い外国語の文を思い浮かべて欲しい。いくつか単語は分かっても、文章全体の意味がわからないことは無いだろうか。そんな感じである。日本語なのに、そのくらい頭に入ってこない。文字情報は入ってくるけれど文脈として頭が組みたててくれないのである。
さて、もう一度2行目あたりから読んでみる。3行目はやっぱり読めない。その繰り返し。

こんな風に読もうとしても読めない体験だけが繰り返されて、本来なら楽しむためにする読書なのに、今度こそ、今度こそ読む、と気合いを入れないと本が開けなくなってしまった。その結果が100冊もの積読だ。あんなに好きだったのに、だんだん本からも手が遠のいている事実がある。

たまに、今もたくさん読んでいる友達に「○○のシリーズの最新刊読んだ?あれめっちゃ面白かったよ〜」とか言われる機会があるのだが、過去作面白かったなあ、読みたいな、でもやっぱり多分読めないなあ……となる。ちょっと辛い。今この文を読んでいるうつ病の方に、似たような症状を持つ方はいるだろうか……?なんだか私のリアルの周りは家族含め読書家ばっかりで、別に読めないことを馬鹿にしてくる人はいないが、私がなんだか悲しくなってしまう。早く治して読めるようになりたいな、なんてね。

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