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2022年アニメ総括

 それでは今年視聴したアニメの総括をしよう。
 まずは今年視聴したシリーズアニメ

2022年冬期アニメ

平家物語
明日ちゃんのセーラー服
アーケイン
地球外少年少女
鬼滅の刃 遊郭編
ジョジョの奇妙な冒険 第6部 ストーンオーシャン前半
進撃の巨人 ファイナルシーズン

2022年春期アニメ

阿波連さんははかれない
ルミナスウィッチーズ
RWBY ~ルビー~ 氷雪帝国

2022年夏期アニメ

メイドインアビス 烈日の黄金郷
リコリス・リコイル
スプリガン
BASTARD‼-暗黒の破壊神-

2022年秋期アニメ

サイバーパンク:エッジランナーズ
ジョジョの奇妙な冒険 第6部 ストーンオーシャン後半
ヤマノススメ Next Summer
ポプテピピック 2期
うる星やつら
チェンソーマン

 次は「今年視聴したアニメ映画」。今年視聴したアニメ映画なので、今年公開ではない作品も多数含まれている(というか今年発表の作品って2本だけ)。

劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 〔新編〕叛逆の物語
劇場版 SHIROBAKO
ドラえもん 新・のび太の日本誕生
ドラえもん のび太の月面探査
ドラえもん のび太の宝島
ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険
ドラえもん のび太の新恐竜
ドラえもん のび太の宇宙小戦争2021
劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン
バブル
ジョゼと虎と魚たち
天気の子
雨を告げる漂流団地

 ほぼ視聴した順番通り掲載。

 シリーズアニメは……見なくなったなぁ。最近はシリーズアニメに関してはこちらから積極的に情報を探しに行かなくなって、いつも見ているゲーム系メディアに紹介されていたら見るかも……という感じ。何をやっているのかよくわからないし、何が話題作なのかもよくわからない。
 積極的に情報を探したところで、発表作品の半分くらいはどうでもいい異世界転生ものなので、その時点で「見なくて良し」という判断をしてしまう。探しに行ったところでそこまで興味をひく作品がない……というのが個人的な問題で……。
 業界的にはそこは問題ではないのかな?


 とりあえず、このなかから今年1年のベストアニメを決めていこう。

ベストヒロイン

明日小径
  明日ちゃんのセーラー服

錦木千里&井ノ上たきな
  リコリス・リコイル

 今年のベストヒロインは明日小径と錦木千里&井ノ上たきなの3人。
 まず明日小径。とことん繊細なタッチで「美しい少女」の理想型を追った作品。今年1年で……どころがここ数年でもっとも少女を美しく描いた作品としても取り上げたい。世界観構築も美少女を描くために全てを費やされている。
 『リコリス・リコイル』の錦木千里&井ノ上たきなは今年もっとも注目されたコンビだ。制服のデザインがあまりにも見事で、制服の存在感だけでこの作品を特別なものにしている。アニメが放送終了してそこそこ時間が経っているが、いまだにTwitter上で『リコリス・リコイル』のコスプレを見かけるし、制服を着るだけでほぼ完成してしまう……というのは制服デザインがあまりにも良すぎるから。
 もちろんキャラクターも素晴らしい。キャラクターをどう描いたか……というよりかは2人の関係性の物語だ。2人の結束を美しく描いたからこそ、これだけ根強い人気の作品になったのだ。
 明日小径と錦木千里&井ノ上たきなからは「いかにして美しいものを描けるか」という描き手の意識の違いを見ることができる。正解は一つではないのだ。

ベストSF

サイバーパンク:エッジランナーズ

 あのゲーム『サイバーパンク』のアニメ化をまさかのTRIGGERが!? 内容を見ると、いかにもTRIGGERらしく、全力で暴れ回っている。とにかく痛快。ゲーム版のリアルスタイルとあまりにも違いすぎるのでは? と見る前は気になったが、見始めるともうこれしか考えられなくなる。とにかくも面白い。よくできている。アニメらしい柔らかさと硬質感がほどよく両立している良作。

ベスト冒険ファンタジー

メイドインアビス 烈日の黄金郷

スプリガン

 毎年たくさんのファンタジー作品が制作されるのだが、しかし真に「独創的だ」と言える作品は少ない(ほとんどのファンタジー作品はトールキン先生の出来の悪い模造品でしかない)。その中でも抜きん出た存在感を発揮するのは『メイドインアビス』だ。第2期『メイドインアビス』は地底に作られた「成れ果て村」の風景や環境を、「独創」と呼ぶしかないイメージで作り上げた。成れ果て村がいかにして生まれたか、その忌まわしき由来を語り、それが崩壊していく様まで徹底的に描き上げた。もはや現代漫画を代表するファンタジーだ。
 『スプリガン』は「独創的」というのではないが、伝承を現代の文明のなかでうまく解釈した作品。カビの生えたイメージに真新しい命を与え、それを痛快な冒険活劇に仕立て上げた。見終えた後に物足りなさはあるが、注目すべき一本なのは間違いない。

ベスト声優

悠木碧
 平家物語 びわ

久野美咲
 メイドインアビス イルミューイ&ファプタ

 今年も色んな作品でいろんな素晴らしい芝居を見てきたのだが、その中でもあまりにも強烈で印象に残った……といえばこの2人。悠木碧は『平家物語』で平安時代末期に歌われていた弾き語りを見事に再現してみせた。並大抵の実力ではまず無理な歌だ。それを見事に歌い上げた点で評価したい。
 『メイドインアビス』でファプタを演じた久野美咲は、もしかしたらキャリア最高の演技だったかも知れない。何もかも投げ出すかのような叫びで、成れ果て村への怒りを表現した。私は久野美咲の声の中に、間違いなくファプタの魂の叫びを聞いた。これは絶対に評価すべき仕事だ。

ベスト海外作品

アーケイン

 日本の作品の中にぽつんと入ってきたフランスのアニメ『アーケイン』。とんでもない傑作アニメである。いつまで日本のアニメが世界一だと思い込んでいるんだ? 『アーケイン』を見よ。玉座に座っているのはこの作品。いつの間にか日本は、海外アニメにその地位を蹴り落とされてしまった。日本、完全敗北を感じさせる恐るべき1本だ。

ベストシリーズアニメ

平家物語

 『平家物語』が放送・配信されたのは2022年初頭。しかしそのイメージは圧倒的で、ついにこの1年で『平家物語』を越える作品は現れなかった。今年1年のベストとは言わず、この数年の中でも独自の存在感を持つであろう作品。他と較べられない作品。私はしばらくこの作品を忘れることができない。

ベストアニメ映画

劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン

雨を告げる漂流団地

ジョゼと虎と魚たち

天気の子

ドラえもん のび太の新恐竜

 アニメ映画としてピックアップしたい作品は上の5作品。一応、私なりの順位で並べている。
 ベストワンは『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』。もともと「涙腺に優しくないアニメ」として一定の地位を確立していた作品の劇場版。テレビシリーズから続くストーリーをきっちり完結させている。もはや「名作映画」と言っても差し支えのない貫禄。
 『雨を告げる漂流団地』は一般評価が非常に低い作品だが、私は今年2位にあげたい。少年少女の「子供時代の終わり」と「団地という時代の終わり」を重ね合わせて、ノスタルジーたっぷりに描いている。テーマ性やストーリーをちゃんと評価されて欲しい作品だ。
 『ジョゼと虎と魚たち』は「アクションのボンズ」がラブロマンスを描いたらどうなるか。相変わらずとんでもないポテンシャルを見せつけてくれた。誰に見せても良い恋愛ドラマ。
 『天気の子』は興行収入100億円超えの大ヒット作だからもはや説明は不要だろう。それだけ稼ぐというだけあって、とにかくクオリティは高い。ただあまりにもエンタメに振りすぎて、説明不足な感が否めない。
 今年はなぜか『ドラえもん』映画を大量に観たのだが、その中で1本挙げるとしたら『ドラえもん のび太の新恐竜』。新時代の作家達が父たる藤子不二雄に挑戦した一本。その成果を称えたい。

 今年1年のアニメを私なりに総括すると以上のような感じになる。ベストシリーズアニメは『平家物語』で、ベスト劇場アニメは『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』。
 もちろん、ここに取り上げていない作品にも良作は一杯あった。『鬼滅の刃』は相変わらずパワフルな作画で、遊郭を舞台に鬼との戦いを描き上げた。アクション作画のキレ具合で言うと、今年1番といってもいいくらい。
 『ジョジョの奇妙な冒険』は数百年にわたるジョースター家とDIOの因縁に終止符を打った。そのクライマックスはなんともいえない後味。長く見続けてきただけに「終わってしまったな……」という寂しさが残る。
 『ヤマノススメ』は相変わらずお話しがないが、なにもなくても成立するように作られている。基本的な作画がしっかりしているから、ずっと見ていても苦にならない。いつ見てもキャラクターは可愛い。
 『地球外少年少女』はまったく取り上げられなかったが、出来が悪いわけではない。むしろクオリティは高い。ただ評価のポイントを見出しづらい。宇宙ステーションを舞台にした楽しい冒険活劇を展開させて、後半に入って哲学的なドラマを展開する。よくできているし、考えさせられる作品だった。ただストーリーで評価すべきか、SFとして評価すべきか、キャラクターで評価すべきか……となると難しい。どう評価すべきだろうか……と悩んだ挙げ句、どこにも入れられなかった。でも間違いなく良作だった……とは言っておきたい。

 今は年に数百本のアニメが制作され、発表されているので、私が見ているアニメはその中の数%程度でしかない。でも私としては「たくさん見る」ことよりも、「良い作品に出会えること」のほうが重要。少なくても私が観るべき作品に巡り会えたから、それで満足だ。特に『平家物語』『メイドインアビス』『明日ちゃんのセーラー服』の3作の存在感は大きい。これだけでも今年も充実したアニメ生活だった……といえる1年だった。来年も同じだけの感動をもたらす作品に出会えたらいいなと思う。


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