パルテナの鏡FC

3月17日 光神話パルテナの鏡 感想

 『光神話 パルテナの鏡』は1986年12月19日発売。ファミコンディスクシステムのタイトルである。

 もちろん作品タイトルは知っていたし、ファミ通の某漫画でネタにされていたのも見ていたけど、実際のゲームに触れるのは初めて。

 『パルテナの鏡』は2012年にニンテンドー3DSで桜井政博さんの手によってリメイクされている。こちらも結局プレイしないままになってしまったが、プロモーションで配信されていたアニメはかなり好きだった。
 あれは……いいおねショタだった。パルテナ様大好き(でもスマブラではさっぱり使いこなせない)。あの時代の男の子って、パンツ履いてないんだよね……にまにま(ピット君はスパッツを穿いていますが)。実に想像力を掻き立てられるおねショタである。

 さて、オリジナル作品である1986年の『パルテナの鏡』だが。
 縦スクロール・横スクロールを交互に切り替えるスタイルのアクションRPGだった。最初の1面は縦スクロール……ゴールを目指して上へ上へと登っていく(地底に落とされた主人公が、天上を目指して行く……というイメージかも知れない)。上スクロール型のアクションゲームはかなり珍しい。ただ、ジャンプをすると画面が上へ上昇してしまい、落下死亡の危険が高まってしまう(画面外に落下するとゲームオーバー)。下へはスクロールできないことが、ちょっとゲームの難易度を上昇させてしまっている。

  『パルテナの鏡』には少し成長要素がある。ステージクリアごとにライフの最大値が増えるし、道々でお金代わりのハートを集めて武器の購入ができる。また、「試練じゃ!」おじさんに稽古を付けてもらい、武器の強化ができるようになる。

 ちょっと珍しいテイストのゲームなのだが、難点は単調であること。ステージの構成や敵キャラクターのパターンがあまり多様ではない。似たようなステージに、同じ敵が繰り返し登場しすぎる。
 この辺り、RPG要素でハートの集めどころではあるのだが、ゲームとしての単調さは悪い点として目に付いてしまう。『スーパーマリオ』であるような緊張と緩和のバランスが感じられない。
 上へ上へスクロールしていくのだが、絵で展開していくものがなにもない。というより、絵のパターン自体少ないように感じられる。この時代のゲームってこんな感じだったかな……と思わされる。

 またあまりにも説明不足なところもあって、セレクトで武器チェンジ、ハンマーで彫像を叩くと仲間が現れる……という要素は中盤まで気付かなかった。
 ハンマーで彫像を叩く……これに気付いたのは2-4あたりだったような気がする。気付いて仲間を解放したものの、これが弱い! ボス戦で協力してくれるがあっという間にやられてしまう。ダメージはほとんど削ってない。いる意味あるのだろうか……。
 これはゲーム後半戦に向けて、ハンマーを温存すべきでは、と考え、結局大量のハンマーを温存したままゲームクリアまで進んでしまった。最終ステージがどこなのか把握していなかった。
 色んなアイテムを手に入れることはできるのだが、手に入れたものの使い方がわからない……最後までわからないままだった、というアイテムがいくつかある(あの樽は何に使うものだったのだろう……高額だったのに)。説明する場面があってもよかったのだが。

 不思議なところもあって、なすびを放り投げてくる「なすび使い」(なすびを喰らうと、攻撃が封じられてしまう)、やたらと主張の強すぎる死神。コミカルなところは良いのだがバランスが悪い。悪目立ちして、奇妙さが目立ってしまっている。
 現代のように、もっと絵やイメージが自由に使える時代ならコミカルな要素が活きていたと思うが、この時代だとただ悪目立ちするだけ。全体的な絵の単調さの中で変な感じに目立ってしまっている。

  1-4、2-4、3-4ではステージの構成は一転してダンジョン形式になる。これがかなり難易度が高くて……。なにしろ似たようなマップが延々続くから、全体像が掴めない。途中で地図や鉛筆(ゼルダでいうところのコンパスのような役割)などが手に入るのだが、それらが手に入るタイミングが遅い。やっと手に入れた……と思ったら間もなくボス、というパターンが結構あった。
 やっぱり絵の展開が単調で、頭の中でどこに回復ゾーン(温泉)があったのか、アイテム屋がどこなのか、前ステージで見かけた地形と全く同じものも結構混ざっているし、似たような絵の繰り返しで全体イメージがまったく掴めない。ボス部屋は前触れのようなものは何もなく突然来る。もう少し探索していたかったのに、ボス戦前に準備したかったのに、というのは受け付けてくれない。
 ダンジョンは探索が楽しいものだが、この絵だとむしろ苦痛。早く脱出したくて、這い回る……そういう感じだった。

 『パルテナの鏡』をやりながら、この時代のゲームってこんな感じだったかな……。とにかくも絵の展開が単調。ステージの構成も単調。ファミコン時代に脳内補正しても、満足いかないボリューム感。

 Wikipediaを見て初めて知るのだが、海外では続編が出ていて、根強い人気があって、それが3DSの新作に繋がった……と。そうだったのか。日本で出ていない続編があるって、不思議な気がする。

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