妖怪ウォッチ_孤独のグルメyoukai-watch-20141003-10

12月7日 ギャグ漫画が一番楽しめるのって、実はオッサンだよな……という話。

 子供の頃――。
 子供の多くはギャグ漫画が好きだし、私も大好きだったのだけど、子供の当時ギャグ漫画の全てがわかっていたわけではなくて……。というか、実を言うと半分以上はギャグの意味がわかってなかった。大人になって漫画を読み返して、「あ、そういうことだったのか」と気付く。

 大人になってからその理由がわかったのだけど、ギャグ漫画がチョイスするネタはだいたいその漫画家が子供の頃、思春期のころ好きだったものから作られていることが多い。大人になってから改めてギャグ漫画を読み返してみると、ものすごく古い女優さんがネタに扱われていたりして……。こりゃ子供がわかるわけないわ。
 でもギャグ漫画ってそういうものだよな……。ギャグ漫画に限らず、創作の源泉はその作家の子供時代や思春期に触れたものが一番大きい。みんな自分が影響を受けたものの再現をやりたがる。要するに、ギャグのチョイスがオジサンなの。

  何年か前にアニメ『妖怪ウォッチ』で『孤独のグルメ』パロディやっていた回があって話題になっていたが、あれ、絶対子供わかってないぞ。もしかしたらネットでさんざんコピペされているから、『孤独のグルメ』という作品自体は知っているかもしれないけど。あの味わいは大人になってからじゃないとわからない。
 そのついでに『妖怪ウォッチ』のアニメを見ていたけど、これがなかなか面白くて。一見すると子供向けに作られているように見えるけど、子供向けという皮を被って大人が好き勝手遊び倒すアニメだと認識した。
(それで思ったのは『妖怪ウォッチ』は完結から10年くらいでまたリバイバルするだろうな……ということ。まだシリーズ完結していないけど。リアルタイムで夢中になっていた子供が大人になって、改めて見てギャグの本当の意味を知って面白さを再認識する……そういうタイミングが来るんじゃないかと)

 一見子供向けに思えて……というのは『妖怪ウォッチ』だけに関わらず、だいたいのギャグ漫画はそうじゃないかな。オジサンにしかわからないネタ満載。そういうものがどういうわけか子供向けに提供されている。

 常々思っていることだが、『銀魂』の空知英秋は絶対に私と同世代だ。『銀魂』はネタの作りが「これ本当に大衆受けするのか?」というくらいピンポイントなものばかりで……例えば「ファミコンの借りパク」話とか、私は自身の体験も加味してストライクゾーンだったが、そもそもファミコン世代ですらない人達はどう感じたのやら……。『銀魂』のすごいところは、ネタの作りが超ニッチなのに関わらず、大衆受けしているところ。ニッチの中でも針に糸を通すくらいのニッチ。でもあんなに若い世代に支持されている。どういうこっちゃ。

 それで思うのは、ギャグ漫画が本当に楽しいのは子供じゃなくて実は大人。さらに言うと、同世代が描いたギャグ漫画が一番面白い。
 「ギャグ漫画なんて大人が読むものじゃありません」……とか言わずに。大人こそギャグ漫画を読もうじゃないか。

 それでも「よくわからないけど笑える」。ちゃんと子供でも笑えるものでなければ、ギャグ漫画として本当じゃないんだろうなぁ。

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