4月6日 「甘え」が許されない時代

 「甘え」ですか……。

 悩みを書いたら「甘え」、不安に思っていることを書いたら「甘え」と罵られる。Twitterなんかで悩みや不安を書いたら、「甘えるな」と間違いなく罵倒されるし、「かまってちゃんアピールかよ」とか言われる。そうではなくても、「不安や悩みはどこにも書くな」という意見を持つ人は非常に多い。
 だから、普段から「悩みも不安もありませんよ~」みたいに振る舞わなくちゃいけない。そんな人間などいるはずないだろうに。

 他人の悩みや不安を受け入れられないくせに、自分の悩みや不安は受け入れろという人はたくさんいる。それは1つには「人間が小さくなっている」ということと、もう1つは「感情移入の能力ができなくなっている」ということ。人としての器が小さい……小さくなっている。

 「感情移入ができない」のは映画『ブレードランナー』に出てくるレプリカントの特徴とされているが、感情移入できない人は普遍的にいる。
 他人を心配したり、悩みを共有したり、あるいは他人の成功を喜んだり……。これができない人はたくさんいる。全て自分の利益があるかないか……この発想しか持てない人も、普遍的にいる(そして、自分が感情移入できないタイプの人間だと、気付いていない。それどころか、なぜかこう人に限って、「自分は回りより頭が良い・理知的なタイプ」と思い込んでいる)。
 そんなふうに感情移入することを「忖度する」と解釈しちゃう人も今はいるかもね。
(単に、「悩み」や「不安」という感情を持つほどの知性がないだけかも知れない)

 今は「甘えだ!」と強く出られるほうが勝ち組と思われている。そう思って言っている人は多い。でも勝てる人間だけで世の中の全ては構成されているわけではない。勝っているつもりがいつの間にかヘイトをたっぷり集めていて、足下をすくわれる……ということのないように。

 Twitterではとりあえず弱っている人に対してマウントをかけて「勝った!!」と思い込んでいる人一杯いるけども。目の前の勝負には勝ったかも知れないけど、人生では負けだよ。ただのクズですって明かしているだけだから。

 「甘えだ!」と平気で言える人のほうが出世しやすいという事実はあるけども。そういう人に上に立って欲しくないなぁ。

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