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8月8日 頑なにデザインを変更しないNintendo Switchの問題

AUTOMATON:Nintendo Switchのeショップの「機能性」をめぐる議論が、販売者の指摘により再び勃発。シンプルなままか、それとも多機能化希望か

 うん、気にはなるよね。

 Nintendo Switchを買って最初に起動したとき、あの画面が出てくるわけだけど……。ゲームタイトルのアイコンがでっかく出てくるあの画面。 あれを見て、

「あ、これは“初期バージョン”ってやつだな。そのうちアップデートでもうちょっと見栄えがよくなるだろう」

 と考えていた。
 例えば2段組、3段組にしたり、カテゴリ分けにしたり、そういうのができるんだと思っていた。
 あれから4年……。まさかの一回もレイアウト変更なし
 “まさかの”だわな。あのデザインがそこまでの自信作なのか、何か別の理由があるのか……。頑なに「変えない」理由は何なんだろう?

 さて、今回はeショップの話。

 Nintendo Switch発売初期の頃はソフト数も少なく、Switchでインディーズゲームを出したらめちゃくちゃ売れた! PC、PS4、Xboxを合算したものよりも遙かに売れた! みたいなサクセスニュースが一杯あった。
 今でもSwitchはインディーズと非常に相性がいいらしく、どのプラットフォームで出すよりもSwitchで出したほうが一番売れるという評判はある。
 私もSwitchとインディーズは相性がいいと感じていて、時々買ったりする。場所を選ばずどこでも遊べるというコンセプトのハードデザインと、小さくまとめられたインディーズゲームはお互いにとって相応しい場所のように感じられる。PCやPS4よりもSwitchでインディーズを遊びたい、という気すらしてしまう。

 しかし今やSwitchタイトルは非常に多い。大手ゲーム会社が発売する新作ゲーム、古典作品のリバイバル、リメイクも非常に多い。そのうえにインディーズゲームも加わって、意味がわからないくらいソフト数は多くなってしまった。
 問題なのは今のSwitch内のeショップは、ソフトが多くなりすぎた現状に対応していないこと。eショップは発売が近くなったソフトとランキングに載るソフトは画面に表示されるが、それ以外の多くのソフトがユーザーの目に付くことなくどこかにこぼれ落ちてしまう。
 私も「そういえばあのゲームは……」とおぼろげに覚えている画面イメージやジャンルでタイトルを探そうとしたら、ぜんぜん見つからず苦労した、という思い出がある。埋もれてしまったら埋もれっぱなしになってしまう、というのがeショップの現状だ。そこそこ話題になったゲームですら、後で探そうと思ったら、かなり大変なことになってしまう。

 また多くの人が指摘するように、キュレーションシステムがほとんどないに等しい。面白い作品があったとしても、忘れられやすく、埋もれやすい。タイトルを探してみても、eショップの紹介だけではどんなゲームがいまいちイメージがつかみにくい(動画すらない作品も結構あるしね)。注目されようと思ったら、よほど奇をてらったり、広告に予算を掛けなければならなくなったりと、インディーズなのに大予算で本末転倒になってしまう。
 結局のところ、大手ゲーム会社が発売する注目作がその上に君臨してしまうから、インディーズゲームはその光の影に隠れてしまう。

 それでeショップのほうもやっぱり頑なにデザインを変更しない。ここまで頑なに変更しない理由はいったい何なんだろう? Steamなんて頻繁に変更を繰り返し、より良い形を模索し続けているのに(失敗も多いけど)。eショップはその以前の話として何もしない。

 私としてはまず検索をしやすく。引っ掛かるフックの数を増やして欲しい。タグでもなんでもいいだろう、とにかくフックを増やして欲しい。
 キュレーションについてはeショップの中ではなく外へ。今でも任天堂が『Hello! Indie World』というものを運営しているけど、あれはもっと拡大してもいいだろう。例えば人気のゲーム実況配信者と契約を持ち、ゲーム紹介をしてもらう。発売後のゲームでも、もう一度ゲームプレイ実況なんかでスポットライトを当ててもいいだろう。
(今みたいな出版不況の時代じゃなかったら、インディーズゲームオンリーのゲーム雑誌なんかあり得ただろう。作品点数は非常に多いのだから、月刊誌を作れるだけのボリュームは出せる。今みたいな時代じゃなかったらなぁ……)
  ランキングに載るような注目作だけを盛り上げるのではなく、ソフト全体の売り上げを底上げする。そうしたほうが誰にとっても利益にある。作り手にとってもみんなが潤うほうが良いし、ユーザーにとっても面白いゲームと出会えるわけだから得をする。だから一部だけが売れるより、全体が売れたほうがいい。その方向にどうにか持って行けるよう、とにかくも“変えない”ではなく、もう一工夫がいるんじゃないだろうか。


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