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オリンピック開会式チームから椎名林檎さん、MIKIKOさんが外れた理由と日本の課題

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東京オリンピック問題にみる日本の問題点

2015-2019年:刑事問題
2020-2021年:人権問題

東京オリンピックに関する問題を大まかに分けると、2つのフェーズに分類できる。

2015-2019年の前半においては、ザハ・ハディド案では「見積もり書作成能力」の欠如。佐藤研二郎氏は「模倣力」の欠如。JOC会長は「透明性のあるロビー活動」の認識欠如。
いずれも、社会的に基本とされる能力の欠如が問題の原因だった。

人権を軽視した問題が立て続けに起きる

しかし2020年、新型コロナによる延期発表から「今の日本」を象徴する新たなフェーズに入る。

まず、延長に伴う会場維持費やコロナ対策により2940億円増え、総額1兆6440億円に膨らんだ。それに付随した予算削減の動きから歯車が狂いだし、森前会長、佐々木宏氏ら権力者による人権・ジェンダー問題が社会的な運動にまで発展した。

彼らシニア世代は、昭和の重工業中心経済を血と汗を流して戦ってきた。その中で培ってきた”社会人として基礎”は、(人類史上稀に見る変化に取り残され)令和の今となっては社会に不必要なものとなってしまった。経済効率の点からも女性の社会進出・夫婦共働きが求められダイバーシティが社会的成長に必要となり、ホモソーシャル社会の解体が必要となっている。

これは「女性を大切に」なんて流暢な話ではない。私達のライフラインであるグローバル経済社会において非効率・不必要であるから徹底的に淘汰しなければならない問題だ。

才能ある若者がシニアの政治に潰される日本

そもそもこの問題を調べ始めたのは、2016年8月のリオ五輪閉会式で披露された東京大会プレゼンテーションに「クリエーティブスーパーバイザー/音楽監督」として参加した椎名林檎氏も参加するチームが解散に追い込まれたとの発表に何かしらの疑念を感じたことに端を発する。

開会式は、(これまでの視聴率によると)世界の総人口の約半数にあたる36億人に、日本のイメージがついてしまう象徴的なモメンタムである。椎名林檎氏、MIKIKO氏らが集った新進気鋭のメンバーの野村萬斎氏が率いるチームが開会式に、必要であった。

コロナが起きなければこのチームで、椎名氏が言うところの「媚びないおもてなし」が実現するはずだった。

しかし、資金難による「簡素化」の一声で、これまで張っていた糸が切れたようにチームが崩壊した。状況から察するに、資金難は崩壊のきっかけに過ぎず、内部では上記で述べた問題が起きていたのではないだろうか。

私には、才能ある若者が、シニアの”政治”につぶされ、まるで日本の縮図を見ているように感じられた。

今の日本社会における課題

前チームのMIKIKO案は、リハーサル寸前まで進められており、完成形に近いものだった。総勢500人に及ぶスタッフやキャストらとも、本番に向けて契約を結んでいたという。五輪延期が発表された後、佐々木氏や電通からの連絡は一切なく、新体制が公表された。

その後御存知の通り、佐々木氏の渡辺直美氏へのセクハラ発言問題により退任。輪をかけたように小山田圭吾氏と小林賢太郎氏が過去の人権問題が発端となり解任され、結果として、電通の元に投げ返えされ、責任者不在の即席チームとなった。

コロナ後における、一連の問題は、昭和の習慣から変化することができなかった日本の問題が、(国際的な場であるからこそ)表面化、社会問題化したのではないのではないだろうか。

急速な変化が求められる情報時代、グローバル経済に加担している日本の企業・コミュニティがあらゆるレベルで直面している問題であるからこそ、不必要な習慣・システムの早急な立て直しが必要だ。


< 引用・参考資料 >

<あとがき>

調べるほどに、以降の椎名林檎氏の作品には、この問題に立ち向かう歌詞が多くの発表曲に散りばめられていることが伺えました。様々な葛藤に、椎名氏がアーティストとしてこの問題をどう消化しようとしているのかが伺えるアルバムとなっているため、ぜひ「三毒史(2019年5月以降発表の曲)」と「音楽」をぜひ拝聴していただきたいです。

ちなみに昨日拝見した開会式の(椎名氏とも縁の深い)児玉裕一氏が監督されたセクションは、とても素敵でした。本当にお疲れ様でした。

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