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RADWIMPS「Tummy」 お母さんのおなかはどうでした? 僕が見れない景色はどうでした?

2013年12月11日にリリースされたRADWIMPSの「×と○と罪と(ばつとまるとつみと)」の13曲目にある「Tummy」。この曲がめちゃくちゃ好きだ。

このアルバムには「会心の一撃」「アイアンバイブル」「実況中継」と高い攻撃力を誇る強力な曲がずらりと並んでいるんだけど、この「Tummy」の破壊力は、とんでもない。作詞作曲はもちろん、野田洋次郎さん。なんで、こんな見事な歌詞を書けるんだろうねえ。すごいねえ。

Tummyは、ある父親が、自分の息子への愛、妻への愛を歌った曲。
この表現でいいのかなあ。たぶん、これでは不十分なので、具体的な歌詞を一部、見ていきます。

「今から宣戦布告 2人の子どもにきっと僕 嫉妬すんだよ
きっとそうだよ ああ もう想像つく
君と血がつながっているなんて なんて羨ましいやつだって
大人げなんてこれっぽっちもなく 耐えられなくなって頰ぬらす」

2人ってのは、「僕と君」のことですね。父親が母親に向かって、こんなことを言ってるんだ。こんな光景が展開されてたらとっても微笑ましい。

「根掘り葉掘り生まれて間もない その子に僕は尋ねてみたい
お母さんのおなかはどうでした 僕が見れない景色はどうでした
さぞ素晴らしい さぞ美しい 十月十日の度だったんだろう
僕よりも彼女を知っている 君がうれしくて どこか悔しくて」

ああ、とってもいい詩ですね。赤ちゃんに、本当に聞いてみるのかしら?

サビは英語歌詞なんだけど、英語部分もめちゃくちゃいいんよねえ。

「負けてばかりもいられない よちよち歩きもおぼつかない
我が子だろうとそこは手抜けない さあさあ正々堂々と男の勝負を
子守歌なんてもんも 読み聞かせるような本も
あなたには必要ない おとぎ話はいらない」

子どもは男の子だって、ここで判明しましたね。
まるで、駄々をこねているようなお父さん。なんだかかわいい。
ここまでは、子への対抗心みたいなものを歌っている。

ここから先は妻への愛情を歌います。「ああ、こんな風に愛を語ることができるんだ」という驚きでいっぱいです。

「この世のどこにもない物語 俺の人生を時に粉々にしたり 引っかき回してみたり まぶしすぎるってくらいキラッキラにしてくれたり
出逢うまでの俺の日々をただの予告編に 
全部独り占めにしたがりのママの作戦にまんまと俺はかかったんだよ
いつか君も分かるよ 全部使ったんだよ 一生の運を あのとききっと 一生分ギュッと 詰めてもやっと いけるか行けないかくらいのラッキーの使い道と使いどころを知ってたんだ」

パートナーとの出会いをこう歌うんだ。なんとも・・・。ド直球なのに美しい。

英語のサビ部分では、息子へのエールとか、パートナーへの愛を表現している。
心が震えるほど感動的なので、皆さん、訳して堪能してみてください。

すんごい曲をつくるものだと、本当に驚きました。

2022年9月9日 トラジロウ

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