米津玄師「アイネクライネ」 いつか来るお別れを育てて歩く
米津玄師さんのセカンドアルバム「YANKEE」の4曲目。
2014年ごろ、米津さんを知るきっかけになったのが「アイネクライネ」だ。
息子が「ラブソングなのに、『別れを育てて歩く』って歌っているのがすごい」って紹介してくれて、「おっ!なんか聞いてみたい」と思ったのがきっかけだった。
序盤は、ロックテイストは少なめのイメージがありますが、サビあたりにいくと、さまざまな楽器が参加して、盛り上がっていく。
歌詞は、確かにすごかった。
語句の選択、音の流れ、文章の美しさ、どれを取ってもほかにない。圧倒される。
「あたし」という一人称を使うってことは女の子視点っぽいなと想像できるけど、女性って、こんなに卑屈に恋愛するものなのだろうか・・・。
ん?どういう意味なんだろう。どんな秘密があるんだろうね。
サビは
男女で、こんなに幸福感にあふれた瞬間って、どれほどあるのかしら?男女で想定すると、なんだか違和感があるなあ・・・。
noteで米津さんの曲レビューをいくつか書いてきて、「あたしはゆうれい」「トイパトリオット」でも感じたんだけど・・・。
「アイネクライネ」って、母親が息子に向けて歌っている歌詞ではないかしら?
ふと、そんな風に思ってきた。
「あたしの名前を呼んでくれた」あたりは、息子は母親を名前では呼ばないよなあ・・・とは思うけど。「ママ」って呼んでくれたことを、名前と表現しているとか。
ある若い母親が「この子が将来、巣立っていくことを考えるだけで泣きそうになる」と涙目で話しているのを聞いたことがある。私は全く共感できなかったんだけど、母親は、10カ月間も自分のおなかで育てており、子どもとのきずな、関係性は、父親には分からない強さがあるのだろうね。
「母親の息子に対する思い」だとして、歌詞を全部聴いてみると、若干、違和感がある部分もあるけど、なんとか矛盾なく進んでいける。
もちろん、「卑屈すぎる女の子の恋する相手への純粋な思い」として聞いても、意味は十分通じるんだよね。
1.謙虚すぎる女の子が恋する相手と出会えた喜びと不安を歌った曲
2.母親が生まれたばかりの男の子への喜びと不安を歌った曲
どちらでも、それぞれの立場の人であれば、圧倒的に共感できる歌詞なのではないかと想像してしまいます。
母親視点としても受け取れる歌詞が多い米津さんって、何者なの?
謎が多くて、とても魅力的なアーティストですね。
2022年9月2日 トラジロウ
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