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スピッツ「おっぱい」 君のおっぱいは世界一

なんという曲だ・・・。この曲があの美しいロビンソンやチェリーを生み出した草野さんの作品とは当初は思えなかった。

サビは

「君のおっぱいは世界一
君のおっぱいは世界一
もうこれ以上の 生きることの喜びなんかいらない
あしたもここで君と会えたらいいな」

です。

先にロビンソン以降のスピッツを聴いてから、「花鳥風月」に戻ってきたファンはびっくりするだろうね。

まさに自分がそうで、「ええっ???」ってなった。

草野さんがその答えの一端を別の曲で明かしている。
曲「醒めない」は50歳になった今でも、ロックに出合ったときの衝撃は全然忘れないし、「さらに育てるつもり」とつづっている。
その歌詞の中に、こんな表現がある。
「カリスマの服真似た 忘れてしまいたい青い日々」
これは、パンクロックのカリスマの服装を真似ていた自分自身の恥ずかしさみたいなものを歌っているのだと想像されます。


こんなことを言っては非常に失礼かもしれませんが、この「おっぱい」。ザ・ブルーハーツの曲調にどこか似ている部分がありませんか?少なくとも、2000年代以降のスピッツの曲とは雰囲気が全く違っているように感じます。
この曲は花鳥風月(1999年リリース)に収録されていますが、もともとインディーズ盤の「ヒバリのこころ」に収録されていたらしく(私は持っていません。ヤフオクで調べたら8万円とかの設定で出品されています・・・)、かなり初期の曲だと言えそうです。

メタファーだらけで、つかみどころがないのにもかかわらず、聞き手の胸にグッとくる現在のスピッツスタイルからは想像もできないほどの曲なんです、「おっぱい」は。

途中にも性的な行為を感じさせるような表現がいくつか。

「痛みのない時間が来て 涙をなめ合った」
「僕は君の身体中に泥をぬりたくった」

うーん。どうでしょうか?

若き日の草野さんの逡巡を感じられる一曲なのかもしれません。

2022年7月6日 トラジロウ

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