利他性の低い飲食店

利他性の低い飲食店経営

たばこを吸う料理人がいる飲食店には行くな!

料理人がタバコを吸う。飲食業に従事するスタッフ、もちろん経営者も含めて、たばこを吸うことはありえません。
こんな美意識に欠ける料理人・飲食人が顧客の食欲を満たそうなんて、プロフェッショナルな仕事を放棄している人なんだろうなと思います。

料理人を育成する学校はタバコを吸うのであれば、入学させない。タバコを吸う人には調理師免許は与えない。ぐらいの事が、あっても良い。
そもそも味覚は嗅覚に依存している事を料理に携わっていれば知っているはずです。

風邪をひくと粘膜に炎症が起きます。鼻の粘膜も、もちろん炎症を起こしています。風邪引きのときは味が分かりにくい経験が、皆さんにもあるはずです。

タバコは嗅覚を鈍くするので、鋭敏な味覚を殺すのです。


NHKドキュメンタリー「奇跡のレッスン」
世界の一流指導者が、日本の子供に一週間特別な指導をする様子を密着した番組の料理編の中で、世界中の食通をうならせているスペインのサンセバスチャンのシェフ、アンドニ・ルイス・アドゥリスさんが石川県で料理の道を志す高校生達に指導します。

レッスンは「五感を刺激して驚きの一皿を」
その五感とは。
・味覚、視覚、聴覚、触覚そして嗅覚。
それに第六感を加えて、それぞれの感覚を教えていました。
それらは以下の通りです。

●味覚・・・他国の料理を知らずに、どうやって自分の国の料理を食べてもらえるのか?その国の料理を食べるということは、その国の人や文化を受け入れること。味覚をオープンにして、食べたことのないものを知って味覚の幅を広げる。
●視覚・・・頭で考えている思い込みを裏切る。一見お肉に見えるスイカや、殻まで食べられる卵など、アンドニさんのレストランではお客様に驚きを感じてもらえるように日々研究している。
●嗅覚・・・鼻なしで料理はできるのか?5つの違う香りを混ぜて実験する。一つ一つは違う香りでも合わさることによって素晴らしいハーモニーが生まれる。
●聴覚・・・アンドニさんは、中が空洞のメレンゲにエビなどを入れて焼き、手に取った時に赤ちゃんのガラガラのような音がでる料理を考案。
●触覚・・・聴覚と結びついている。シャキシャキと噛む音が楽しいと感じる。口はどこから始まっているのか?答えは食べ物を手に取った瞬間から始まる。口に運ぶ前に人はその料理をイメージし、味わい最後は脳に記憶される。
●第六感・・・歴史の味。食材の背景を知る。”いしる”という石川県に伝わる魚醤作りを見学に行く。ただ買った魚を調理するだけでなく、漁師さんのこと、伝統、作り方など、自分の目で見て歴史を学ぶ。料理を作るアイデアにつながる。

嗅覚では、鼻なしで料理ができるのかと生徒達の鼻をつまんで袋に入れられたスパイスを嗅がせたり、口に入れて、何が入っているのかを当てさせたりします。しかし、嗅覚を使えない生徒達は何が入っているのか解らず苦戦します。

一流シェフだから、このようにこだわりを持つのでしょうか。

アンドニ・ルイス・アドゥリスさんは「料理は芸術、知識と想像力を持って、毎日つくり続けることで良くなっていくもの。好奇心を持ち、世界中の料理を食べ、料理やその土地の歴史も学びなさい」と高校生達に教えます。

彼が教えたいのは実践知と美意識という感性と哲学です。

感性工学では感性を英語にすると「Taste」がもっとも相応しいと言っています。Tasteは味を意味する心地を表現していて、感性とは心地という「ゆらぎ」であるという見解です。

ソムリエがワインの評価をする時の表現を聞いたことありますか。

・アタック(口に含んだ第一印象)
・甘味(甘味・果実味の程度、アルコールのボリューム感)
・苦味(苦みの強弱、質)
・フレーバー(ワインの香味・風味、果実味)
・ボディ(ワインの重み、コク)
・余韻(ワインの香味がとどまる時間、持続性)

上記の8つの要素で味わいを表現し、さらに嗅覚や触覚なども使った表現をするのが特徴です。
そして、テイスティングコメントから、ワインの産地や気候風土、ワインのポテンシャル、ワインそのものの価値まで推測できるように表現していくのです。

飲食業というのは、人が心地よいと感じる知覚価値をデザインして提供する商いなのだと飲食に関わる人すべてが知っていてほしい。

2020年4月から飲食店やオフィス、公共交通機関などでは、受動喫煙防止のため原則屋内禁煙となります。
当店は、2012年の店舗改装後より完全禁煙(以前は分煙)です。
また、喫煙者を雇用しません。3次喫煙を防ぐためです。

利潤や儲けを表す「利益(りえき)」の語源は禅語の「利益(りやく)」からです。他人を益する、利他の精神があれば自利も生まれるということを指しています。

我々、飲食業に従事する者が生業を立て、利益を出し、長期に渡って儲かるように商売をやっていくには「りやく」が必要です。

タバコを吸う料理人というのは、自由と好き勝手の違いが解らない人と言って良いでしょう。好き勝手する人に利他も自利も生まれません。
当然、儲かるはずも無いわけです。






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