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From the Cradle To the Battleyard〜揺り籠から戦場まで

第一話 争いの果て Because of the war.
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俺たちは上手くやった 幸せな人生だったな

さぁ

今度は俺たちを子孫の為に捧げるんだ。

「第421班、突撃ーーー!」


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第一話


「以上、ここに新・戦時国際法を定めます。」


(拍 手)



…75年前、
西暦2045年(令和27年)、世界G13 (主要13ヶ国首脳会議)のリーダー達の満場一致により新しい世界の秩序が生まれた。

「全ての紛争、戦争及びいかなる戦闘行為においても65歳未満の人間を、それに従事させてはならない。」


…また少し遡る事21世紀初頭、
超印霖爆殺事件に起因した
中国義勇軍の台湾への侵攻が始まった。

米欧日豪連合国が台湾友軍として参戦した
第三次世界大戦の開戦である。

大戦はほぼ3年に渡った。
核は最後まで使用されなかったが、
最初の1年間のA Iドローンによる世界都市への絨毯爆撃とその報復、また戦争中期に激しさを極めた双方の肉弾戦が五大陸中で繰り広げられた。
まるでギャンブルにボロ負けしているかの様な世界規模の恐ろしい人口激減が始まった。
決着も善悪も付かぬまま人類は自滅の道を全力疾走していた。

そして休戦協定が締結された年の世界総人口は20億人を切っていた。

それは大戦前の1/4以下であった。

これは不味い。
先史から続く人類の慣習を今こそ見直さなくてはいけない。

皆そう思ったが、
結局、民族闘争の様に戦争無くしては解決できない問題もあるのだ。

ーそして先に述べた、戦後初のG13(主要13ヶ国首脳会議)が開催され、そこで遂に折衷的軍事協定というものが発案された。

それが、

新・戦時国際法(C.T.B法)
 “From the Cradle To the Battleyard”
  (揺り籠から戦場まで。)


である。

戦争という若者を失うだけの人類の愚策を止め、65歳以上の高齢者のみを戦場に送る仕組みだ。

第一に若年層と世界総人口の短期での増加と
第二に新しい変化と技術にスピーディに順応、追従出来る社会作り、
そして暗には超高齢化社会における年金受給者の削減の意図が含まれていた。

初見では無謀で無茶な法案だったが、既に世界は平時とは呼べない状況であり人類は本気で変化を取り入れるべき時にあった。
自分達の民族、否、全ては人類全体の絶滅を防ぐ為なのだ。


もちろん各国の高齢の政治家とその支持者層からはきわめて強い反発が起こったが、
それは世界中の若きトリリオネアたちが団結し、強大な財政力と脅迫的な根回しをもって沈静化させていった。

もちろんルールは絶対であるべきで、
それにはスケープゴート(生 贄)が必要だ。

そこで彼等は特殊情報部隊を使い世界の無法国North Koreaを

「C.T.B法を軽視し、20代の戦士を育成している。」

との偽情報を流した。
ロシアと中国そしてアメリカは激怒し、一晩に数千発の弾道ミサイルを“ならず者国家”に向けて打ち込んだ。集中攻撃を浴びた平壌は地図から消え、金一族は滅亡した。

この強烈なメッセージによりC.T.B法は完全な世界の領土問題のニューノーマルになったのだ…

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…ここで一旦休もう。余り長い時間アップロードしてS.W.F(スペシャル・ウェブ・フォース)に見つかってしまっては不味いし、君達も…ショックが大きいかも知れないのでね…だがこれがこれから君の世界が経験する事の概要だ。内容を消化してどうか気持ちを落ち着かせて理解して欲しい。

なぜなら物語は始まったばかりなのだから…。




2136年5月22日

東京都リトルマンハッタン区
-Star Buccus Beers にて。

著者

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