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ミュージカル作品紹介vol.12/サンセット大通り

「外出自粛」って世間はどの程度実施して「頑張っている」と言っているのでしょう?

出勤をしなければならない、介護の必要がある、とかやむを得ない事情がある限り制限することは出来ないと思いつつ、私はこんな疑問を持ってしまった。

と言うのも、昨日のオンラインミーティングで会社の人から「このままだと心が病んでしまいそう」という言葉があったので、「そうですよね、週二回の買い物くらいしか外出ないですもんね」と同調したら、みんなから「え!?」と言われた。

要はみんなほぼ毎日買い物に行っているということだった。

家族の人数が多いとかであれば、冷蔵庫のキャパもあるし買い物に行く頻度が高くなるのは分かる。でも発言した人たちは我が家と同じ家族構成であるため、心の中で「(充分外出てるやん、、)」と思ってしまった。

フラッとコンビニに寄ってアイス買いに行きて〜と思うことなんてもう何度あったか数え切れないけれど、今回の件で「みんな全然自粛してないじゃん」と思った。

私の会社では無かったものの、ついに私の会社が入っているビルで感染者が出た。通常出勤していたらすれ違ったり同じエレベーターに乗ったりする可能性があったと思うと、出社はまだ本当に怖い。経済に打撃を与えているのは百も承知だけれど、個人的には緊急事態宣言が一刻も早く延長されることを祈るばかりです。。

ということで、本題から逸れました。今日は『サンセット大通り』を紹介していきたいと思います。

ロンドン発のミュージカルで、その後ブロードウェイに進出。1995年にはトニー賞の作品賞を始め、7つの部門で受賞。

日本では2012年・2015年に上演され、2020年に再々演を果たした…とはいえ、コロナウイルスの影響で数回しか上演されず、幻の作品となってしまった。

が、幸い私は今年この作品を観劇することが出来たので、感じた魅力をお伝えしていこうと思う。まずはストーリー。


ハリウッドのサンセット大通りに面するある邸宅のプールに、若い男の死体が浮かんだ。“彼”は自分の死の真相について語り始める―
売れない脚本家のジョー・ギリス(松下優也/平方元基)はある日借金取りに追われ、荒れ果てた不気味な豪邸に逃げ込む。そこにはかつて一世を風靡した大女優ノーマ・デズモンド(安蘭けい/濱田めぐみ)が、怪しげな執事マックス(山路和弘)と共に、過去の夢に生きていた。ジョーが脚本家だと知ったノーマは、彼女の主演映画のシナリオを住み込みで書くよう命じる。「私は今でも大女優、小さくなったのは映画よ!」
寝食にありつけると依頼に飛びついたジョーだったが、志を同じくする脚本家ベティー・シェーファー(平野 綾)と心を通じていく一方、仕事はおろか私生活まで束縛するノーマに次第に嫌気がさし始める。
大晦日の晩、屋敷を抜け出して仲間との新年パーティーに出席していたジョーに「ノーマが手首を切った」とマックスから電話が入り…
(ホリプロ公式HPより引用 https://horipro-stage.jp/stage/sunsetblvd2020/#story)


特徴やらオススメポイントは以下の3点。

①アンドリューロイドウェバーの楽曲

ミュージカルを語るうえで彼の名を聞かないということはまず無い、アンドリューロイドウェバー。

『オペラ座の怪人』や『キャッツ』という日本でもロングラン上演を果たした有名なミュージカルも手掛けている作曲家。

彼が作曲を手掛けるとそのミュージカルはたちまちヒットする…というくらい素晴らしい楽曲を作る。

特に「サンセットブールバード」(日本語の表記だとブルーバードになるか?)は、ミュージカルコンサートでも国内外問わず色々な俳優さんに歌われる曲。

登場人物が歌い上げる数々の曲は、この演目に説得力を与え、観客をその世界へのめり込ませる。

国際フォーラムでは生オケだったので一層鳥肌ものでした。CDで良いので是非一度聴いてみてください。

②登場人物の人間ドラマ

目立つように出てくる登場人物は多くない。けれどその一人ひとりが背景に抱えているものが濃密に描かれる。

最初にノーマが登場した時、観客はノーマの利己的な様子にやや引いてしまうかもしれないが、話が進むに連れて段々と彼女に感情移入してきてしまう。

ジョーやノーマといった、いわゆる主人公達の感情は大々的ながらも丁寧に描かれることはもちろん、個人的にはマックスが一番の注目すべき登場人物だと思う。彼のノーマへの忠誠心・愛はどこから来るものなのか、知ったときの衝撃。…これが今年もう味わえないのが悔やまれる…

③濱田めぐみの本気

作品というか、俳優紹介になってしまうことを許してほしいのだが、濱田めぐみと言えば『アイーダ』や『アリスインワンダーランド』、『メンフィス』などのように気持ち良く歌い上げるナンバーのイメージが強い人が多いと思う。かく言う私も彼女のそれが大好きなのだが、今回はそうではない。

「過去」に囚われている大女優。思い切り歌い上げるのではなく、繊細に、丁寧に、歌う。

そして彼女は歌のイメージが強いと思うけれど、演技面の技術もかなり高い。ノーマが登場した時、そしてラストの白いドレスで登場した時、圧倒的なオーラに鳥肌が立ち、しばらく戻らなかった。

私は日本のミュージカル界の女性で、彼女以上の人は見たことがないので、今後も彼女の活躍に期待しています。。


ってな感じです。
観劇予定だったミス・サイゴンも中止になり、観に行けなくて悔しかったニュージーズやヘアスプレーも中止。どれもこれも、近いうちに再演しますように。

今日も在宅勤務頑張りまーす!

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