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【英大学院準備】オファー受諾〜渡航までにしておくべき勉強5つ

早いもので1月。イギリスの大学院は通常10月に出願を開始し、通常2ヶ月ほどで合否が出ます。ローリング制度と言って、早く出願した人から合否を出すシステムなので、早ければ24-25年のオファーをもらった方もいるのではないでしょうか?

私も12月にオファーをもらい、幸いIELTSのスコアをクリアしていてUnconditinal offerだったので、プレセッショナルに行く必要はなかったのですが、英語での授業やライティングに不安があったため、行くかはかなり迷いました(Unconditionalでプレセッショナルに行くのは手続きが大変な大学もある、という話を聞いたことがありますが、リーズの場合は難しくないそうです)。ただ、私の場合、プレセッショナルに行ってもConditionalがUnconditionalに変わるわけでもなく、プレセッショナル期間中の滞在費、授業料を考えると、コスパはあまりよくない気がして、プレセッショナルには行かず9ヶ月の準備期間中に独学で勉強するという決断をしました。(あとでプレセッショナルに行った人の話を聞いても、この判断は間違っていなかったと思います。私が思うに、お金と時間に余裕がある人、どうしてもIELTSのスコアがクリアできない人は行った方がよいという印象です。)

と、プレセッショナルに行かないという決断をし、いざ自分で勉強しようとしても、どんな準備をすればよいのか、どういった参考書がおすすめか、情報がなかなか出てきませんでした。IELTSの勉強法はたくさん出てくるのですが、留学後に必要なスキルなると一気に情報が少なくなり、英語での論文の書き方について本屋で本を探してもほとんどありませんでした。

そこで、私が9ヶ月の間にした勉強でやっておいてよかったと思っていることと、これをやっておけばよかったと思っていることをシェアしたいと思います。



1. ライティングの勉強

イギリスの大学院を卒業する上で、必ず押さえておいた方がいいことは英語論文の書き方です。修論はもちろんのこと、イギリスの大学院は基本的にエッセイで評価が決まることが多く、避けては通れません。私がおすすめする勉強方法を紹介します。

英語論文の書き方入門

英語論文の書き方に関する本はそこまで多くありません。ですが、この本は分かりやすくかつ厚さも約1cmと薄いので、イギリスにも持ってきて行き詰まった時にたまに見返しています。非常におすすめです。

迫桂・徳永聡子著、英語論文の書き方入門

Future LearnでAcademic Writingのコースを受ける

プレセッショナルと同じような内容をオンラインで安く受けられないか探していたところ、見つけたのがFuture Learnです。その中でUCLが開講している、Academic Writing in English for ESL Learnersというコースを受けたのですが、非常によかったです!簡単な課題があって実際にライティングの機会があったこと、(アラビアンイングリッシュではあったものの)英語の授業を受けられたこと、自分の好きな時間に受けられること、何よりコスパが最強(月$39.99で受け放題!)なので、とてもよかったです。

時間がなく私は受けなかったのですが、リーズが開講しているCritical thinkingの授業もありました。Critical thinkingは教授も口酸っぱく言うので、時間があればこちらも受けてみたかったです。

Academic Phrasebankでアカデミックな表現を身につける

マンチェスター大学が作成した、Academic Phrasebankをご存知でしょうか?IELTSにも役立つということから、日本にいるときも何度か耳にしたので、知っている方もいるかもしれませんが、これ本当に素晴らしいです!私のコースの教授もおすすめしています。ダウンロードに£5するのですが、クオリティ高くこれで£5は安く感じますし、一回買えばずっと使えるので早めに購入して使うことをおすすめします!

158ページにわたって、英語で論文を書く時に使える表現がぎっしり書かれています。導入で使える表現、過去の研究成果を述べる際に使える表現など、エッセイ流れに沿って使える便利な表現が並んでいるので、見ているだけでもエッセイの書き方、流れをつかむのにも役立ちます。
英語でエッセイを書くときよく表現に困り、つい同じような表現を使ってしまいがちになるので、私は印刷したものを手元に置いて、参考になる表現を使うようにしています。

アカデミックな単語を暗記する

IELTSやEAPの勉強方法を参考にさせていただいた嶋津幸樹さんという方がnoteで紹介されていた方法です。Academic Word Listという学術単語がまとまっているリストから身についていない単語を暗記しました。文献を読んでいてもよく出てくる単語がまとまっているので、リーディングのスピードも上がると思います。

Academic Word Listはこちら↓
https://www.wgtn.ac.nz/lals/resources/academicwordlist/publications/AWLmostfreqsublists.pdf

Referenceの書き方を確認しておく

Plagiarism(盗作)を避けるために、必ずつけなければならないReference(参考文献)。アカデミックに厳しいイギリスでは、Referenceの書き方も厳格に定められています。Reference管理のソフト(リーズではEndNoteが無料で使うことができ私も使っています)にデータを取り込んでしまえば、正しい形式でWordに出力してくれるので、細かな書き方については覚える必要はないのですが、最低限大学が定めている引用形式と概要は確認しておくといいと思います。
例えば、リーズ大学のビジネススクールでは、Leeds Harvardという独自の形式です。Libraryという大学の図書館のサイトで、引用の示し方について詳しく解説されており、エッセイを書くときはときはときはこれとにらめっこしているので、このページを事前に見ておけばよかったと思いました。Libraryのサイトにはほかにも、Critical thinkingやWritingといった必要なアカデミックスキルはほとんどここに網羅されているので、「これを事前に知っていれば…!」と思いました。これを一通り見ておくだけでも、来てからだいぶ違うと思います。
他の大学でも、こういったアカデミックスキルに関するページがあれば、そちらを事前に見ておくと非常に役立つと思います。

リーズ大学のReferenceのページはこちら↓
https://library.leeds.ac.uk/info/1402/referencing

LibraryのAcademic skillsのページ。必要なスキルやアドバイスが載っていてとてもありがたい。

実際にエッセイを書いてみる

大学の授業が始まってからでも、Libraryが提供するワークショップなどに参加すればでアカデミックスキルに関するアドバイスはたくさん受けられるのですが、唯一大学がしてくれないのがエッセイの添削です。大学の決まりで、大学は学生が書いたエッセイの添削やアドバイスはしてくれません。なので、日本にいるうちに1本でいいのでエッセイを書いて添削してもらう機会があればよかったと思いました。アカデミックライティングの方法をいくら習っても、実際に書いてみないとわからないことがたくさんあります。いくらライティングに関する本を読んだりワークショップに出ても、結局のところライティングスキルは書かないと向上しないと痛感しているので、なかなか難しいと思いますが書く機会を見つけてやってみると非常に強いアドバンテージになり授業が始まってからも心に余裕が持てると思います。

おすすめではなけど私が使った本の参考情報

参考書を探す際は、English for Academic Purpose(EAP)で検索すると、アカデミック英語に関する本がいくつか出てきますので、本を探す際はそのように探してみてください。

ライティングに関しては結局上に記載したものがよかったですが、参考までに私が他にも読んだ参考書の感想も載せておきます。

1, Academic Writing for Graduate Students
アカデミックライティングの書き方についてかなり細かく書かれている本です。エッセイの構成だけでなく、1文1文どうやって書くのがよいかや表現方法の細かな違いも書かれています。問題が多くついているのですが、解答が見つからず私はほとんど読み飛ばしました(笑)


2, The Undergraduate Research Handbook
これもどなたかがおすすめされていたので買ってみたのですが、Undergraduate向けですので、これから大学に入る学部生に向けてどのようにリサーチを進めるかが書かれています(チューターに連絡を取るときは…といったかなり初歩的な内容もあります)。大学で卒論などを書いた経験があるのであれば、わざわざ読まなくてもよいと思いました。ただ、大学でよく出てくる、帰納法、演繹法などの解説などもあり、それは大学の授業を思い出したり特有の英単語に慣れるのに少し役立ちました。

2.勉強するエリアの本を読む

日本語の関連書籍を読んでおく

イギリスに来たら日本語の本はほぼ読めませんので、日本にいるうちに勉強する分野の日本語の本を読んでおくことをおすすめします。日本語で事前知識が理解があると、英語で授業を受けたり本を読んだときに断然理解しやすいです。
HRに関する本で読んだ中でよかったのは、グロービスの「MBA人材マネジメント」とトヨタのマネジメントに関する本です。HRの本となると、人事担当者向けの実務的な本なら割とあるのですが、なかなかアカデミックなものが見つかりませんでした。その点、グロービスのMBAシリーズはアカデミック寄りで理論などを事前に触れるのに役立ちました。トヨタに関する本は、別の大学院でHRを専攻されている方から読んだおいた方がいいということで読んでみました(私が読んだ本のタイトルは忘れてしまったのですが、トヨタのマネジメントについて書かれているものであれば何でもよいです)。その方も言っていたのですが、意外なことにイギリスでHRを学んでいるとHRMの成功事例として日本のトヨタの事例がよく出てきます。リーン生産方式やカイゼンなど、トヨタの有名なモデルに触れておくとよいと思います。

リーディングリストから1冊読んでみる

大学のリーディングリストが確認できるのであれば、その中から中心になっている本を一冊読んでみるとよいと思います。リーズ大学の場合、リーディングリストは大学のメールアドレスとMicrosoftのアカウントが発行されてからでないと見られないので、私は大学に直接メールして送ってもらいました。「授業開始前にできるだけ準備したいので…」というような趣旨でメールしたところ、「喜んで!」と送ってくれましたので、見られない場合でも大学に問い合わせてみてください。

リーディングリストですが、その膨大な本の数にまず心が折れそうになります。(が早めに折れておくことも大事。)ただ、実際大学が始まっても全てを読むことはないので、どういった本がリストアップされているかをまず確認しましょう。
読んでみる本ですが、メインになりそうな本や文献から無料で読めそうなものを探してみてください。英語の本ですので、入手するのは難しいです。紙の本であっても、電子書籍であっても5千円以上することはざらです。入学後は全部無料で読めるので、私はKindleでサンプルをダウンロードできるものや無料でアクセスできる論文を読める範囲で読んでみました。なかなか読むのは大変ですが、よく出てくる単語やどういうトピックが扱われているかをs知っておくだけでも余裕を持って授業に臨めると思います。

3.スピーキング

英会話

オンライン英会話をずっと続けているのですが、渡航前まで続けました(なんならイギリスに来てからも再開しました)。私は、短くてもいいからなるべく毎日話す機会を多く持つのが大事だと思っています。オンライン英会話はいくつかやっているのですが、IELTSでお世話になったベストティチャーをその後も続けました。なるべく手頃なもので自分に合ったものを継続するのがよいと思います。

Distinctionシリーズ

英語学習者界隈では有名なDistinctionシリーズ。ネイティブに近い英語を話せるようになりたいのであれば、この単語シリーズが非常におすすめです!値段は決して安くはないのですが、こういったネイティブが実際によく使うフレーズが載った単語帳はなかなかないと思います。実際にイギリスに来てからも、ここに載っていたフレーズをよく耳にします。ボキャブラリーを広げたい方、ネイティブともっと話せるようになりたい方にはおすすめです。私は本の方を買ったのですが、アプリ版であれば留学先に重い本を持って行かずとも引き続き使えると思います。

BBCのThe English We Speak

こちらもボキャブラリーを広げたい方におすすめです。BBCが提供しているThe English We Speakという英語学習者向けの番組で、スピードも早くなく、2分と短いのでスキマ時間に続けやすいです。ポッドキャストでも聴けますし、Webサイトでスクリプト見れるのも嬉しいところ!私は毎日1つ音読していました。


4.リスニング

これは今でも苦労しているのですが、イギリスのアクセントに加え、ヨークシャーのアクセント、インド人のアクセントなど、様々なアクセントが飛び交っているので、聞き取れるようになるには時間がかかると感じてます。特にリーズのあるイングランド北部は、イギリスの中でもかなりアクセントが強いことで有名です。イギリス人の英会話の先生に「リーズに住んでいて…」と話すと、必ず「アクセント大丈夫?笑」と言われます。イギリス人からしても、リーズやマンチェスターなど北部の人のアクセントは聞き取りづらく、口を見ないと何を言っているか分からないこともあるそうです。(そして、スコットランドはさらにさらにクセが強い)
そのため、なるべく多くのアクセントに触れつつ、BBCで話されるきれいななブリティッシュアクセントを聴いておくのがおすすめです。私はポッドキャストを常に聴いているのですが、いくつかおすすめのチャンネルを紹介します。

BBCのGlobal News Podcast

またまたBBCです(BBC大好きなので笑)。かれこれ7年以上聴いているくらい大のお気に入りのポッドキャスト。ニュースキャスターが話すイギリスの標準アクセントに加え、世界中にいる特派員、現地の人たちが話す英語が聞けるので様々なアクセントを聴くことができます。毎日配信され30分と長いので、聞き流しに最適です。

Leeds Voices

リーズ限定、かつマイナーな番組ですが、リーズ大学のポッドキャストチャンネルです。リーズのアクセントを聴いてみたくて聴き始めました。リーズの卒業生が出ている番組なので、必ずしもリーズのアクセントというわけでもないのですが、BBCで話されるきれいなブリティッシュアクセントよりは、リーズで実際に聞くアクセントに近いと感じます。アクセントはそこまで心配しなくてよいですが、YouTubeなどでも各地域のアクセントは聞けると思いますので、気になる方は聴いてみてください。


5.文法の復習

MurphyのGrammar in Use

最後に文法です。留学前に英文法を総ざらいしたくて探していたところ見つけたのが、MurphyのGrammar in Useシリーズです。世界的にヒットして有名なようです。
これのよいところは、イギリス英語版、アメリカ英語版、日本語版(説明が日本語)と分かれており、さらに初級、中級、上級とレベル別に分かれているところ!私はイギリス英語の中級を1周しました。中級か上級で悩んだのですが、中級でもなかなか難しい問題もあり、知らないことも出てきました。以下のサイトから各レベルのサンプルが見れますので、どのレベルがよいか確認してから購入してみてください。

文法については学校で一通り勉強しているはずなのに、スピーキングになると現在形/過去形/現在完了の使い分けや、前置詞の使い分けなど、なんとなくモヤっとしていたところがありました。ですがこれを一周することで、使い分け方が明確になりました。ネイティブの目線で解説されているので、それがよかったのだと思います。ページ数がかなり多く、毎日5ページずつやって2ヶ月でなんとか終わるくらいページが多いので、文法を復習したい方は早めに取りかかることをおすすめします。

Raymond MurphyのEnglish Grammar in Use(イギリス英語中級編)




いかがだったでしょうか?
自分で言うのもなんですが、留学の準備に関してはかなり準備した方だと思います。日中仕事をし、ビザの申請などほかの留学準備も並行しながら勉強していくのは大変でしたが、そのおかげで周りの学生よりは余裕がある状態で授業に臨めたと感じます。他にも、YouTubeやNetflixで英語の動画ドラマを見たり、なるべく英語にimmerse myself(自分を浸す)ことを心がけました。

留学準備のお役に立てれば幸いです!



私のnoteでは、英大学院出願のスケジュールや結果、渡航までの準備で自分が知りたかったけど出てこなかった情報などを書き残しています!
いろいろとさらけ出していますので、参考になればスキしてもらえると励みになります!

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