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学術英語(English for Academic Purposes: EAP)の学び方

英会話のための英語ではなく、ある教科を英語で学ぶための学術的な英語をEAP: English for Academic Purposesと呼び、専門的な英語を学ぶときにはEnglish for Specific Purposesと呼びます。EAPは海外大学進学に必須の英語力で、留学生やIELTSのスコアが不足している学生Pre-sessional courseと呼ばれる大学で生き延びるための英語力を鍛えるためのコースが用意されています(←通常高額)。CELTA受講中にイギリスの語学学校のPre-sessional courseにアシスタント参加したことがありますが、そこで行われているのは日本にある英会話学校と同様にCUP, CUP, Pearson, Cengageのコースブックを用いて授業を進めます。顕著な違いとしては少人数の多国籍の学生が対象であるため、第一言語使用の頻度は少なくオールイングリッシュで行われますが、共通の母語を持つ学生同士が固まる傾向があります。イギリスの語学学校で指導する英語講師はほぼ86%以上はCELTA取得済みで、ケンブリッジ英語検定やIELTSの試験官であることが多いです。(ここで働く講師の給与を聞いて驚愕!僕が在籍していた大学の語学学校では1000万円越え多数在籍!)

そんなPre-sessional courseに投資しなくても日本にいながらAcademic Englishを鍛えることは可能です。日本中の英会話を無料体験したけど独学の方が効率が良いと判明しました。今回は僕が留学前に実践したAcademic Englishを学ぶ上で必要となる語彙力(受動語彙)の鍛え方を伝授します。

1. 未知語の洗い出し

まずはAcademic Englishで使われる語彙のリストをダウンロードしましょう。Averil Coxheadによって開発されたAcademic Word Listに掲載された語彙の中から未知語を洗い出します。このリストはAcademic World Listが頻度順に並べられたものです。つまり前半は頻度が高い語彙、後半に行くほど頻度が低くになります。

次にプリントアウトした頻出順の学術的な語彙リストを見て、全体像を把握して気合を入れます。その語彙リストを上から舐めるように頭の中で1語ずつ英語→日本語に訳していきます。瞬間的に訳せた語彙にはマーカーを引きます。

2. 未知語をカードに書き出す

マーカーが引かれなかった語彙、つまり瞬間的に訳せなかった未知語を100円ショップなどで購入したカードの表に英語、裏に日本語を書いていきます。気合を入れたい人は東急ハンズで厚手のカード(約400円)を購入するのも良いでしょう。

例えば200枚のカードが出来たとしましょう。今度はこのカードを使ってどうしても覚えられない語彙を発掘していきます。瞬間的に意味が出てくるようになったカードはゴミ箱に捨ててしまっても良いです。

3. 語彙徹底分析

ここからが味噌です。ここで集まったどうしても覚えられない語彙リストは自分にとって相性が悪く覚えにくい語彙です。多くの英語学習者はこの自分と相性の悪い語彙を特定することなく、がむしゃらに単語帳をこなしているだけで問題解決していないことがあります。次にこの自分にとって相性の悪いことが判明した貴重な語彙リストを睨みつけます。今からこいつらを全員成敗してやるという勢いで、Oxford Phrasal Academic Lexiconを活用します。

このオンライン辞書の素晴らしい点はアカデミックに特化した英語表現が満載であるということ、つまり大学準備段階での語彙学習やIELTS対策にも最適であるということです。

さらにこのオンライン辞書が最強である点は「同意語」が満載である点!ただ単に同意語が掲載されているだけでなく、洗練された英文と共に微妙なニュアンスの違いの解説をしてくれています。IELTSではこの同意語の知識とパラフレーズするスキルが大活躍します。

次に素晴らしい点は前後の品詞別のコロケーションがアカデミックな例文と共に掲載されている点!しかも文語体だけでなかく教授との会話で使えちゃいそうな口語体もたまに掲載されている点に萌えっとしてしまいます。ちなみに宣伝ですが、拙著「IELTS必ず☆でる単スピードマスター(Jリサーチ出版)」は留学前+留学中に実際に使われたコロケーションをこのオンライン辞書で丁寧に確認しながら、IELTSに使える表現のみを厳選しました。つまりこのオンライン辞書に掲載している表現で自分のものにしてやろうと思ったものをカードの裏面に書き込みます。表現だけでなく、印象付けるために絵やイラストを描いてもいいし、自分の感情を書き込むのも有効です。とにかくこの相性が悪い英単語と仲良くなることで、未知語を英語から日本語に訳せるようになるだけでなく、仲良しのふりして実際に使えるようになることが目的です。カードの裏面が埋まっていくと犬猿の仲が不思議と大親友になっていきます。

今回紹介したのは瞬時に日本語に訳せない未知語の洗い出しからの徹底分析の仕方をお伝えしましたが、これは導入中の導入でIELTSで高得点を獲得するには基本英単語を巧みに使う必要があります。以前の記事でも書きましたが、今度は基本英単語こそがIELTS高得点の鍵であることを力説した記事を書きます。(この記事作成時間21分)





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