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今回も健在な読後感でした

 吉祥寺のアップリンクにて『小説家の映画』を観てきました。

 スランプに陥った小説家とリタイヤ状態の女優が偶然出会った事で映画を撮ることになるというお話。と言っても実際に映画を撮っているシーンは殆どなく制作に至るまでのやり取りを中心に会話形式でストーリーは進む。

 会話の中に見え隠れする相手との微妙な距離感が長回しやズームによって表現されている。ホン・サンス作品はドラマチックな展開はないけど観終わった後にじんわりとくる読後感があるのは今回も健在でした。

 小説家が短編を撮ったからといって、出演した女優も作品に出てからといって何か大きな変化がある訳でもない。だけど、どこか引っかかる(正確にはキム・ミニのとあるアクションがそう想起させているのだけど)ラストになっていて、個人的にはそれが凄く好きなシーンでした。

 最近のホン・サンスは監督、脚本、編集、撮影、音楽まで、録音以外のほぼ全てを自分でやっててミニマムな制作体制で彼らしい作品を量産し続けている。今年もあと3本公開を控えているというのは驚異的だし、映画ファン、ホン・サンス作品が好きなTOOWA2としては嬉しい限りです。

 次回作も劇場で見たいと思います。

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