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映画「笑いのカイブツ」感想

映画「笑いのカイブツ」を観た。

濃度の濃いラーメンを食べた時のような、至福の時間だった。

人によっては、濃すぎると思うかもしれない。でも、僕にとっては、人間臭くて、一種の青春も感じるような、心を揺さぶれる作品だった。

役者さんの演技、没入感のある映像に魅せられた。

この作品を観るきっかけは、若林さんのエッセイ、「社会人大学人見知り学部卒業見込」だった。書いてる内容が刺さりすぎて何回も読んだ本だ。

この本に、人間関係不得意という話がある。この話に出てくる作家さんの話ということで、興味を持ったのだ。

映画館は満席に近かった。

以下少しだけネタバレも含むので、未視聴の方はご注意ください。

この作品の特徴はなんと言っても、キャラクターだと思う。

まず、岡山天音さん演じるツチヤが圧倒的にクセが強い。辛いことがあるとお酒を飲んで、路上に倒れている。側から見ると、どうしようない。けど、そこに魅せられる。笑いに取り憑かれたまさにカイブツ。映像に引き込まれた。

クセのある人間を映すときに、単調になったり、つまらない演出になったりする映画もあったりするが、そんなことが無かった。

菅田将暉さん演じるピンクや仲野太賀さん演じる西寺がツチヤに思いを伝える姿が、僕の心にはビンビンに刺さった。

あんな熱い友達や仲間がいたら幸せだよなあと、視聴後にしみじみと浸った。視聴者にもエールは伝わったと思う。

劇中に散りばめられた大喜利は、めちゃくちゃ面白かった。

ラジオのシーンはリトルトゥースならより楽しめるかもしれない。

作ることへの、魂を感じた映画だった。帰り道は、少しツチヤの影響を受けて地べたに寝転んで、悪態付きたい気分になった。勇気が湧かなかったけれど。

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