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もっとゲームらしく…♪

 1999年頃にまとめたモノで「ゲームらしさ」に関わるモノのまとめ。
 この時はTRPGも意識はしていたケドも、もっと広くデジタルゲーム的な観点も含めたモノになっている。

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■ユーザの心境
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 大切なプレイヤーの気持ち
 「プレイ前」「プレイ中」の2つの心的状態にアプローチする事がゲームにとって大切。

動機

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●プレイ前(期待)
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 「プレイ前」は商品ならセールスポイントと重なる。
 セールスポイントは「まだ遊んだ事がないケド、遊んでみよう」と手に取る「期待による動機づけ」。
 商品棚に並んでいたり、雑誌やネットの情報。オフセならマスター紹介。オンセ野良卓なら募集ツイ等。

 そんな状態でも「遊んでみよう!」とモチベーション(動機・期待)が上がる事。上がる情報は「ジャンル」「知ってる作品」「話題性」「勝てそう」「面白そう」等。

 ジャンルとは、「楽しみ方・嗜好傾向」を指す。好きなジャンルなら手に取りやすく、苦手なジャンルなら手にとらない。下記後述。
 知ってる作品とは、「好きなゲームの続編・版上げ」「好きなアニメのゲーム化」「親しんだ遊び」等の親近性を指す。
 話題性とは、広告で良く見る。口コミで良く聞く等、周知された作品に対する興味になる。
 勝てそうとは、「過去ゲームで得意になれたゲーム傾向」ジャンルや知ってる作品とも似ている。
 面白そうとは、製作者が情熱・意欲・開発期間・開発費・ボリューム等、かけて作ってる事がわかる・伝わる作品に多い。※ロケテで遊んで楽しいはココには含まれない。

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●プレイ中(邁進)
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 「プレイ中」はゲームの面白さに繋がる。またこの面白さとはユーザーがリピーターになり繰り返しゲームをプレイする状態を指す。
 リピーターになる要素として、プレイヤーがゲーム中「邁進」している状態が、理想的な状態になり、この心的追求は、ゲームの面白さに繋がる。

 「プレイ中の施策によって繰り返しプレイしたくなる要素・魅力」をココでは「コンセプト」と同義として扱ってて、その魅力の形は下記の「勇往邁進」「減点法と加点法」「カウンタープラン」「短期と長期」「インタラクティブ」「インセイシャブル」となり、それぞれについて後述する。

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■ジャンル(デジタルゲーム)
プレイ前(期待)の項目。
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 「ジャンル」とは「楽しみ方・嗜好傾向」を指す。
 一時期、オリジナルのジャンルを沢山出す事が流行ったがユーザーには混乱をきたすダケだと思われる。

ジャンル

 下記はユーザーが、どう楽しむのか理解する為の分類になる。
 その楽しみ方を何にも増して追求すると、よりジャンルらしいゲームになると考えている。

★ACT(アクション)
 自機があり、自機が至近戦や動きを楽しむ。
 殴る・蹴る・飛び跳ねる・走る…。
 華麗、素早い、インパクトのある動きを求めます。
 格闘ゲームでは、その「動き」をコマンド等の難度のある行為を望む場面で自在に出せる事も楽しみの一つだと思われる。
★STG(シューティング)
 撃つ・破壊を楽しむ。
 ストイックに撃つ撃つ撃つ、破壊破壊破壊。
 多勢の敵、弾除け、狙撃、突撃、突破、乱射を求めます。
 ガンシューティングや2Dシューティング、3Dシューティングでは楽しみ方が若干異なるが、「遠隔へのアプローチが楽しい」は共通していると思われる。
★RPG(ロープレ)
 旅や探検を楽しむ。旅は道連れ、キャラと共に歩む世界紀行。観光・物見遊山的でもある。
 ご当地を楽しみ、色んな人と会話し、特産物を見つけ、その土地ならではの怪物に会う…そんな出会いを求める。
★SLG(シミュレーション)
 目標に向って決断する事を楽しむ。
 多くのSLGゲームは、タイトルから何をすべきかがわかる珍しいジャンル。
 様々な数値的状況の中で、選択・設定を行い目的に向かう。
 リアルタイム性のあるゲームでも、その選択・設定・決断自身を重要視する。
★ADV(アドベンチャー)
 TRPGの観点で言うならRPGの前身のジャンル。
 物語の展開・会話を楽しむ。
 グラフィックの大きさ、テキストウィンドウの大きさが物語ります。
 絵や会話がヒントになったり、絵や会話の変化や、自分視点の描写で物語が進む事を求めます。
 後にミステリモノや恋愛シミュレーション等に細分化していく。
★エロゲー
 好みの娘のイメージ像をユーザーの脳内で育み、その育んだ妄想とHする事。
 グラフィックの大きさ、テキストウィンドウの大きさが物語る。
 彼女のさりげない表情、何気ないが彼女の性格を覗かせる会話。
 これらから彼女の人間像を作り、その人格とのエッチを求める。
★レース(ドライビング)
 スピード感を楽しむ。
 リアルを超えた、トリップする程の速度を求める。
 タイヤ・メンテ・燃料…そういう細々としたモノは軽視している。

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《まとめ》
TRPGの場合
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 SLGとRPGの箇所が大切になる。
 これを意識したレベルデザイン、シナリオ構成を心がけた方がいい。

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■勇往邁進
プレイヤーが邁進する為に知るベキ、状況設定
プレイ中(邁進)の項目
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 非常に重要だと思っているが、多く文章を書いた記事があるので、「勇往邁進は銀鱗躍動する…」を参照してほしい。

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■減点法と加点法
プレイ中(邁進)の項目
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ギャップ

 1999年頃に調べていた事で当時わからなかったが、今スポーツでは「クローズドスキル」「オープンスキル」と呼ばれている。
 多くのゲームでは「クローズドスキル」「オープンスキル」の双方を活用して強くなる傾向がある。

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●減点法
技術、クローズドスキル。
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 「減点法」の多くは「練習でする事」と「本番でする事」が近く、本試合いでは、練習でしてきた事を完璧にこなす事を目指している。
 基本的には、外的要因によって左右されない技能。自分のペースで行える技能とも言える。
 その為、その行為中に選択肢や意思決定を悩む事は原則なく、既に知っている行為を完璧にこなす、理想の状態を維持する、もしくは失敗したとしても小さくすませる。如何に早く自身の理想の状態に早く立て直す。あとソロプレイになりやすい…といった特徴がある。
 スポーツだと悩む事で調子が狂う事がある為ルーティーン等を意識したりする技能でもある。
 また目指すレベルを維持する事で勝利へ近づく攻略方法とも言える。

 ほかには、カードゲームならデッキ構築も減点法の立場に近い。あとは各ランダムによる揺らぎの中で自身がやりたい事に近づける技術もまた減点法になる。

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●加点法
思考、対応力、オープンスキル。
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 「加点法」の多くは「対戦相手に合わせて作戦を練り、最善の手を見つける」事を目的としている。
 外的要因によって左右される技能。変化する状況で使える技能。
 その為、敵の動向や心理を観察しつつ、様々予測しながら知的な閃きや機転によって選択肢をみつけては、最良の決断を求める…といった特徴がある。

 他ならTRPGならキャラクター作成や依頼受諾後の下準備全般も減点法に含まれるだろう。他のゲームなら敵と相対しながら対応していく過程は加点法と言える。

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《まとめ》
減点法と加点法
両方をうまく混交する。
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 TRPGの戦闘で言うなら「ダイスロール」が減点法にあたる。
 「どんなダイス目が出ても、いち早く無難なレベルに立て直す事」が減点法になる。
 一方、加点法は「戦況の経過を見ながら作戦を練り最善の手を模索する事」になる。
 この両方を盛りこめた時、ゲーム的な面白さはより増すと考えられる。

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■カウンタープラン
プレイ中(邁進)の項目。
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ストレートパンチ2

 ここで述べる「カウンタープラン」はディベートではなく、もっと辞書的な意味に近い。対応策、反撃策に近い。専門用語風に言うと「PDCAサイクル」に酷似している。
 ゲームを行っているプレイヤーの挙動は脳内の動きも含めて下記になりやすい。

●カウンタープランループ
(1)ゲームは、まず現状の「外界の状況・状態・配置」が生成される。TRPGならGMが行う状況説明にあたる。
 ↓ ↓
(2-1)プレイヤーは「この状況に対して、状況を把握し、この後状況がどうなるのか未来を予測する」
 ↓ ↓
(2-2)プレイヤーは「その予測を元に、作戦・対策・計画を練り、より良い手の選択肢を検討する、もしくはより良い選択肢を創造する」
 ↓ ↓
(2-3)プレイヤーは「各選択肢を正しく実行したら、結果がどうなるのかのも予測する」「その中でどれが良い結果になるかを比較する」「比較結果、選択肢を選定し、予測結果を期待する」
 ↓ ↓
(2-4)プレイヤーは「その選択肢を選択」し「動作が正しく実行しようとする」
 ↓ ↓
(3-1)ゲームは、プレイヤーの行動によって結果が発生する。
 ↓ ↓
(3-2)改めて「外界の状況・状態・配置」が生成される。TRPGならGMが判定結果を伝える事になる。
 ↓ ↓
(4-1)プレイヤーは「想定・期待した内容」と「結果」を比較して、良かった・悪かったの評価をする。
 ↓ ↓
(4-2)プレイヤーは評価した結果から、悪かったなら「何故予測にズレがあったのか」、理由を検討し、その理由から「対策・補正案」を思案する。
 ↓ ↓
(5)振り出しに戻る。(1)へ戻る。

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《まとめ》
カウンタープランとは何か、利用方法
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★試行錯誤
 ゲームを「試行錯誤する遊び」とも言われるらしい。
 その試行錯誤はカウンタープランループと同じだと思っている。

 「カウンタープランループ」を端的に言うと「予測→計画立案→期待→選択・実行→評価」の流れになる。
 正しい予測、正しい計画、正しい選択肢の選定、そして実行、正しい評価によってより良い状態に持って行けるとゲームを面白いと感じやすい。一方、「予測が出来ず、計画が立てられず、選択肢は特になく、実行し、評価のしようもない」だと作業に感じられてしまう場合もある。作業に感じられた場合、ゲーム的な面白さは感じにくい。

★TRPGの場合
 TRPGとして語る場合、主に戦闘の事も指すが、ミドルフェイズの探索シーンにも言える。
 GMは、PLがカウンタープランループでそれぞれの動作が出来るような「PLがリアクションしやすいような働きかけ」が常に重要になる。
 特にシーンの開始の時に説明する量に不足があると、陥りやすい。この時のPLの感覚は「グダっている」という認識を持ちやすいと思われる。

 常に、このシーンの状況はどんななのか、このシーンでは何が目的なのか、誰がどんな手段を持っているのか等が常にPLにわかるようにしてあげる事でこのカウンタープランループはうまく機能しやすい。

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■短期と長期
プレイ中(邁進)の項目
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 長期(戦略)目標の為に短期(戦術)を行い、短期戦を繰り返しながら長期戦を勝ち抜く遊び方。
 この短期と長期の混交によってゲームを面白くする手法は多い。

プロセス

例)
スポーツの1試合なら「得点とセット」「1試合とトーナメント戦」など。
格闘ゲームなら「1回戦と2点先取」など。
デジタルRPGなら「戦闘(インゲーム)」「探索(アウトゲーム)」など。

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●短期(戦術)
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 今ある状態の中で全力で挑み目的達成を目指す。
 「短期」は何度も繰り返し行う事を前提とした遊び方。
 非常に高い集中が続くので、これを延々と継続するよりも、短期集中して遊べる方がより楽しく感じる。

 一度終わると休憩が出来る。気持ちをリセットし、仕切り直しをし、改めて次戦に再挑戦し、挽回を試みる。
 というような気持ちの区切りを作れるのが「短期」のメリットになる。

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●長期(戦略)
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 「短期」で有利に進められる為の兵站を行い、最終目標の達成を目指す。

 この長期を楽しめるようにする為には、次の「短期」がどのようなモノなのか、ある程度の「予測」を出来る事が望まれる。
 TRPGの場合なら、1回目の戦闘と2回目の戦闘に、モンスターが同じ・酷似している。状況は同じである事など。
 もしくは、事前情報によって、どのような戦闘が行われるのかが予測できる事など。
 あとはキャラクターを純粋に成長させる・強くする(しかしこの方法だけでは物足りなさを感じる恐れはある)。
 この楽しさの感覚は「カウンタープランループ」に似る。

 また次の「短期」を見越した対策を検討できるのが楽しさの秘訣になる為、「短期」の直前に情報を開示されても「長期」の楽しさは生まれないので、多くを秘匿にし続けるのはあまりオススメしない。

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《まとめ》
短期と長期
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 短期は長期の為に。長期は短期の為と、相互の為に行う事がいい。
 その手法は、上記に記載した。
 そしてどちらにも「カウンタープラン」に基づいた相互作用が良い。
 また戦闘に限った場合は「複数戦のススメ」も参照してもらいたい。

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■インタラクティブ
プレイ中(邁進)の項目
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 ここで述べる「インタラクティブ」は「相互作用(お互いに作用する様)」 「双方向に情報をやり取りする様」「対話形式」「双方向の」を意味するが、ココでは異なる。

話せばわかる

 子供や赤ちゃんの動物は、この世界に生まれた事を喜ぶように、外界の出来事に興味津々になったり、外界に働きけてその状況の変化を楽しんだりする。多くの動物は人間も含めてその新鮮な刺激を楽しむ。

 その積極的な行動と喜びは、「外界へ働きかけたい」という「衝動」と「外界へ働きかけた行動に、作用して状況が変化する」という「快感」が関わっている。
 その「衝動」「快感」によるインタラクティブ性を、ゲームに持ち込んでいると思っている。

 そしてこの「衝動」「快感」は「知的好奇心」に密接なつながりがある。
 その為、TRPGやオープンワールド系のゲームだと、モラルが崩壊するような事をしたくなりし易い。

 そして「状況の変化」は大きければ大きい程、「快感」は大きくなる。
 小さい程「快感」は失い易く物足りなさを感じ易い。

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●衝動(行動の動機)
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 体を動かしたい。行動を起こしたい。爽快感を得たい。
 球を蹴る、モノ投げたい、弾く、キャッチ、バットで弾く…。走る爽快感、様々な効果音、スイッチを押した時の機械の反応なら、電話やクルマ、自動販売機に電灯、パッドのボタン、ガンコンのトリガー、機械という機械は全て当てはまります。更には人との会話、サイコロを振る事も、想像を膨らます事も。
(童心にかえったり、子供を観察する事で、理解が出来ると思う)

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●快感(状況の変化)
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 爽快感。音。エフェクト。映像。機械の動き。相手の反応
 声を上げてその声が聞こえるダケでも楽しい。純粋に叩いて音が出るダケでも楽しい。笑顔が見える。
 行った行動の何からの結果が見えるダケでも十分に楽しい。

 より楽しいのは目的を持って期待した行動が期待した通りになる事も楽しい。例えば「ゴミ箱に向けてゴミを投げて、ゴミ箱に入った」等はとても楽しい。

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《まとめ》
TRPG系の話
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●衝動(行動の動機)
 「発声したい」「演技したい」「ダイスを振りたい」「突飛なRPをしてみたい」等がある。
 だからこれらの行為をGMは「したくなる」よう仕向ける。「してもいいよ」という状況を作る事も大事になる。

●快感(状況の変化)
 GMは純粋に結果を説明するダケでも効果がある。
 その場限りでも大きな影響を与えていると実感してもより楽しく感じる。
 より効果を与えたい場合は、その「結果」がセッション中ずっと影響を与える状態だと、楽しい状態が続きやすい。

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■インセイシャブル
プレイ中(邁進)の項目
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 insatiableは「飽きさせない」「新鮮さを維持させる」事を指し、アプローチとしては加点法と減点法の2種類がある。
 「加点法は製作」に「減点法はユーザ」に負荷が掛りモチベーションを要求する。

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●加点法
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・ランダム要素により状況が有利や不利になったりする(ユーザーにとって分かり切った・慣れ切った状況にならないようにする)。
・ステージ毎に絵柄をガラッと変えて気分を変える。
 (絵柄がコンスタンスに変る旨を伝える事も重要)
・物語を作り、幕間毎に進展する。
・仕様・操作性に変化を感じるステージを用意する
 (風や傾き等によって操作性に変化を持たせる)
・オブジェクト&メソッドに変化を与える
 (様々な物体の形や、物体の動き等の事をさします)
・新しいシステム・ルールを追加(危険です)

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●減点法
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・操作・選択肢が多量にあり、全てを把握する・手足のように扱えるのに時間がかかるようにする。
・ゲームの難易度をあげ、達成を難しくする
・一日に出来るゲーム回数を制限する
・一日にクリアできるステージ量に制限がある

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《まとめ》
TRPG系の話
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 ここの話は「変化する嗜好」に類似する為、「変化する嗜好」を参照してもらいたい。

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■まとめ・所感
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 「ゲームらしさ」については、他の記事にも記載しているのでここで全てまとめ切れているワケではない。
 網羅出来てない事について申し訳ない。

おわり


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