見出し画像

「こんなのTRPGじゃない!!」施策♪

 今回の記事は自分がしてきたTRPGの趣味活動についての話。
 自分は1989年頃からTRPGを始めて、ちょくちょく理由がありつつTRPGから離れながらも復帰しては遊び続けていた。

 結果として自分は恐らく「変化する嗜好」でいうところの「倦怠期」にいると思う。

 「倦怠期」は精神的に非常に苦しい。好きな筈なのにTRPGをしても期待してるほど楽しめず苦しくて辛い。そして倦怠期に入った時、同好の仲間は「TRPGに飽きた」等の理由でTRPGから卒業していってしまう。

 その「倦怠期」でもがいて色々してた話が今回の記事になる。

 紆余曲折して様々試した結果、様々な人から「はぁ?」とか「こんなのはTRPGじゃない!!」と言われ続けてきた。

 本来なら紹介する必要性はないモノだと思っていたんだけども…。それってもしかして自分と同じ心境ではない人の意見なのではないのかと思い始めてきた。

 「はぁ?」「こんなのはTRPGじゃない!!」とか言われてしまったモノだけども…、楽しめなくなって辛い状態になってきた時に、試してみてはいかがだろうか?

 ちなみにこの施策は全てオフセで行ったモノになる。

**

――――――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――
※自分のTRPG歴10年目
■旧約「BEAST BIND~魔獣の絆~」(1999年頃)
倦怠期に助けてくれた商業ゲーム
――――――――――
―――――

旧約BB

 TRPGの商業ゲームでも「心」についてシステム化している作品はある。CoCなら正気度ロール、狂気。ダブルクロスならロイス。シノビガミなら関係等。

 そんな中でも旧BBはかなり「心」に焦点を絞ったシステムになっている。当時自分は、コンピュータRPGとの差について悩んでいたんだけども、この時、TRPGは登場人物の心をシステム化している点が違う!!と思ってハマっていた。
 残念ながら絶版ではあるが、機会があったらぜひプレイしてほしい。

 この頃、TRPGをやめようと思ってた時期なので本当に助けられたと思う。ただまぁ、Twitter界隈のTRPG好きの人達からしたら「PCの心はPLだけのモノ。システムやシナリオで規定されるベキモノではない」らしいので旧BBは否定されるベキゲームという事になる。

**

――――――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――
※自分のTRPG歴10年以降
■ミニキャンペーン形式(2002年頃)
シナリオの構成方法
――――――――――
―――――
 元々は「TRPG初心者」「システム初心者」対応をする方法として考えたモノなんだけども…
 Twitter上では「こんなのはTRPGじゃない!!」と言われたモノの一つ。

 TRPG初心者にとってもシステム初心者にとっても、「どんなゲームなのか」を把握できていない状態というのがとても不安になる。それを解決する方法として、ミニシナリオでさっさと1シナリオを終えてしまう。という方法を取った。

 自分は1日に2~4本のシナリオを行う事にしている。
 そして理想は、シナリオはそれぞれ独立したオムニバスシナリオが良い。ただオムニバスを強要するモノではなく、一連のシナリオをミニシナリオで数話に分けた形でもOK。シナリオは3本以上あるといい。且つ、出てくる敵・モンスターは基本的に同じ敵がいた方がいい。

例)
1本目:簡単に倒せる敵を出す。

1回目:レベルアップする。アイテム購入。装備換装なども行う。

2本目:普通に戦うと全滅する敵を出す(作戦を練る。罠を貼る)

2回目:レベルアップする。アイテム購入。装備換装なども行う。

3本目:戦ったら死ぬ戦闘。交渉や戦闘回避をしないとマズいなど。

3回目:レベルアップする。アイテム購入。装備換装なども行う。

4本目:2本目程度の敵を出す。

4回目:レベルアップする。アイテム購入。装備換装なども行う。

 これの肝は沢山あるのですが…
 一番の肝は反復がある事。1ゲームの全体像が分かる事。こんなゲームという予測が出来る事。1回目わからなくても2回目経験して覚えられる。失敗してもPL自身が仕切り直せる事がいい。GM側も弱すぎても強すぎても次のシナリオで楽しませられたらいいと仕切り直せるのがいい。

 最初にこれをやったのはロードス島戦記コンパニオンだった。

ロードス島

 例えば2回目は「前回はあーだった。今度はこーしよう」とか。
 3回目は「前々回と前回はこうだった。今回はこーしよう」とか。
 3回目は問題がなければこの方向性で行こうと思えたり、2回目も思うようにいかなかったら3回目で調整したり…。
 そういう改善・調整を考えながら反復すると、そのゲーム作品に慣れ易くなる。

《実施した事のあるゲーム》
・ロードス島戦記コンパニオン
・旧約「BEAST BIND~魔獣の絆~」
・装甲騎兵ボトムズTRPG
・ヴァンパイア:ザ・マスカレイド
・セイクリッドドラグーン
・ご近所メルヒェンRPGピーカーブー
・シノビガミ
・ハンターズムーン
・ログ・ホライズンTRPG
・天下繚乱RPG
・ブラインドミトス
・パラサイトブラッド
・自作ゲーム:NO-System

**

――――――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――
※自分のTRPG歴15年以降
■装甲騎兵ボトムズTRPG(2005年)
倦怠期に助けてくれた商業ゲーム
■無色透明なGM(2005年頃)
■使い回せるシナリオ{PvP&共闘}(2005年頃)

この頃、TRPGを楽しめなくて苦しい時期だった。
――――――――――
―――――

ボトムズ

 実は最初自分ボトムズが好きだったワケではない。
 とあるサークルの会員の女の子がボトムズが好きだった。
 で周りから「とぉ~くさんボトムズやりなよ」と言われたのがきっかけで…
 合計20万円くらいつっこんで、ルルブだけでなく、メモリアルDVDを買ったり、その後に出たDVDや書籍・サントラ・アクティックギアや鉄ATの個展(2005年)に行ったりとガリガリと猛勉強した。勉強した事でボトムズ自身も好きになった。

 結局はこの子と卓を囲んだのは1回。その後は、結婚して旦那さんの実家に引っ越してしまった……。

 ただ良かった点もある。《無色透明なGM》を発見した事。

《無色透明なGM》
 「ルルブやボトムズを俺色に染めてやろう」というつもりで卓を運営するのではなく…「俺がルルブやボトムズの色に染まったマスタリングをする。そういう色に染まったシナリオを作る(別の言い方ですと、ボトムズ作品や、システム自身、シナリオ自身に寄り添ったマスタリング)」という事を念頭に、ルルブ自身の魅力や、ボトムズという作品の魅力を前面に押し出す為のマスタリング。

 この手法はサークル内だけでなく、コンベンション等ボトムズ好きな人には受けが良かった。
 そしてこの事で「自分自身に飽きている事」を脱する事に成功したと思った。

 感覚的には、マンガ作品をアニメ化するのは公式2次創作になる。アニメの公式ゲームは公式2次創作になる。
 このような形で、編集部や著者がOKを出すようなつもりでシナリオを作る。NPCを創作・演技をする等を意識するような感じ。

《PvP&共闘シナリオ》
 この時期、「使い捨てになるシナリオを常に自作で作り続ける事が当たり前」という事に反発する意見が多かった。
 そこで自動生成する「ファンタジー系ランダムシナリオソース」を作ったが、それでも作る事は変わらず…同じシナリオを何度も再利用できる方法の模索を行う事になった。それが《PvP&共闘シナリオ》になった。

 流れとしては「どのハンドアウトもPvPしなければならない動機と目的があって確定してる」しかし「エンディング直前まで、クエストクリアする為には協力・共闘せざるおえない」というシナリオにする事。
 例で言うと、皆、傭兵仲間だが実はお宝を独占したいと思ってるみたいな話など。これだと様子を見たり、隙を伺ったり、いがみ合ったりしながら含みを持たせながらエンディングまで行くところが結構ドラマ的に面白くていい。
 メンツが変われば当然何度も遊べる。同じメンツでもHOが異なれば遊べるので楽しく遊べると思った。
 検証段階では好評ではあったのだが、PvPへ嫌悪する人がいた為、あまり率先する事はしなかった。
 ただボトムズTRPGではとても好評だった。

《実施した事のあるゲーム》
・装甲騎兵ボトムズTRPG
・ログ・ホライズンTRPG
・新クトゥルフ神話TRPG(つもり)
・旧約「BEAST BIND~魔獣の絆~」
・ヴァンパイア:ザ・マスカレイド
・セイクリッドドラグーン
・ご近所メルヒェンRPGピーカーブー
・あったかほのぼのろーるぷれいんぐ ゆうやけこやけ
・シノビガミ
・ハンターズムーン
・天下繚乱RPG
・ブラインドミトス
・パラサイトブラッド

※ボトムズTRPGも残念ながら今では絶版となっている。

**

――――――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――
※自分のTRPG歴15年以降
■ヴァンパイア:ザ・マスカレイド(2007年頃)
倦怠期に助けてくれた商業ゲーム
■同時多発シナリオ形式(2008年頃)
シナリオの構成方法
――――――――――
―――――

画像3

 「心」をシステム化したTRPGは旧BBから進化・展開する事はなかった。この頃、TRPGを苦しくてTRPGという趣味を離れようとしていた時期にV:tMに出会えて助けられた。
 日本では2000年に発売されたモノなのだが、V:tMは、ワールド・オブ・ダークネス(WoD:世紀末の暗黒世界)という世界を題材に、ストーリーテリングというドラマを作る事に注力を入れた海外産のゲームで、米国では1994年に生まれて、この影響で日本では旧BBが生まれる事になる。ちなみにV:tMの影響で米国はWoDストーリーテリングというドラマを作る事に注力を入れた海外産のゲームで、当時V:tMの影響で米国はWoDという世界観が流行った時期でもある(プロレスでも取り入れられたり映画も作られたり…)。

 世界観・世界設定・ルール全てによく出来てた上に、今までとは異なるアプローチでゲームする事に非常に魅力を感じた。
 この頃、V:tMでキャンペーンしたい話も上がった事もあって、新しいアプローチに合う遊び方を研究していた。

 このころ周りでは米国TVドラマが流行ってた。この時のドラマは忙しく、1話に登場人物たちそれぞれのエピソードが同時に展開していた。その時に出来たのが《同時多発シナリオ形式》。

《同時多発シナリオ》
 同時多発シナリオとは、前提としてPC達がチームではない(チームであってはならないワケではないケド)。
 まずオープニングで各PCにそれぞれNPCが依頼などをしてクエストが発行される。
 しかしそのクエストは一人で解決できるようなモノではない。
 PCは手伝ってくれる仲間を探し、交渉して一緒にクエストを望まないとならない。
 PCは他のPCやNPCと交渉をして、オフセ1日に同時進行でそれぞれクエストをクリアしていく。

 肝はそれぞれのクエストはオムニバスに独立して、それぞれ解決しなければならない点。
(一件別々の見た目違うクエストだと思ったケド、実はみんな同じクエストをしていた…というFEARチックなのはよくない)

 この手法はかなり好評で、V:tM以外でも行うようになった。また他のGMさんも行ったりもした。

 またこの同時多発シナリオの面白さとして、どれからクエストを解決していくかをPL/PC同士が相談する事にもなる。
 シナリオを一つクリアする事に当然ながら成長が発生する。
 その為、各クエストの敵の強さは成長を前提にも出来る。
 クエストの内容を予測して、レベルアップを繰り返す事を前提に、最強の敵は最後に回す事が出来る。

 つまりシナリオはそれを前提に作る事が出来る。敵の強さを想定しながらクエストの順番を決めるというのもこの同時多発シナリオの面白さにもなっている。

 ただこのシナリオが似合うゲームと似合わないゲームがある。

《執行猶予》
 V:tMの時に行ったハウスルール。人間性が減るような行為があった時に、減少する数だけの『緑のオハジキ』をそのPCのPLに渡す。オフセでセッション終了までに『緑のオハジキ』が机の上に残っていたら、そのオハジキの数だけPCの人間性が減る事が確定する。しかし、このオハジキがある間に「人間らしい良い事」をする事で、この『緑のオハジキ』は、その行いや大きさによって消失する。
 人間性は経験値を費やさないと回復する事が出来ない非常に重いギミックなのだが、この執行猶予によってポンポンと『緑のオハジキ』を渡し、人間性のギミックを活かす事が出来るようになった。V:tMだけでなく広く《執行猶予》の仕掛けを使うようになっていった。

《実施した事のあるゲーム》
・ヴァンパイア:ザ・マスカレイド
・ご近所メルヒェンRPGピーカーブー

※V:tMも絶版になっている。
 ちなみに言うとV:tMもまた心のシステム化を様々な点でされている。「人間性と獣(ビースト)」や「自制/紅の恐怖」などがあり、TwitterのTRPG好き勢の「PCの心はPLだけのモノ」から外れてしまうので、このゲームもまた否定されるベキモノとなっている。

**

――――――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――
※自分のTRPG歴20年以降
■新作祭り(2009年頃)
マスタリング?遊び方。
■罰ゲーム(2009年頃)
ハウスルール・遊び方
――――――――――
―――――
 旧BB、V:tM、天羅零、エンギア2ndなど心をシステム化したゲームは停滞してて…
 自分のマスタリングや自作シナリオも、《無色透明なGM》をしながら、《ミニキャンペーン形式》or《同時多発シナリオ》という組み合わせでプレイをしていたケドも、飽きてしまっていた…。

《新作祭り》とは…
 この頃、自分が所属していたサークル、コンベンション、プライベートで遊ぶゲーマー仲間は、猛者ゲーマーが多かった事もあり「新作TRPG」の卓を立てる聞けば非常にテンションが高くなってた。そこで「新作が発売されてから1ヶ月以内」に卓を立てる事をした。

 場合によっては、フライングゲットして、正規の発売日、もしくはルルブに記載されている初版の日付よりも早く卓を立てて遊ぶなどをしていた。購入したその日に読み込んで、次の日に卓を立てるという事もした。

 GMする側としては非常に疲れるが、これで卓を立てて回した後にくる疲労感や達成感が心地よかった。

画像6

《実施した事のあるゲーム》
・セイクリッドドラグーン
・ご近所メルヒェンRPGピーカーブー
・シノビガミ
・ハンターズムーン
・マギカロギア
・天下繚乱RPG
・パラサイトブラッド
・ビーストバインドトリニティ
・エンゼルギア 天使大戦TRPG The 2nd Editon
・ガンドッグ・ゼロ
・ブルーローズ・ネクサス
・ブラインドミトス
・ドラクルージュ


**

《罰ゲーム》
 「ほのぼのあったかろーるぷれいんぐ ゆうやけこやけ」「常夜国騎士譚RPG ドラクルージュ」にて採用したハウスルール。
 自分の周囲のゲーマーは粗雑で殺伐とした事を好む連中で、どんなゲームでも同じように遊んで無自覚「彼ら色」でゲームシステムを蹂躙していく傾向があった。GMとして自分が頑張って真面目にゲームを回したところで「彼ら色」に染められてしまうと、そのゲームの魅力や良さが損なわれてしまう。
 そして、それだけでなく、大きなお世話だと重々承知しているが、同じ遊び方をしていれば飽きてしまうので、我々の趣味寿命を伸ばす為にも、我々自身、ゲーム作品に応じて遊び方を変えられた方が良いと思った。

 そこで思案したのが《罰ゲーム》である。
※罰ゲームと呼称したが、あまりちゃんとした名称は考えてなかった。

《罰ゲーム》とは……
 「ほのぼのあったかろーるぷれいんぐ ゆうやけこやけ」の場合なら、下品・殺伐とした言動など「ほのぼの」に相応しくない言動した時に、その言動とゲーマーを指摘をする。そしてゲーマーは「ほのぼの ほのぼの ほのぼの」と「ほのぼの」を3回連呼しなければならない
 連呼後、指摘された箇所は「ほのぼの」になるような言動に是正していただく。

 「常夜国騎士譚RPG ドラクルージュ」の場合なら、やはり下品・殺伐とした言動や下品など「耽美」に相応しくない言動した時に、その言動とゲーマーを指摘をする。そしてゲーマーは「耽美 耽美 耽美」と「耽美」を3回連呼しなければならない
 連呼後、指摘された箇所は「耽美」になるような言動に是正していただく。

 というモノ。ルール自身は難しくはない。
 実際に何度も回してみたが、全てにおいて、とても効果があった。

 いつも通りの遊び方から、ゲームシステムに沿った遊び方に無事変えられるという意味で非常に良かった。
 ただ「ほのぼの」「耽美」等、普段やらない行動を強要させてるせいか、普段と違う脳の箇所を使うからなのか、非常に疲れる。
 でも非常に楽しかった。ただ「強要させる事」「連呼する行為が、人をバカにしている、ゲームをバカにしている」「耽美連呼させてる時点で耽美ではない」等、卓外からは激しいお叱りの言葉をいただいた事もあるので、使用にはご注意を。

 そしてGMの自分だが、自分も激しく、罰ゲームの指摘を受けて、ほのぼのや耽美を連呼する事になった。

《実施した事のあるゲーム》
・ほのぼのあったかろーるぷれいんぐ ゆうやけこやけ
・常夜国騎士譚RPG ドラクルージュ


**

――――――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――
※自分のTRPG歴25年以降
■ログ・ホライズンTRPG(2014年)
倦怠期に助けてくれた商業ゲーム
■心境の変化(2015年頃)
シナリオの構成方法
――――――――――
―――――

ログホラ

 2010~2013年までの間。家庭の都合でTRPGから離れていたのだが野心的なゲームが発売されると友人から連絡を貰ったのがログホライズン。これで俺はTRPGに復帰した。
 確かにこのゲームは非常に野心的に感じハマったが、復帰した時の周りは新作を望む集まりではなかった事もあり、《新作祭り》的な感覚は求められていなかった…。

 ログホラTRPGにハマった後、ボトムズと同様にアニメ、なろう小説、サントラ等、原作把握をする事にした。把握する事でログホラ自身も好きになっていった。
 ログホラでは「冒険者と呼ばれるコミュ障のゲーマー達が、人間関係に拗ねたりトラウマを抱えながら、やっぱり仲間っていいな」的な話がよく出てくるのでこういう話いいなぁ~と思ってた。

 一方、ログホラTRPGは素直に遊んでも楽しいし、戦闘が楽しいゲームではあったが、戦闘に力を入れるほどロールプレイ部分が薄くなってしまいTRPG感が損なわれる問題があった。特に《無色透明なGM》をしながら、《ミニキャンペーン形式》or《同時多発シナリオ》の観点はゲーム要素が強い為、更に戦闘を重要視するとロールプレイ部分の希薄さが顕著になってしまう。

《心境の変化》
 そこで解決する手段として考えたのが《心境の変化》というハンドアウトだ。これはメインクエストではなく、サブクエストとて設定する。

 ハンドアウトには、冒険者は「人間関係に拗ねたりトラウマを抱えていて、人間不信になっている」キャラ設定をして貰う事になっている。一方、クエストとして「エンディングまでに“仲間っていいな”とPCが思える演出をして仲間として団結する」という目標を与える。

 各PL/PCは人間不信に陥った自分のPCを《心境の変化》させる算段を考えながら、如何にメインクエストを利用しながら、メインクエストをクリアするかを考えて貰う。

 メインクエストはPL全員で一緒に考えながら、サブクエストはPL自身が悩みながら、その同時に二つを達成しようと考える遊び方になっている。

 回復して貰ったら「ありがとう」とか言うとか、誰かを助けるとか、誰かに頼られるとか、そういう時に「仲間って悪くないな」みたいな伏線を貼りながらエンディングで回収して貰うとかを悩むので、メインクエストは結構シンプルなシナリオでもイケる。

※ログホラTRPGは2021年5月12日現在も発売している作品。
**

――――――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――
※自分のTRPG歴25年以降
■シナリオ開示形式(2017年頃)
シナリオの構成方法
――――――――――
―――――
 ログホラTRPGにハマッてGMを30回以上行い、PLも30回以上行いという感じで、集中的に遊んでしまい、かなり飽きてしまっていた…。
 そこでログホラ以外のゲームを探していた時に手にしたのがドラクルージュだった。

ドラクルージュ

 ドラクルージュは、優雅ロールプレイ出来ると様になるTRPGという事もあり、どうやって美しくかっこよく洗練された行動になるのかを検討した。それが《シナリオ開示形式》だった。

 特に何がカッコイイか洗練された事なのかと考えた時、正しい未来予測を元にキャラクターが発言する事だと思った。
間違った未来予測を元にキャラクターが説得・交渉する事はカッコイイから外れると思った。

 そこでGMが見ているシナリオを、PLにも事前に渡して、PLもシナリオの内容を知った状態でTRPGのセッションを行うのが、《シナリオ開示形式》になる。

 これはドラクルージュが初ではなく、ログホライズンTRPGの時からちょくちょく試した事があった。
 卓内では新鮮さと共に好評だったが、1卓だけネタバレを嫌うプレイヤーさんがいてダメだった。

**

 プレイヤー自身は継続して遊んでいたケド…
 2018年4月~2020年9月までGMする事が出来なくなった。
 2018年3月以降。自作シナリオが作る事が出来なくなった。

**

――――――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――
※自分のTRPG歴30年以降
状況のガラス張り(2020年頃)
ココフォリアによるセッションの運営方法
■既成シ再構築形式(2020年頃)
――――――――――
―――――
 オフセメインの身内がCoCでプレイしてみたい話しがあがり、しかしCoC7版で卓立てる人がいないという事で自分がオンセ卓としてCoC7版を立てる事にした。
 この時オンセ特有の問題というのを感じた。
 「顔や身振りが見えない」「音声が途切れたり聞こえにくい場合がある」「誰がしゃべっているかわからない場合がある」「状況が伝わりにくい」。そこで出来る限りココフォリアの部屋の構造でわかりやすくする手法を検討とした。
 その対策が下記のような部屋になる。

画像1

 画面上が【フェイズ】を表す。ミドルは「前半」「後半」に分かれている。ボリュームによってはミドルは「序盤」「中盤」「終盤」に分けるのも良いだろう。
 右側は【時刻】を表し、右下は【経過日】、下は探索できる【ロケーション】と、各抜ける情報数だけ【未達】がある。この他にもシーン毎に掲載するテキストでも状況説明を細かくする。
 これによって「PCの状況がわからない」という不満は解消されたし「サクサク進行している」と言われたりしたが、わかりすぎてしまって「こんなのはCoCじゃない!」とも言われた事がある。
 部屋の詳細については「ココフォ部屋の手法」「ココフォ部屋の手法。その2」を参照されたい。

**

●既成シ再構築形式
 既に世間ではされている手法とは思う。
 「シナリオのせいにするな。全ては回すGMの責任」というのをTwitter上で言われ…行う事にした。既成シナリオを盛大なシナリオフックとして扱い、一度シナリオをバラして、1から舞台設定含めてシナリオ設定を作り込みながら改めてシナリオを作り直す手法。

 そこで大きく作り直すのでシナリオ大改変なワケだけども…けして別シナリオにせず着地(出来上がり)は元の既成シナリオと変わらず、違いをわからないようしている(あくまでシナリオのコンセプトやテーマの為に自分流に作り直す・作り込むような感覚)。シナリオの穴の潰し方を、1から作り直して再設定する事で強固なシナリオを目指した感じ…。
 実施したシナリオは記事にしてて『CoC7e「ペーパーチェイス」KP用設定』『1920年代米国ミシガン州 CoC7e「ペーパーチェイス」』がある。

 ただTRPGのシナリオの改変はご法度と言われたり、作り込む事で嫌がられる場合がありこの手法もあまり良くないようだ…。


**

――――――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――
※自分のTRPG歴30年以降
■ザ・ループ(2021年)
倦怠期に助けてくれた商業ゲーム
■ナラティブ(2021年頃)
シナリオの構成方法
――――――――――
―――――

ザループ

 2020前後の流行りにナラティブがあり…それにあやかろうとしたモノ。
 実際に遊んで楽しかったがナラティブとは「何ぞや?」明確な答えを見つけられなかった為に、改めて自分なりの答え・施策を設ける必要があった。

 考え方のベースは映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の物語をベースにした。

 「ドクが発明を披露して襲われてマーティも襲われながら過去へ逃げ、現代に戻ってくるまでの話」ここがGMが用意したシナリオ部分。

 「マーティはパッとしない生活。貧しい家庭でビフに頭が上がらない情けない父」という最初の状況を作り、『GMが用意したシナリオを経る中で』、その不満・動機を解決させるような物語を作るのがPL。

 そういう住み分けをしてPLが物語を作っていくモノを「ナラティブ」と定義付けして遊ぶ事にした。
 だからPLの物語を語る部分は、PLが描写して極力GMが追認していく形を取る形式にした。

【関連記事】

**

――――――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――
※自分のTRPG歴30年以降
■新クトゥルフ神話TRPG(2022年)
倦怠期に助けてくれた商業ゲーム
■弾丸セッション
セッションの構成方法
――――――――――
―――――

画像10

 よりによって職場の上司達にTRPGを教える事になった。しかもキャラ作込みで3時間のボイスセッションを要望…。普通の人なら3時間と言われたら長くて3時間と思うだろう。…緊張が走る。
 自分の腕なら『ミッション:インポッシブル』な話だが……ワケあって引き受ける事にした。

 シナリオは「惑いの森」。
 ボイセで自分のやり方のココフォリアでプレイ。

惑いの森ティザー02

 結果自身は、休憩時間2回入れて2.6時間程度で全てを終えた!!
 KPをした自分の頭の毛穴が開くような緊迫感の中で遊んだが……出来るモンなんだなぁ~とも思った(笑&安堵)。

 やり方自身は「新クトゥルフ神話TRPG」でキャラ作はスタートセットのやり方を踏襲し…、卓自身はスピーディーになる為にいくつもの工夫を入れた結果やり遂げられた。クライマックス部分だけがショートカットに近い状況になったがそれ以外はほぼ全てショートカット無しで実行出来た。方法論については関連記事を読んでいただけたら嬉しい。

 もうね。自画自賛(笑)
 ただ、やって思ったんだけど、キャラ作もせずキャラ選択制にして、自作シナリオ作ったらもっと短く出来るなと思った…。

【関連記事】

**

――――――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――
■まとめ・所感
――――――――――
―――――
 自分が行った施策は《新作祭り》《無色透明なGM》《PvP&共闘シナリオ》《ミニキャンペーン形式》《同時多発シナリオ》《シナリオ開示形式》《心境の変化》《状況のガラス張り》《既成シ再構築形式》になるが、どれもTwitter上では不快らしい。

 実際に回したメンツの中で不人気な事があったのは《新作祭り》《シナリオ開示形式》《状況のガラス張り》。
 《新作祭り》は、そもそも新作に興味がなく、慣れたゲームを遊びたい人には響かない。更にはGMをする人達からもカロリーを使う遊び方に、あまり良い顔はされなかった。
 《シナリオ開示形式》は遊び方の工夫があれば防げるかもしれないがネタバレを嫌がる人はシナリオを読まない事で辛い事になる。比率的には9卓中1人。
 《状況のガラス張り》はシナリオのネタバレになる点と、サクサク進む事が良いワケではない。何もわからない事やグダるところがTRPGの魅力なのにその魅力を削いでると言われてもいる。比率的には15卓中3卓程度…かな。
 《既成シ再構築形式》はCoC7版で行ったが、良い評価を頂いた事もあったケド、悪い評価が多かった。比率的には8卓中4卓。

 《無色透明なGM》は「そのゲームを楽しみたい」という人にとっては良いようだ。
 《ミニキャンペーン形式》《同時多発シナリオ》《心境の変化》も卓内では好評で否定的な意見はなかった。

 初心者対応では《無色透明なGM》《ミニキャンペーン形式》の二つの組み合わせはとても効果的でコンベンション含めて好評な印象。
演技好きな人には《同時多発シナリオ》《心境の変化》はヒットしている印象がある。

 但し、Twitterを見る限り、自分のやりくちは、どれも「シナリオの内容で勝負する」ではなく「遊び方」など別の視点で攻めている為か、イヤな人には拒絶感並にダメなようだった。

 ただ自分のやり方が世間にとって何よりも良いと思っているワケではなくて、倦怠期に陥って苦しんでいるなら、こういう手法を試すのはどうだろうか?と思っている。

 そして何より、自分が試していない方法で楽しんでいる方法があるなら、ぜひ教えてほしい。

**

【関連記事】

つづく……

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?