TONY.TAKESHI.KATO

薬物依存からの回復者。1995年より仲間と共に薬物を必要としない生き方を実践し続けてい…

TONY.TAKESHI.KATO

薬物依存からの回復者。1995年より仲間と共に薬物を必要としない生き方を実践し続けている。残された最後の自由は、どんな状況にあっても、その中で自分の態度を決めることだ。ただ、失敗によりそう。□Facebook:https://www.facebook.com/takeshi.ka

最近の記事

DARCの流儀

1. DARC(ダルク)の取り組み DARC=ダルク(Drug Addiction Rehabilitation Center)は、この38年間、つながりにおける回復を実践してきた。1985年に東京の荒川区で薬物依存回復者の近藤恒夫氏が始めた。現在、全国に66の運営組織があり、93の施設を運営しており、利用者は1,500人程度いる。韓国においても3か所のダルクが活動をしている。ダルクは、薬物問題を持つ当事者同士が助け合い薬物を使わずに生きるための学びと実践の場であり

    • 薬物依存を考える、「ダメ絶対」から「コネクション」への転換

      現代的課題と 建学の精神 プログラム ニューズレター③ (龍谷大学宗教部発行ニュースレターより) 教職員を対象とした「現代的課題と建学の精神プログラム」。第3回は、薬物依存について。龍谷大学でも、かつて「薬物乱用はダメ、絶対」をキーワードにキャンペーンをおこなっていました。そもそも私たちは、社会の中で生きていくために互いに依存したり何かに依存したりしています。その人を取り巻く環境によって、誰もが薬物に依存してしまう可能性があります。依存を防ぐとともに依存からの回復を支援し見

      • 薬物が解決してくれると思っていた

        薬物乱用防止教育の弊害 1981年(昭和56年)に、「深川通り魔殺人事件」という薬物乱用者による事件が起きた。商店街の路上で、主婦や児童らを包丁で刺し、児童1人と乳児1人を含む4人が死亡、2人が怪我を負った事件です。のちに犯人が覚せい剤の使用があり心神耗弱状態ではあったが無期懲役の判決が言い渡されました。当時は第2次薬物乱用期(第1次乱用期は戦後の昭和20年から29年頃まで)にあり、社会問題として大きく取り上げられることとなり、1980年代の日本民間放送連盟の麻薬撲滅CMで「

        • ピーターを悼む

          世界主要国では薬物関連の政策が大きく舵を切る中、日本では大麻使用罪創設に動き出している。 世界主要国では処罰は最も効果的な方法ではなく公衆衛生や健康問題、社会保障を駆使し解決を目指している。 The Global Commission on Drug Policyを参照ください。 そんな中、ひとりの芸術家が大麻取締法で逮捕された。この経過は長吉さんのnoteをご覧頂きたい。 大麻取締法については、昭和50年代以降、裁判で争われることがあったが厳罰が緩む事はなかった。

          国民年金法第70 条、厚生年金保険法第73 条の2等の規定に基づく違法薬剤の使用に係る給付制限の取扱いについて

          国民年金法第70 条、厚生年金保険法第73 条の2等の規定に基づく違法薬剤の使用に係る給付制限の取扱いについて 年管管発0304 第6号 令和3年3月4日 厚生労働省年金局事業管理課長 国民年金法(昭和34 年法律第141 号)第70 条、厚生年金保険法(昭和29 年法律第115号)第73 条の2等の規定に基づき、違法薬剤の使用により、障害若しくはその原因となった事故を生じさせ、又は障害の程度を増進させた者の当該障害については、これを支給事由とする給付は、その全部又は

          国民年金法第70 条、厚生年金保険法第73 条の2等の規定に基づく違法薬剤の使用に係る給付制限の取扱いについて

          薬物依存症回復支援者研修(DARS)京都セミナー

          【ATA-net研究センター主催/犯罪学研究センター共催】 https://www.ryukoku.ac.jp/nc/event/entry-9456.html アディクションの多様性と回復の多様性〜DARS 12年の軌跡〜(ハイブリッド開催・申込制・参加有料) 開催日時 2021年12月04日 13:00 ~ 2021年12月05日 17:00 開催場所 ハイブリッド開催(龍谷大学 深草キャンパス/オンライン配信) お問い合わせ 龍谷大学ATA-net研究センター Te

          薬物依存症回復支援者研修(DARS)京都セミナー

          不思議な力

          神はその英知により、自分の慈愛の分配役として、このグループの人々を選ばれた。 神は、この不思議な力を運ぶ者を選ぶにあたって、尊敬を集める人々、権力を持つ人々、有名な人々、才能溢れる人々のところへは行かれなかった。 かわりに神は、みすぼらしく、病気で、不運な人々のところを訪れた。 すなわち、飲んだくれのところへ、世の中でもっとも頼りないとされる者のところへとやって来られた。 そして、こう言われた。 わたしは、この計り知れない力を、あなたたちの弱い、力無い手に委ねた。 あなたた

          不思議な力

          アディクション治療の専門化・商業化と回復との乖離

          ――薬物からの解放を求めて―― 2017年9月 日本犯罪社会学会報告加筆                                                  1 はじめに  薬物依存が、「病」であるとか、「罪」であるとかいったことは私たちは関心がなく、私たちを結びつけているものは「薬物からの解放」である。私たちの回復は精神科医療における寛解や刑事司法における更生といった狭いものではない。ダルクのような当事者主体の活動はまだ数少ない。社会の中に回復

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          アディクション医療における人種的正義の推進

          採択日:2021年2月25日 米国アディクション医学会 アディクション医療における人種的正義の推進 背景 人種差別は、黒人、ヒスパニック・ラテン系、アジア系、太平洋諸島系、アメリカ先住民、その他の人種的に抑圧され、権利を奪われた人々(以下、黒人、先住民、有色人種(BIPOC)と総称)の環境や人生経験を不均衡に形成し、依存症を発症するリスクと証拠に基づく依存症治療サービスへのアクセスの両方に悪影響を与えています。米国では、警察や民間人による黒人殺害事件は、人種差別の致命的な結

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          ICD-11(国際疾病分類第11版)

          ~世界保健機関(WHO)による約30年ぶりの改訂~ 2018年6月18日(月)ジュネーブ時間12時(日本時間18日19時)、世界保健機関(WHO)が、国際疾病分類の第11回改訂版(ICD-11)を公表しました。 現行のICD-10への改訂(1990年)以来、約30年ぶりの改訂です。この公表を受け、加盟国は、分類の翻訳など自国での適用へ向けた準備を開始することが期待されており、2019年5月25日の第72回世界保健総会ですべてのWHOメンバーによって正式に承認されました。

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          薬物使用と薬物取引に対する罰の厳しさの影響: フロリダ州の量刑改革提案への示唆

          https://upload-assets.vice.com/files/2016/11/01/1478026703The_Impact_of_the_Severity_of_Punishment_on_Drug_Users_and_Sellers__Abbreviated_.pdf 原文 著者: ジェフリー シース、MS2012 年 1 月 30 日 目次: はじめに 1 各種抑止効果 2 抑止理論の全体的な経験的ステータス 2 薬物使用者/所持者の一般的な抑止 2

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          世界の薬物問題に効果的に取り組み、対処するための共同 コミットメントの実施と人権について*

          国連人権理事会 第39会期 2018年 8月10–28日 議題項目2および8 国連人権高等弁務官年次報告書ならびに国連人権高等弁務官事務所および事務総長報告書 ウィーン宣言および行動計画の実施ならびにフォローアップ PDF ファイル VII. 結論と勧告 89. 世界の薬物問題に関する2016年の第30回特別総会の成果文書の横断的アプローチは、薬物規制の目的である — 人類の健康と福祉の保護 — と「持続可能な開発目標」を含む国連システムの重要な優先事項との新たなより良い

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          第1回「大麻等の薬物対策のあり方検討会」 議事録が、医薬・生活衛生局より公開されました。

          令和3年1月20日 第1回「大麻等の薬物対策のあり方検討会」 議事録が、医薬・生活衛生局より公開されました。 令和3年1月20日(水)13:00~15:00 TKP新橋カンファレンスセンター ホール15E (東京都千代田区内幸町1丁目3-1 幸ビルディング) 「薬物対策の現状と課題」議事録 検討会資料 「薬物対策の現状と課題」(厚生労働省医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課) 大麻等の薬物対策のあり方検討会 構成員 「大麻検討会の議事録に「我が国の薬物の生涯経験率は2

          第1回「大麻等の薬物対策のあり方検討会」 議事録が、医薬・生活衛生局より公開されました。

          薬物使用と非犯罪化〜翻弄(ほんろう)される日本社会〜「大麻、その禁じられた歴史と医療の未来」

          シリーズ 第1回 「薬物使用と非犯罪化〜翻弄(ほんろう)される日本社会〜」 【龍谷大学ATA-net研究センター/犯罪学研究センター共催・ティーチイン】 シリーズ 第1回 「薬物使用と非犯罪化〜翻弄(ほんろう)される日本社会〜」 日時:2021年2月22日(月)18:00~20:00 形式:ZOOMウェビナー 講演者:長吉 秀夫さん(作家) テーマ:「大麻、その禁じられた歴史と医療の未来」 1.開会の挨拶(石塚伸一・龍谷大学)  5分 2.ご講演            

          薬物使用と非犯罪化〜翻弄(ほんろう)される日本社会〜「大麻、その禁じられた歴史と医療の未来」

          タイでの大麻に関する罰則は厳罰主義ではない。

          グッドモーニング! アディクト! タイで逮捕された日本人、どうして日本のメディアまで逮捕の現場に立ち会えたのだろうか? 日本の警察関係の関与があってのことなのだろう。 今タイ国内では、全国20数か所で大麻オイルを処方してくれるセンターが作られている。医療費も免除、無料である。 タイは今後、大麻産業を拡充していく政策がとられている。 今回の逮捕は日本への密輸に関することで日本の警察からのプッシュがあったためだろう。 タイと日本の大麻に関する罰則では、タイが決して厳罰化であ

          タイでの大麻に関する罰則は厳罰主義ではない。

          えんたくリーダー養成講座(4日間、全10コマ)

          ATA-netが開拓した新たな回復支援のスキーム”えんたく”のリーダー(進行・企画の推進者)を養成するための研修コースをスタートすることになりました。受講者には、“えんたく”の企画運営のノウハウを提供します。 将来、えんたくの企画運営者になりたいとの希望をお持ちの方のお申し込みをお待ちしております。 第1回 えんたくABCの基礎と体験 11月 7日(土)13:00~16:15 :えんたくの基礎と体験① 90分2コマ 11月 8日(日)10:30~16:15 :えんたくの基礎

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