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「想いを時代の文脈と交差させる。」社会人548日目の企画の方程式

こんにちは。とにーこと鳥井美沙です。

8月・9月にデジタルハリウッドSTUDIOで、「クリエイターとしてのSNS発信」に関する下記イベント2つ開催しました。

SNSで発信していこうね!とを参加者に伝えながらも、その主催者が発信しないのもどうかと思うので、自分がまとめます。

イベントの模様は公式Webサイトに掲載します。イベントだけでは伝えれなかったことがたーーーくさんあるので、こちらのnoteは、企画担当をした一個人としてのふり返りとして読んでいただければ幸いです。

約6000字あるので、さっと読みたい人は、
・開催意図 -なんでやったの?
・まとめ -わたしの中の方程式

を読むのがオススメです。

開催意図 -なんでやったの?

開催した意図は単純で、個人としての発信力の必要性を感じるから。クリエイターだろうと、営業だろうと、会社員だろうと、フリーランスだろうと、主婦だろうと、発信する力の重要度は増している。

私自身もそうだが、ブログ・note・YouTube・Twitter・Instagram・TikTokで自分の想いや好きを発信する友人、大学の後輩が増えたように感じる。

画一的な内容を大量生産するマスメディアから個々人に合ったものを個々人が発信するパーソナルメディアへ、副業解禁やフリーランス希望者増加など、就”社”する時代から就”職”する時代へー。個人の力が強くなっているからこそ、自分自身をコンテンツにする時代になっているからこそ、個々人が発信する力は求められているし、そこにたくさんの可能性が秘められている。

個人の発信力が求められるようになっている背景には、宗教的価値や政治的価値(イデオロギー)など、社会全体を覆い尽くし、その動向を左右するような信念である「大きな物語」が終焉し、個人個人の人生に焦点を当てた個人的な生活である「小さな物語」の時代へのシフトがある。


大きな物語と小さな物語についての出典

『リオタールの大きな物語と小さな物語』
http://opac.ryukoku.ac.jp/webopac/KJ00004859480._?key=UVTWHK

今回の2つのイベントは、デジタルハリウッドSTUDIOが掲げるキャンペーンメッセージ「自分を生きよう。自由に生きよう。」を体現している卒業生に話してもらって、ロールモデルを提示し、一つの「小さな物語」を世の人に知ってほしいと思った。

社会的な文脈やデジタルハリウッドの考えに絡めてみるとこうなるけれど、私自身が会いたい卒業生だった、私自身がSNSの発信方法を知りたかったというのも本音です。

イベントの概要

1つ目の『Twitter転職者が語る!デザインを学ぶ人のためのSNS攻略法』は、未経験からWebデザインスキルを習得するデジタルハリウッドSTUDIOの専科Webデザイナー専攻での学び、デザインを勉強するサービスCocoda!などのインプットと、SNSでのその学びのアウトプットの重要性を、未経験からSNSの発信で転職した卒業生・カクテルメイクのUIデザイナー森長希奈さん(@kinacomoriiii 以下、きなこさん)お話しいただきました。

(イベントの模様は近日UP予定なので、きなこさんがまとめてくださったnoteを張ります。)


2つ目の『アピール術から成約まで!未経験からデザイナーになるためのSNS塾』では、モテクリエイターゆうこすさんのサービスやプロダクトのデザインを手がける卒業生・株式会社KOSのデザイナー 小島香澄さん(@_mi_su_ka_ 以下、カスミさん)にSNSで実際に仕事に繋がった実例を交えながら、SNSの使い分けをお話しいただきました。

(イベントの模様は近日UP予定なので、カスミさんのことが知れるnoteを張ります。)

役立ったのは、SNSの使い分け。

・Twitter:思ったこと・考えたことのアウトプット。引用RTで自分の考えを言語化する。
・Instagram:ポートフォリオ代わりの作品掲載。1つの作品の統一感を作る。
・note:勉強記録。Twitterでは書けない長文のことを書く。
デザイナーってこのデザインになった理由をクライアントや他人に説明する必要があるから、SNSでの発信は言語化能力が鍛えられる。

言語化能力を鍛えることはクリエイターにとっても重要だ。何よりアウトプットすることは、学習効果が高い。

イベント企画・運営における課題 -ファシリテーション

2つのイベントを通して自分の課題だと感じるのは何と言ってもファシリテーション力!!!

人前で話すよりもこうやって文字にする方が得意だけれど、ちゃんと参加者に届けるまでが企画である。

特に1つ目の『Twitter転職者が語る!デザインを学ぶ人のためのSNS攻略法』は、Twitter転職をした卒業生のきなこさん(@kinacomoriiii)と転職先である株式会社カクテルメイクの代表取締役・松尾幸治さん(@yukiharuharu)にご登壇いただいたが、松尾さんにあまり話を振れなかった!

もっと社長さんの採用目線での話をしていただくことで、もっとテーマ「SNS攻略法」に関する抽象度を上げたり、社会的な文脈を話してもらえたら、参加者の満足度も上がったと思う。

「移り変わりが激しい時代だからこそ、トレンドのデザインをおさえる力はもちろん、自ら学ぶ姿勢が求められている。自ら学ぶ姿勢の一つがSNSの発信だ。」

という松尾さんの言葉が印象に残っている。

企画やイベントってUX(ユーザーエクスペリエンス)でもあるから、もっと参加者がいいと思う時間を過ごせるようにしたい。。。

ファシリに必要なことって?

課題に感じたので、ファシリテーションが得意な知人 2人に相談してみた。ファシリテーションにおいては、下の4つがポイント。

①参加者の定性を意識する

想定される参加者のパターンを3パターンほど考える。

その3パターンの参加者がイベントのBefore/Afterでどうなっていたいか、どうツイートしてもらいたいか、感情レベルで考える。

会議のために参加者の定性をまとめたけれど、よりリアルに場がイメージできたので、登壇者との打ち合せなどでこれからも使いたい。

②ゴール設定をする

コミュニティ形成なのか、知識を得ることなのか、行動してもらうことなのか、イベントの目的やゴールを決める。

自分のゴール設定が合っているかをイベントの趣旨・内容と照らし合わせる。コレは自分では気づかなさそうなので、会議で共有し、他のメンバーからの意見を大切にするのがよさそう。

イベントの企画・運営は意外とリソースが割かれるので、イベントの目的やゴールはきちんと設定したい。(私はイベントをやりすぎると疲弊するので、バランス見ながらやりたい。そもそもイベント会社じゃないしね。)

その設定したゴールへの引き出しを増やしていくのが③④の手法。③④を怠ると、自分の設定したゴールに参加者が置いてきぼりになって興ざめする。

③「帰属意識」を持たせ、参加者の緊張をほどく

イベントに集う人に必要なのは、ここは安心できる場だと感じる「帰属意識」だそう。心理的安全性を作るのは、ホームプレイスでイベントを主催しているファシリテーターの役割だ。登壇者が話し慣れていない場合もあるので、そこはきちんとフォローする必要がある。(というか私自身も話し慣れていないので、話し慣れる必要がある。。。)

たしかに、自分も初めてイベントに参加するときは、会場はここで合っているのかな?周りはどんな人がいるのかな?ってドキドキする。

この質問は聞いていいのかな?自分だけが初心者かな?周りの人ってどんな人だろう?と参加者の心の声を拾い、参加者の懸念を消すことで、場が温まる。参加者が安心して自分を出せる環境にする。

Q&A、パネルセッション、ワーク形式など、イベントの中身の設計も帰属意識を持たせるのに関わってくる。

④3つの要素で満足度を上げる

参加者の満足度を上げるには、「未来志向」「エネルギー」「個別化」の3つの要素が必要。

A)未来志向

このイベントがシリーズで続いていくこと、イベント後の湯上り感など、イベントの先をイメージさせる。

私が企画してした2つのイベントの場合、「クリエイターのための〇〇」のようなシリーズにすると、「こういう部分にアンテナを張っている人たちの場だから、参加者同士で繋がっていってください」と促しやすいとのこと。たしかに。

B)エネルギー

エネルギーの熱量。参加者がなぜ学びたいのか、何を学びたいのか、主催者はどんな想いでこのイベントを企画したのかを知るには、エネルギーの質と量の交換が高い方がいい。

淡々とスライドのもくじ通りに話してしまったけれど、企画の想いをもっと伝えられたらよかった。

少し話はそれるが、2番目のイベントの登壇者・カスミさんは、SNSの発信によって未経験からファンであったゆうこすのデザイナーになった。

それこそ「小さな物語」であり、現代のシンデレラストーリーだ。それをいいなぁと横目で見ているだけではなく、参加者やこれを読んでいる人にも夢を掴んでほしい。

SNSやインターネットの発達で、夢を掴むハードルは以前より低くなっている。私も自分の発信を通じて憧れの人と関わることができたから、そう信じている。

Twitterで引用RTしていたから、ミニマリストしぶさんにインタビューするチャンスも叶ったし、昨年の10月頃にNZ在住で執筆家の四角大輔さん(以下、四角さん)の著書『モバイルボヘミアン』を読んで「彼のようになりたい」と思ってから、四角さん主宰のオンラインサロンLifeStyleDesign Campで実際に会う機会があり、登壇イベントの記事の執筆の依頼をいただいたりした。四角さんにTwitterもフォローされてからは、美しい言葉を書かないと!と背筋がピンと伸びる感覚でいる。

話が脱線したが、「小さな物語」の時代だからこそ、いわゆる”憧れの人”との距離は近くなりつつあるし、発信することで得られるチャンスも増えている。それを参加者に持って帰って欲しかったのだ。

C)個別化

自分を知っている人が3人いると、その場に溶け込みやすくする。

隣の人が誰かを知るだけで会場の場は温まる。イベントに何回も来てもらうことで、単純な接触回数を増やすのもあり。

1回のイベントのなかでも参加者同士の接触回数を増やし、初めのアイスブレイクだけでなく、第1部、第2部など内容の一区切りで感想をシェアしてもらって質疑応答をする。

その方が参加者の当事者意識が生まれ、自分の声を拾ってもらった体験を得られる。言葉が分からず参加者が置いていきぼりになっていないか、登壇者と参加者の間で乖離が生まれていないかの確認ができる。

学習学の観点からみても、講義や座学だけだと5%しかない。インプットとアウトプットを繰り返すことで学びの効果は深まる。(この詳細は『Learn Better――頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ』にて。)

SNS発信で掛け算にしていく

「デザイナーの仕事はSNSの発信ではなく、いい作品を作ること。でも発信をすることでそれが2倍、3倍のかけ算になるー。」

イベントでカスミさんが言っていた言葉だ。

私の仕事もSNS発信ではないし、イベントを企画・運営することだけが仕事ではないし、プロのファシリテーターでもない。「いい学校をつくること」「いい教育をすること」の一環としてイベントを企画している。

だからまずはカスミさんもお話ししていたように、もっと仕事の勉強の記録としてSNSの発信をしていこうと思う。noteを書いて事業やの構想が固まることもあるし、自分のふり返りにもなる。

まとめ -わたしの中の方程式

「100万人に届く歌は、誰か一人のために創られた曲」ー。

四角さんは、数々のミリオンヒットを手がけた中でこう言っている。

私もよく「一人が疑問に思っていることはきっと他の人も疑問に思っているから、手を挙げて質問して。」と言うけれど、私が知りたいことを深掘りし、社会的文脈を絡めれば、企画はきっとうまくいく。

前田裕二の「人生の勝算」までとは言わないけれど、1年半働いてきて言える、ひとつの方程式だ。

編集者・箕輪厚介さんの言葉で言ったら、「熱狂×科学」「赤×青」だ。

自分の問題意識・考え・想い・モヤモヤを、時代の文脈と交差させ、企画や講座やコンテンツにしていくのはおもしろい。

イベントの企画が好き!っていうよりも、自分の「熱狂×科学」を企画・事業・講座・文章と形にしていくことがおもしろい。そうやって形にしたものが一人でも誰かに届くことが嬉しい。

イベントにおいて、企画をうまく実行するために、今の自分に必要なのはファシリテーター能力だ。

ファシリテーションは準備しつつ、準備しないことも大切らしい。受付などがバタついたので、段取りや話の中身など準備できるところは準備しつつ、その場のファシリテーションは、参加者とインタラクティブに交差しながら、生の温度を大切にしながら、場に任せるのもアリだ。熱狂は、参加者あらその会場で生まれることもある。

さいごに

デジタルハリウッドで今日で働き始めて1年半。日数にすると548日。これまでのイベントや講座の企画をしてきたふり返り、課題、想いをまとめた。

最後になりましたが、「自由にやっていいから」「いいね」と見守ってくださる上司、手を差し伸べていただく先輩・同僚・後輩、チャンスを与えてくださる環境、想いに賛同して登壇してくださるゲストたちに感謝したい。いつもありがとうございます。これからもよろしくお願いします。


「叶わない夢かもしれないけれど、挑戦してほしいー。」

打合せのときにカスミさんが言っていた言葉だった。昨日のイベントで最後に言おうと思っていたのに言い忘れたから、この場を借りて伝えたい。

SNSの発信でも、イベントの企画でも、ファシリテーションでもいい。叶わないかもしれないけれど、何かに挑戦してほしい。

これからも、私自身も挑戦し続けたいし、挑戦する人の背中を押し続けたい。

文字数にすると約6000字!文章を短くまとめることも課題だ!

最後まで読んでいただきありがとうございました。何かのヒントになれば嬉しい限りです。

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