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中学校の異変

古くから僕のことを知っている人は、僕が小学校の異変を分析し始めた頃、「これから中学校も大変なことになる」そう書き込んでいたことを覚えているかもしれません。でも、実際には僕がイメージしていたような異変は起こりませんでした。でもある意味、今の中学校の異変は僕の予想を超え、多くの人が考えるよりもまずい状況だと僕は思っています。

まず、僕は6〜7年前の小学校の状況(データ)から中学校でも荒れが大きくなるだろうと考えていました。もちろん、データ上の荒れはあります。生徒の人口比で言うなら、小学校の2倍は暴力事件は多いのです。それでも、小学校が爆上がりしているのを横目に、中学校では暴力事件は減少傾向なのです。そして、それと反比例するかのように、不登校が激増しています。

この二つのクロスするデータがいったい何を意味するのか。僕は何年もここを分析しています。一方で中学教師にとっては不登校は心が痛むものの、その生徒が目の前にあるわけではないので、忙しさに紛れて視界から消えてしまいます。また、その原因を家庭環境に理由づけしてしまえは教師の心は痛みません。校内暴力よりは遥かに「楽」なのです。

でも、不登校の社会的なダメージは暴力とは違って、遥かに大きく長引きます。やんちゃな大人が武勇伝を語るくらいなら可愛いものですが、中学校で不登校を起こした生徒が大人になってどれだけ社会に復帰できるのかというと、それはとても低いはずです。最新データは「こどおじ」という言葉で揶揄されてきた中高年の引きこもり、実は女性の方が多いという現実が分かり、それは中学校の不登校の男女比と重なります。

その根が小学校になるのは間違いありません。中学校はそこに「とどめ」を差しているだけなのです。つまり、中学校は不登校を食い止めることもできるし、増やすこともできるわけです。でも、その意識をもっている人は、まだごくわずなのでしょうね。


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