おいしいものがいっぱいの、秋。
秋はきらいだ。
夕暮れがどんどん早くなって、五時半でも札幌はもう真っ暗だ。まだ夏着でいられるように見せかけておいて、風は冷たくって、家に帰るころには体の芯まで冷え切っている。やるせなくなっちゃう季節だ。
今日、スーパーで野菜コーナーをうろうろしていると、少し前よりも目に見えて品ぞろえが充実している。仕入れ担当がこれまでサボっていたわけではないとおもう。長ネギ、白菜、大根、かぼちゃといった冬物野菜が、少しずつ並びはじめている。もう冬も近いのだなあ、と一人シミジミしていると、すぐよこで色とりどりの野菜が目立っていた。
ずっしりと肥えたさつまいも。
黄金色の柿。
ネットの中でころころとかわいい玉ねぎ。
今日のデザートは柿にしよう。明日のおやつはふかし芋だ。などなど・・・楽しい妄想がいろいろ膨らんでくる。スーパーを一周するころ、かごはずっしりと重くなり、片手では支えられなくなっていた。夕暮れが早いとか、風がどうのとか言ってた頭はすぐ別のことを考え出す。
秋は、いいものだ。
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